顔がむくんでしまう原因とは?
むくみとは、毛細血管から血液中の水分が漏れ出し、皮膚の下で膨らんでいる状態です。血液中の水分は、血管をすり抜け、細胞と細胞の隙間にある「組織間液」に入り込みます。
通常、組織間液は全身に栄養素や排泄物を運搬する働きがあり、大部分はリンパ管に入り血管系へと戻ります。 しかし、血液中の水分量が多すぎたり、血液やリンパ液の循環が悪くなると、組織間液が血液中に戻ることができず増幅して膨らんでしまい、むくみとなります。 また、むくみは内臓の病気である可能性もあります。後ほど紹介するむくみ対策を試してみても、なかなか治らない時は病院で診察してもらいましょう。血液中の水分量が多くなる理由
1、塩分の取りすぎ 塩分を取りすぎると塩分濃度を薄めようとして、血管の中に水分を溜め込んでしまう性質があります。 2、アルコールの取りすぎ 塩分と同様に、血液中のアルコール度を薄めようとして、血管内に水分を取り組もうとします。特に、アルコールは顔がむくみやすくなると言われています。 3、水分の取りすぎ 基本的に無駄な水分は、汗・尿・体液として排出されます。しかし、水やジュースを飲み過ぎたり、何らかの理由で水分調整が衰えてしまうと、血管内に水分が溜まってしまいます。 4、ミネラル不足 ミネラルは水分のバランスを保つ重要な役割を持っています。そのため、ミネラルが不足するとバランスが崩れてしまい、余分な水分が溜まります。
血液やリンパ液の循環が悪くなる理由
1、加齢 年齢を重ねると、静脈や動脈の力が弱まり心臓のポンプ機能も低下してしまい、血流が悪くなります。また、紫外線を浴び続けると血管やリンパ管自体がもろくなるので気を付けましょう。 2、運動不足 筋肉は縮小・弛緩を繰り返すことによって、血管に圧力をかけ血液をスムーズに循環させます。したがって、運動不足になると毛細血管まで血液が届かなくなってしまいます。 また、リンパ液には、血液の循環を促す心臓や筋肉のようなポンプ機能がありません。リンパ液はリンパ管のまわりにある筋肉の動きに乗って流れています。 3、長時間同じ姿勢を続ける 長時間同じ姿勢を続けると、筋肉を動かさないため血流が悪くなります。特に、立ったままの姿勢は重力によって血液が足に溜まってしまいますので要注意です。 4、体を締め付ける服装 スキニーパンツや足先のとがったヒールなど、身体を締め付ける服装は血流の循環を妨げます。
顔のむくみを解消するには
顔のむくみの解消方法は、普段の生活の中にあります。
1、飲み物 むくみと内臓は大きく関係しています。そのため、内臓を冷やさないように常温の水を飲むようにしましょう。また、緑茶には利尿作用があるので、老廃物もたまりにくくなります。 2、運動 ジョギング、ウォーキング、ヨガなど、有酸素運動で新陳代謝を高めましょう。 3、入浴 入浴時は、シャワーだけではなくお風呂に浸かりましょう。お湯を溜めるのが難しい人は、足湯だけでも効果があります。 4、睡眠 寝ている間にも老廃物は排出されています。しかし、睡眠時間が短いと、老廃物は溜まってしまいます。また、血流を妨げないようにゆったりとしたパジャマを着たり、頭が沈み込む枕やうつぶせでの就寝は控えましょう。食事で顔のむくみを解消しよう
食事で最も大切なことは、塩分やアルコールを取りすぎないことです。つまり、むくみの解消にオススメの食べ物とは、血液中の水分を調整する成分が含まれる食べ物となります。
カリウム
血液中の水分が多くなる原因に、ミネラルの不足がありました。むくみの解消には、まずミネラル成分の1つである「カリウム」が含まれた食べ物を積極的に摂取しましょう。
カリウムは余分な塩分を尿と一緒に体外に排出してくれる作用があり、血液中の水分バランスを調整してくれます。 【カリウムが多く含まれる食べ物】 ●バナナ、キウイ、もも、りんご ●昆布、のり、わかめ、ひじき ●アボカド、ほうれん草、パセリ、にら ●味噌、納豆、きのこ類 などたんぱく質
