横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

雑学

横断歩道手前30メートルから追い抜き・追い越しは禁止されています

横断歩道・自転車横断帯の手前30メートルからは追い抜き・追い越し共に禁止されています。自転車(軽車両)も適用されますので、注意が必要です。ただし、車両で自転車(軽車両)を追い越したり、停止している車両を追い抜くのは禁止されていません。なお、これらを守らなかった場合は「追い越し方法違反」もしくは「横断歩行者妨害違反」となり違反点数は2点、反則金は9千円(普通車)です。

これは車の陰になってしまっている歩行者を保護するためにあります。自転車や停止している車両を追い越す際にも、安全確認は必ず行いましょう。

「サンキュー事故」に要注意

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

対向車線が渋滞している交差点を右折する時に、対向車側が好意で車間を開けて道を譲ってくれたとします。すると、右折車は「早く曲がらなければ」という心理が働いて焦りながら右折を開始してしまい、安全確認を怠ったことで横断歩道を渡ろうと対向車の陰から出てきた歩行者や自転車とぶつかってしまうという事があります。これは「サンキュー事故」と呼ばれています。例え対向車に気を使って焦ってしまったとしても、「死角から歩行者や自転車が飛び出してくることがある」という事を認識して、しっかりと一時停止または徐行をして安全を確認してから右折しましょう。

横断歩道上は駐停車が禁止されています

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

横断歩道(自転車横断帯を含む)は駐停車が禁止となっています。また、横断歩道の前後それぞれ5メートル以内も駐停車は禁止です。もしもそこに車両を停めてしまった場合、横断歩道を渡る人や車両側の見通しが悪くなってしまい、大変危険です。絶対にやめましょう。また、駐停車違反をしてしまった場合は点数は2点で12,000円の反則金(普通車)、放置駐車違反の場合は点数は3点で反則金は18,000円(普通車)です。

子供の飛び出しは予測が難しい?

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

小さな子供は大人と比べて危険を判断する能力がまだありません。また、何かに夢中になってしまうとすぐ周りの事が見えなくなってしまったり、走っていると急に止まれなくなってしまいます。また、体もまだ小さいので車や看板、柱などの陰に隠れてしまうことが多々あります。こうした子供の事故を防ぐためにはどういった事に気を付ければ良いのでしょうか。

幼稚園や学校の近くなど・通学路は特に注意して走行する

幼稚園や学校に通っている子供はまだまだ危険予知能力が育っていません。また動きも活発になっていますので道路への飛び出しに注意が必要です。幼児や小学生はもちろんのこと、中学生や高校生でも、学校に遅刻しそうな時や何か夢中になっている時には、歩行していても自転車に乗っていても道路に飛び出してくることがあります。特に雨の日は自転車を傘さし運転していたり、濡れるからと信号無視をしたりと無謀な歩行・自転車の運転が目立ちます。幼稚園や学校の近くの通学路には特に注意して安全運転を心がけましょう。

幼稚園・通学バスが停車しているすぐ近くの横断歩道に潜む危険

停車している幼稚園バスや通学バスを追い越す際は、バスの陰から園児・児童・生徒や付き添いのもっと小さな幼児が飛び出してくる可能性があります。過去にも悲しい事故が何件も起きています。必ず注意をして徐行または一時停止をしましょう。

横断歩道の寸法などの設置基準

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

横断歩道の白線および白線と白線の間隔は、どちらも同じで、0.45~0.50メートルとはっきりと寸法が定められています。

また、横断歩道には設置基準が設けられており、それをクリアしなければ横断歩道を新たに設置することはできません。例えば、急な坂道の途中や頂上であったり、見通しのきかない曲がり角など、接近する車の運転者から歩行者の発見が著しく遅れそうなところには設置できません。また、重要な設置基準に横断者の滞留場所の有無というものがあります。横断歩道の前で歩行者が待てる十分なスペースが無ければ、横断歩道は設置できません。この基準をクリアして初めて横断歩道は設置されます。

横断歩道を新しく作ってもらいたい時はどうすればいい?

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横断歩道を新設してもらいたい時の窓口としては、まずは最寄りの警察署になります。また道路管理者に連絡するという手段もあります。(国、都道府県、市町村など)また、国土交通省には「道の相談室」というWEBサイトの窓口もあります。横断歩道を新設してもらいたい時はこれらに申請を出すことになります。

しかし、個人の意見だけではどれだけ警察署や市役所に訴えても設置は難しいのが現状です。まずは自治会や近所の住民に声をかけて、嘆願書や署名を作成する必要があります。また、一度だけでは承認される可能性は低いため、何度も足を運ぶことになります。横断歩道がないことによって周辺住民がどれだけ困っているか、道路状況をしっかり調べてから提出しましょう。

横断歩道の縦線はいつ消えた?

