リストラ部屋の実態と左遷される理由|対処法と抜け出す方法

ビジネススキル

リストラ部屋とは

自主退職に追い込むための部署

「リストラ部屋」は、「追い出し部屋」という表現もされる、部署のことです。企業にとって、何らかの事情で必要がなくなった社員を、あくまで自主退職に追い込むために入れる部屋が、「リストラ部屋」だと考えると良いでしょう。「リストラ候補者が集められた部署」という表現が的確ですね。「リストラ部屋」という言い方は、一か所に対象者を集めるニュアンスから来ていると言われています。

思わず辞めたくなってしまうような仕事ばかり与えられる

リストラ部屋は、集められたスタッフが、思わず自主退職してしまいたくなるような仕事ばかりをやらされる傾向にあります。通常の社員であれば、まずありえないような簡易な業務ばかりをずっと命令されたり、あるいは、過酷すぎて退職したくなってしまうような重労働を強いられ続けたりします。ある種脱法的とも言える退職推進を取っている企業も存在しています。

リストラ部屋に行く理由は人それぞれ

リストラ部屋に送られてしまう理由は、個人や状況によって大きく異なって来ます。 業務スキルがあまりに低く、それまで所属していた部署で「いらない人材」と判断されてしまい、かといってクビにすることもできないため、リストラ部屋に送られてしまうケースもあります。 責任者やリーダー職のスタッフとトラブルを起こしてしまい、目をつけられてリストラ部屋送りになってしまうケースもあるでしょう。 あるいは、人間関係のトラブルを引き起こしてしまったり、勤務態度や姿勢に著しい問題があると判断されて、リストラ部屋に移動になってしまう可能性もあります。

リストラ部屋は大企業に多い

一概に言い切ることは出来ませんが、リストラ部屋が用意されているのは、大企業に多い傾向にあります。 これは、人件費に余力がある企業でなければ、リストラ部屋を用意することが出来ないからです。リストラ部屋に左遷したところで、すぐにスタッフが辞めてくれるかは分かりません。重要度が低く、かつ生産性が低く、心身共にネガティブなモードで一定期間働いてもらわなければいけません。 この間、たとえリストラ部屋のスタッフであっても、給与を支払う必要があります。費用にある程度の余力がなければ、そもそも設置できないのです。

リストラ部屋の部署名

「リストラ部屋」を、企業としてはそのまま呼ぶわけにはいきませんよね。「追い出し部屋」「左遷部屋」「窓際ス部署」という名前で呼ぶわけにはいかないのが現実です。そのため、ネガティブな印象を抱かれにくい部署名にして、一瞬左遷先だと感じさせない工夫がされているところが多いです。「キャリア開発センター」や「人材強化チーム」、「プロジェクト支援センター」など、大企業の特別部署らしい名前がつけられている傾向にあります。

どうしてリストラ部屋があるのか?

そもそも、会社がわざわざリストラ部屋を設置しているのは、「スタッフを簡単に解雇することが出来ないから」という理由です。従業員の雇用される立場は、労働基準法によって、基本的に守られているものです。企業が自分勝手にスタッフを辞めさせてしまうことは、「不当解雇」として、労働基準法に違反することになってしまうのです。未払賃金問題は、近年特に注目されることが多い話題ですよね。あのように、企業はただ利益を重んじて、好き勝手に人員整理や、報酬の調整をしてはいけないことになっているのです。 更に、リストラ部屋を設置しているような大企業であれば、不当解雇のニュースがひとたび流れることで、大きなイメージダウンに繋がってしまうこともあります。世間からの印象は、たつたひとつの小さなニュースから、だだ崩れになってしまうケースも少なくないというわけです。

リストラ部屋に左遷されたときの対処法

それでは、実際にリストラ部屋に行くことになってしまったら、どういった対処をすれば良いのでしょうか?ある意味「左遷」であるリストラ部屋から抜け出し、それぞれの理想のキャリアプランに向かっていくために、有効な手段をいくつか紹介していきましょう。

そもそも応じない

自社にリストラ部屋が存在することを知っていれば、「あの部署に移動を命じられること」が、所謂「自主退職を勧められていること」だと分かるでしょう。 一旦移動してしまえば、その後の対処はひと手間かかってしまいます。そのため、リストラ部署への移動を命じられたら、まず応じないようにするという選択肢を取ってみましょう。慎重さは決してマイナスにはなりません。

違法性を指摘する

リストラ部屋そのものが、存在する時点で違法というわけではありません。そのため、存在だけで法的な処置に出ることは難しいです。ただし、移動のための手口によっては、違法性を証明できることもあります。行きすぎた命令は、パワハラや過度の退職推奨とみなされ、弁護士への相談で解決できることもあります。労働問題に強い、専門の弁護士を頼ってみましょう。無料相談サービスが展開されているところもたくさんあります。