アルブミンという成分が不足すると、組織間液を血管内に回収する力が弱くなり、増幅してむくみとなってしまいます。
アルブミンはアミノ酸を原材料として、肝臓で作られる成分です。原材料とあるアミノ酸は、たんぱく質が体内で分解されることによって生まれます。つまり、アルブミンを作るためには、たんぱく質を摂取しなければなりません。 【たんぱく質の多い食べ物】 肉、魚、乳製品 など漢方で顔のむくみを解消しよう
顔のむくみに効果のある漢方薬を3つご紹介します。しかし、漢方は症状や悩みだけでなく、体質によっても処方される薬が変わります。
診断チェックや薬局などで相談をして、自分に合った漢方薬を探しましょう。五苓散(ごれいさん)
顔のむくみの漢方薬として、最も使用されています。五苓散は、体のはたらきを高めて余分な水分を出す作用があります。二日酔いや腎臓疾患を原因としたむくみにも対応しており、頭痛やだるさも解消されます。
【こんな人にオススメ】 ・お酒を飲みすぎたことによる顔のむくみを解消したい人 ・水分摂取が多いのに、尿が少ない人当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
婦人科系の代表的な漢方薬です。当帰芍薬散は、栄養や水分を体中に巡らせて血を補うはたらきをするため、血行促進や利尿作用があります。主に、生理の不調や、妊娠中のつわりやむくみにも効果があります。
【こんな人にオススメ】 ・足腰に冷えがあり、汗をかきにくい人 ・生理量が少なかったり、生理不順の人防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水太りやむくみを改善する漢方薬です。防已黄耆湯は、消化吸収を助け余分な水分を取り除き、全身の機能を高める作用があります。
消化機能である胃腸が弱い人は、体が処理しきれずに水分を溜めこみやすいため、むくみやすくなります。また、水分を溜めこむことで、代謝が低下し、肥満の原因にもなります。 【こんな人にオススメ】 ・ぽっちゃりした体型で、動いてないのに汗をかく人 ・胃腸が弱く下痢や軟便をする人 ・疲れやすく風邪をひきやすい人マッサージで顔のむくみを解消しよう
顔のむくみには、リンパマッサージを行います。リンパをほぐすことで、溜まった老廃物を流し出しむくみを改善します。
リンパマッサージは、上から下、内側から外側など、必ずリンパの流れに沿って一方方向で行わなければいけません。また、さするくらいの優しい力で、リンパ液を流すように撫でます。 顔のむくみでは、耳の裏側にあるリンパ節と鎖骨の上にあるリンパ節が重要なポイントになります。特に、鎖骨のリンパ節は全身のリンパ管の出入り口となるので、しっかりほぐしておきましょう。 また、リンパマッサージはお風呂上りに行うのが最適です。体を温めたあとは血行がよくなり、リンパも流れやすくなるからです。保湿クリームや美容オイルを使うと、摩擦が軽減するので、スキンケアと合わせて行ってみましょう。 なお、マッサージの前にコップ1杯の水を飲むと、老廃物が流れやすくなり、効果もアップすることができます。首のマッサージ
まず最初に、首のマッサージから始めましょう。首には、耳の裏側にあるリンパ節から鎖骨のリンパ節までを結ぶリンパ筋があります。顔のリンパは、このリンパ筋を通って流れるため、しっかりと首をほぐしましょう。
首のマッサージのやり方は、首を上下左右に動かしたあと、ゆっくりと右回り、左回りに3回ずつ回します。回し終えたら、鎖骨の上のくぼみに指を4本入れ、20回ほど痛くないくらいの強さでグイグイと押します。顔のマッサージ
顔のマッサージは以下のとおりです。1~5をそれぞれ10回ずつ、同じ方向に向かってリンパ液を流すように行いましょう。
