見込み残業のメリット・デメリット5つ|みなし/違法/誤解

ビジネススキル

見込み残業の意味

見込み残業のメリット・デメリット5つ|みなし/違法/誤解

見込み残業の制度は、残業代を節約するための制度といった誤解を受けやすい制度ですが、本来はそのような制度ではありません。労働者が働いた分の給与を得るための仕組みです。見込み残業の仕組みを理解しましょう。

会社が残業するように従業員に指示できるは、このサブロク協定がある場合に限られます。見込み残業の制度も、このサブロク協定に書かれていることが前提になります。

みなし労働時間制

みなし労働時間制とは、実際にその日にはたらいた時間ではなく、あらかじめ定めておいた時間労働したものとみなす制度のことです。

事業場外労働(営業など)、専門業務型裁量労働制(デザイナーなど)、企画業務型裁量労働制(企画提案業務など)という職種では、労働時間を正確に管理することが難しく、また労働者の裁量によって大きく変わってくるためにみなし労働時間制をとっていることが多いです。

定額残業制

定額残業制とは、みなし労働時間制のなかに残業時間も含まれている物のことであり、毎月の残業代が「見込み残業時間」としてあらかじめ給与に含まれています。「みなし残業代」とも呼ばれる物です。

上記で説明したような職種の場合、残業時間、つまり「時間外労働」の時間も正確に把握することが難しいので「見込み残業」としてあらかじめ定めておくことが認められています。これを超えて労働するかどうかは労働者の裁量次第です。

見込み残業の対象となる職種

「見込み残業」は、どのような職種でも認められているわけではありません。外回りの営業職や、出張の多い企業では、監督者がその労働者の労働時間を正確に把握することができないために「見込み残業」が認められています。

また、「裁量労働制」(本人の能力次第で同じ仕事をするのにかかる時間が変わる)という職種でもみなし労働時間制および「見込み残業」が認められています。大学での教授研究業や弁護士がこれに当たります

見込み残業のメリットとデメリット

見込み残業のメリット・デメリット5つ|みなし/違法/誤解

みなし労働時間制や見込み残業には、労働者とその企業にとってメリットとデメリットの両方があります。その企業がどのような理由から見込み残業を取り入れているのか知ることで、その企業がブラックなのかどうかの指標にもなるでしょう。

企業側にばかりメリットになるというイメージを持つ人も多いようですが、「見込み残業」は、ちゃんと労働者の立場を守るための制度でもあります。

見込み残業のメリット

見込み残業のメリット・デメリット5つ|みなし/違法/誤解

それでは、見込み残業のメリットは何なのでしょうか。企業側にとっても残業代は多くない方が良いでしょう。また、労働者側にとっても、残業時間はできるだけ少なくしたい物です。

実はこの2つの願いをかなえる可能性のあるのが「見込み残業」の制度です。矛盾した希望であるように見えますが、見込み残業をうまく使って労働者の仕事のスタイルを変えることで双方にとって良い状態が実現することができます。

メリット1:無意味な残業を減らせる

見込み残業のメリットとしては、企業側が労働者の無駄な残業を減らすことができるということです。労働者の中には、残業代を嵩増ししようとしてダラダラと長時間労働したり、必要もないのにわざわざ残業をする人もいます。

見込み残業として初めから残業代が変わらないようにしてしまえばこの手法は使うことができません。こうすることで企業側が無駄な残業代を払わなくても済むようになります。
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