横断歩道を頭の中でイメージした時、はしごみたいな縦線のある模様を想像した方もいるでしょう。実は、現在は横断歩道に縦線は無くなっています。「ペイント剤、作業時間の節約になる」「縦線が無いことで水はけがよくなる」などの理由から1992年に現在のデザインに変更されました。気になる人は次に外出する時に確認してみて下さい。

また、はしご模様となったのは1965年で、それよりも前の横断歩道標示が法律化された1960年では市松模様で描かれていました。こちらも、水はけが悪くスリップ事故が多発したため廃止となりました。

横断歩道でありがちな違反

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横断歩道ではどんな違反が多いのでしょうか。車と自転車でありがちな違反の例についてご紹介いたします。

自動車やオートバイを運転している時にありがちな違反

横断歩道でありがちな違反として第一にあげられるのが、「横断歩行者妨害違反」です。『道路交通法第38条第1項』により、車両で横断歩道を通過する際には横断歩道や自転車横断帯を渡ろうとしている人が明らかにいない場合を除いて、横断歩道でいつでも停まれる速度で徐行をしなければなりません。また、横断歩道を渡っている人がいる場合は、横断歩道の手前の停止線で一時停止をします。これが守られていない場合には違反点数は2点、反則金は9千円(普通車)、刑事処分となってしまうと罰則は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

自転車に乗っている時にありがちな違反

自転車は「軽車両」ですので「車両」です。そのため、自転車で横断歩道を渡る際は横断歩道に歩行者などが明らかにいない場合を除いては、自転車横断帯を渡るか自転車を降りて押して歩かなければなりません。(押して歩けば歩行者扱いになります)これを守らなければ道路交通法違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。自転車に乗る際には注意をしましょう。

歩行者と車の事故では、車が100%悪くなる?

歩行者と車がぶつかってしまった場合、歩行者を交通弱者として車は危険を回避する義務があるため、ほとんどの場合車の方が過失割合が大きくなります。しかし、歩行者の行動の条件によっては過失相殺される場合があります。

歩行者が横断歩道を渡っていなかった場合

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歩行者が横断歩道のない道を渡っていてぶつかった場合は、歩行者も安全確認義務を怠っていたとして車が100%悪いということにはほとんどなりません。道の広さや優先度、車が直進だったか右左折だったかにもよりますが、過失割合は歩行者が10~20%ほど、車が80~90%ほどになります。

歩行者が横断歩道を渡っていた場合

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

歩行者が横断歩道を渡っている時には車両側に停止義務があります。しかし、歩行者側の横断歩道の信号が青でなかった時に事故が起きた場合にはどうなるのでしょうか。

まず歩行者側の信号が青だった場合

歩行者側の信号が青で車両側の信号が赤だった場合は、ほぼ100%車に過失があります。また、歩行者側の信号が青で横断を開始し途中で赤になった時でも、車側の信号が赤であればほぼ100%車に過失があります。しかし、その時に車側の信号が青だった時には過失相殺が認められる場合があります。

歩行者側の信号が黄色(もしくは点滅)だった場合

歩行者側の信号が黄色だった時に横断を開始した場合は、車が100%過失を負うことは少ないと言えるでしょう。黄色信号は「注意して進め」ではなく「止まれ」ですので、歩行者側にも過失が発生します。なお、歩行者側の信号が黄色で事故が発生した場合、過失割合は車側の信号が何色だったかで変わってきます。車側の信号が赤だった場合、車側の過失は100%にはならなくても大きくなることは間違いないでしょう。

歩行者側の信号が赤だった場合

歩行者側の信号が赤だった場合、明らかに歩行者にも事故原因の一端があったと認められます。歩行者側の信号が赤で車側の信号が青だった場合は、歩行者の方が過失割合が高くなる場合があります。なお、それでも車両側に危険回避の義務があるため歩行者が100%悪くなる場合はほぼ無いと言えるでしょう。

信号の色を証明するにはどうしたら良い?

横断歩道を渡っていた歩行者と車の事故では、過失割合を出す際に信号の色が重要になってきます。しかし、事故が起きた時に歩行者も車の運転者も青信号だったと主張してしまった場合は、解決に通常の何倍もの時間がかかってしまうでしょう。事故の目撃者を捜したり、道路の状況を証明したりする必要が出てきます。監視カメラの映像記録があれば素早く解決ができますが、すべての道路に監視カメラが設置されているわけではありません。そこで、近年急速に普及してきているのが「ドライブレコーダー」です。

「ドライブレコーダー」とは?