実績を出す

リストラ部屋からの脱却で、成功率が高いのは「実績を出すこと」でもあります。企業サイドとしても、自社に貢献する、高い実力を持ったスタッフであれば、みすみす自主退職を促すに任せるわけではないでしょう。もちろん、どのような理由でリストラ部屋に送られたのか、責任者はどのように事態をとらえているのかにもよるのは事実です。 それでも、リストラ部屋を設置しているような大企業であれば、実力次第で、これまでとは別のキャリアプランを構築できるケースは少なくありません。リストラ部屋の業務では、なかなか目に見える実績が出しにくいこともありますから、独学で勉強をしたり、資格を取得したり、新たな業務アプローチをするなどの工夫が必須です。

転職を考える

リストラ部屋に移動させられたからといって、すぐに会社を辞めなくてはいけないわけではありません。企業としては、不当解雇としてのトラブル発生を阻止する意味で、リストラ部屋を設置しているケースも多いです。そのため、たとえリストラ部屋であっても、その会社に在籍し続け、現状を維持することを目指す人も存在しています。 しかし、リストラ部屋に左遷された以上、あなたが「リストラ候補者である」という事実そのものは変わりません。今後の企業の経営状況によっては、正式にリストラされる可能性も低くないのです。また、企業から「いらない人材」「期待されない人材」と判断されてしまっていることもまた事実です。このままリストラ部屋で働いていもて、今後のキャリアアップはまず望めませんし、理想の将来像があれば、近づくことは困難でしょう。給与をはじめとした、報酬アップも期待できないのです。 そのため、リストラ部屋に移動したら、抜け出すために「転職」という選択肢を選ぶのも良いでしょう。 同じ社内で、リストラ部屋から復帰することを考えるよりも、ある意味では分かりやすく、実践しやすい手段でもあります。転職エージェントを活用したり、求人サイトをチェックしたりして、これまでのキャリアやスキルを活かし、よりあなたらしく働ける場所を探すのがおすすめです。 もちろん、転職活動の際、「リストラ部屋に入れられてしまったので」という都合を、相手に伝える必要はありません。

「自己都合退職」のリスクを知る

リストラ部屋に左遷されてしまったことで、そもそもモチベーション自体が著しく低下してしまい、退職を考える人は少なくありません。それを狙って設置された部署だということを理解しつつも、自らの将来を絶たれたショックや、新天地への切り替えから、安易に「自己都合退職」を選択してしまうケースが後を絶たないのです。 自己都合退職」と「会社都合退職」は、一見大した差は無いと思われていますが、実は非常に大きな差があります。その代表例が「失業手当」です。「自己都合退職」と「会社都合退職」では、手元に入る失業手当が、150万円以上変わってくるケースも珍しくありません。 「自己都合退職」は、一身上の都合により、退職届を自ら提出して、仕事を辞めた場合です。「会社都合退職」は、従業員本人の意志とは関係なく、仕事を辞めることになってしまった場合です。リストラをはじめとして、会社の倒産などもここに含まれてきます。 リストラ部屋に送られてしまった場合、「会社都合退職」として処理される、正式なリストラまで働けば、失業保険を多くもらうことが゛てきます。保険金の給付自体も早く、退職後すぐに受け取ることが出来るため、生活にやや余裕を持ちやすい一面もあるでしょう。「自己都合退職」の場合、退職後、ハローワークに申請してから、一定期間が経過してからではないと、保険金を受け取ることが出来ません。その金額も、「会社都合退職」より圧倒的に少ないです。 ただし一方で、新しい転職先を探す場合、「会社都合退職」であると、まず理由を聞かれることになるでしょう。よくある「一身上の都合」という理由づけが使えません。能力の低さから退職させられたと捉えられることも多いため、志望通りの転職活動が、実現しにくくなってしまうというデメリットもあり得るのです。

リストラ部屋からは抜け出せるか?

理由によって可否は異なる

リストラ部屋から抜け出せるか否かは、左遷の理由と、企業の性質によって異なってきます。ある種の「ペナルティ」としての意味合いで、一時的にリストラ部屋に左遷する制度を取っているところもあります。推奨された経営体制ではありませんが、一定期間の反省や、実力アップで脱却できる可能性もあります。 一方で、リストラ部屋に送られた理由や、企業の性質によっては、どんなに努力を重ねても、退職までずっと窓際従業員というケースも、十分あり得ます。

前例を見極める

リストラ部屋に送られてしまい、自分がそこから抜け出せるかどうかは、前例をチェックすると良いでしょう。その企業のリストラ部屋から抜け出した人がいたかどうか、その人はどんな方法で抜け出したのかを確認します。もしも前例がない場合、脱出は不可能である可能性も高いです。その場合、別の選択肢を視野に入れる必要があるでしょう。

リストラ部屋から抜け出すために

いかがでしたか? リストラ部屋に左遷されることになったら、つい慌ててしまいやすいですが、焦りは禁物です。 慎重に考え、考察し、どのような行動が適しているのかを、しっかり見定められるようにしましょう。

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