1、親指以外の4本を揃えて顎に置き、下あごから耳の裏側のリンパ節まで優しくさすります。 2、耳を人指し指と中指ではさみ、首のリンパ筋を撫でるように、そのまま鎖骨まで手をおろしていきます。上から下へ流します。 3、口の前で「ヤッホー」のポーズのように手を三角形にして、そのまま手を横に耳の裏側にあるリンパ節までスライドします。内側から外側へ流します。 4、手順2をもう一度繰り返して、耳から鎖骨までのリンパを流します。 5、鎖骨の上にあるくぼみ付近を上から下へ撫でます。左側と右側とそれぞれ10回ほど行います。 大体5分程度でできるマッサージです。顔のむくみだけでなく、美容効果も高いので、スキンケアの一つとして毎日継続してみましょう。ツボ押しで顔のむくみを解消しよう
ツボ押しは体の不調を取り除く方法として有名ですが、もちろん顔のむくみに効くツボもあります。「頬車(きょうしゃ)」と呼ばれるツボです。頬車は、水分代謝を促進し、むくみを改善する効果があります。
耳たぶの下と下あごの中間地点にあるツボで、歯をかみしめると付近の筋肉がもりあがり、口を開けるとへこむ部分です。 頬車に指をあて、少し痛むくらいの気持ちのいい強さで押す・離すを2~3分繰り返します。ツボは500円玉ほどの大きさと言われているので、正確な位置にこだわらなくても問題ないでしょう。頬車には、小顔、フェイスラインのたるみ、二重あご、大人ニキビ・吹き出物の予防効果もあります。まぶたのむくみに効くツボ
顔のむくみと言えば、まぶたが腫れぼったくなる人も多いでしょう。目元には、眉頭の内側の少し凹んでいる部分にある「攅竹(さんちく)」と、真正面を見た時の瞳孔の真下部分にある「承泣(しょうきゅう)」と呼ばれるツボがあります。
それぞれのツボを3秒間じんわりと押しましょう。これを5~10回くらい繰り返すと、まぶたのむくみだけでなく、眼精疲労にも効果があります。朝できる!顔のむくみの対策
顔のむくみは朝、足のむくみは夕方に出やすいです。朝の顔のむくみの主な原因は、前日のアルコールの取りすぎや睡眠不足です。お酒を飲みすぎた時は、寝る前に水を飲み酔いを醒ましてから寝るようにしましょう。
それでは、出かける前にできる顔のむくみの対処法を3つご紹介します。 1、温冷パック お湯や電子レンジで温めたタオルと冷やしたタオルを交互に顔に当てて冷温パックをします。3セットほど繰り返すと、血管の収縮が盛んになり血液やリンパが流れやすくなります。 2、美顔器・ローラー 忙しい朝には美顔器で血行を促進したり、ローラーでマッサージをすると、短時間で効果が期待できます。 3、白湯 鍋でお水を沸騰させたあと、大体50度くらいの温度まで冷ました白湯を湯呑1杯分飲みましょう。体を温めることで、血行と代謝を促進し、余分な水分も排泄されます。便秘効果もあります。なぜ男性も顔がむくむの?
男性よりも女性がむくみやすい体質である理由は、筋肉量の違いです。しかし、顔がむくんでいる男性はよく見かけるでしょう。それは、顔のむくみの原因と男性の食生活が大きく関係しています。男性は、仕事の付き合いなどで飲みに行く機会が多いため、アルコールの摂取量が多くなってしまうからです。
また、締めで食べるラーメンなどの汁は塩分が非常に多く含まれています。調理をせずに食べれるジャンクフードやインスタント食品も塩分の多い食べ物です。 むくみを解消する方法はご説明したとおりですが、顔のむくみに悩んでいる男性の場合は、まず食生活を見直すことから始めましょう。顔のむくみは日常生活で改善できます
顔のむくみを解消するには、血液中の水分バランスを保つことと血液やリンパの循環をよくすることが大切です。ツボや漢方薬には、むくみを改善する効果があります。
しかし、むくみが起きないように、日頃から塩分やアルコールの量を意識した食事や、適度な運動をして筋肉を動かすことを心がけましょう。また、スキンケアの一環として、首や顔のマッサージで血液の流れをよくしましょう。 それでもお酒を飲みすぎたり、寝不足になって顔がむくんでしまった時は、即効性のある温冷パックを試してみるといいです。 顔のむくみは、日常生活の中で改善することができます。あなたも今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。