ドライブレコーダーとは、車両の内側のフロントガラスに取り付けて運転中の映像を記録するもので、交通事故の際には客観的な証拠として重宝されています。ドライブレコーダーは以前は高級品とされていて取り付けている車両は多くありませんでしたが、今では開発が進み小型化して価格も抑えられてきています。そのためタクシーやバスなどにはもちろん、自家用車にも個人で取り付ける人が増えてきました。

ドライブレコーダーにも色々な種類があり、ループして延々と記録しては削除を繰り返すものや、重力(G)を感知して前後の映像を削除せずに保存するものなどがあります。電源もシガーソケットから取るものなど色々な商品が発売されています。購入する時にはドライブレコーダーを何種類か比較して、一番合っているものを選びましょう。

ドライブレコーダーに信号の色が写っていないことがある!?

近年街で増えてきたLED式の信号ですが、それらは一部のドライブレコーダーでは真っ暗であったり、点滅して記録されてしまいます。それは、LEDが人間の目では分からない速度で点滅しているのが原因で、ドライブレコーダーのフレームレートによっては全く信号の色が写らないことがあります。最新機種ではLED式信号に対応しているものがほとんどですが、購入する際には必ず確認をしましょう。

海外のユニークな横断歩道

横断歩道の標識やマークの意味・一時停止や信号がない場合の渡り方

日本の横断歩道は寸法に明確に決まりがあり、模様はすべて同じです。しかし、海外では自由なデザインの横断歩道が数多く存在しています。そんな海外で登場したユニークな横断歩道を、いくつかご紹介いたします。

飛び出す横断歩道!?

こちらはアイスランドのイーサフィヨルズゥルにある横断歩道です。歩行者からは通常の横断歩道と同じで、ただ模様が道路に描かれて見えます。しかし、自動車のドライバーからは飛び出して立体的に見えるトリックアートになっており、横断歩道を通過する自動車のスピードを落とさせる仕組みになっています。こういったトリックアートの横断歩道はインドの首都デリーでも実施されており、インドでは実際に自動車を減速させることに成功したという実験結果が出ています。

ポテトの横断歩道?

こちらはスイスのマクドナルドがキャンペーンの広告として期間限定で設置した広告です。ある時期にこの街でお祭りがあり、お客さんが屋台だけではなくマクドナルドにも足を運んでほしいという狙いで設置されました。ポテトが横断歩道の縞模様替わりになっており、ついつい渡りたくなってしまいます。

横断歩道の信号機の中の人が踊りだす!

こちらはメルセデス社の「smart」が信号無視を防ぐために啓発キャンペーンとして設置したもので、横断歩道の赤信号の中の人が突然踊りだします。信号に気付いた人は驚いて足を止め、そのユニークな動きに大喜びです。実は、横断歩道の近くにブースが設置されていて、そこで踊っている人の動きがリアルタイムで反映されています。そのため、一度たりとも同じ動きはしていません。こちらは横断歩道の信号を待つ間に楽しい気分になれるだけではなく、皆足を止めて動きを見るため信号無視の防止にもなります。まさに逆転の発想だとインターネットで話題になりました。

信号待ちの間にゲームが楽しめる!

こちらはドイツの学生が考案したもので、「streetpong」と名づけられた装置です。海外では信号を無視する人が多く、交通事故が多発しているのが大きな社会問題となっています。この「streetpong」は横断歩道の赤信号の待ち時間にタッチパネル式のピンポンゲームが楽しめます。対戦相手は横断歩道の向こう側にいる人です。リアルタイムで対戦できる上に点数もカウントされるため、「streetpong」をプレイしている人は信号無視をすることもなく楽しく過ごすことができます。

日本の小学生の横断歩道での行動が海外で話題に?

横断歩道は歩行者のためにつくられたものであり、渡ろうとしている人がいれば車両側に一時停止の義務があります。しかしこの動画みたいに、道路を渡った後に感謝の意を込めておじぎをしてくれる歩行者もたくさんいます。海外では礼儀正しい態度の歩行者は珍しいため、驚く人も多かったのでしょう。日本人の横断歩道でのこの行動はインターネットなどで話題になりました。

横断歩道を渡る側の人も、渡るのを待つ側の人も、余裕のある行動をすることが、安全で気持ちの良い交通社会を作る第一歩となります。

横断歩道では安全に気を配って歩行者も車も気持ちよく!

横断歩道は道路を渡る歩行者のために作られたもので、色々な決まりごとがあります。歩行者も車も、決まりを守って毎日安全に過ごしましょう。また、小さなお子様がいるご家庭では、しっかりと交通ルールを子供に教えてあげて下さい。道路を使うすべての人がこれからも大切な命を守るために、お互いに気を配って安全に気持ちよく過ごせていけるために努力しましょう。

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