普通車と軽自動車の安全性比較
軽自動車と普通車の安全性の違いは、コンパクトカーとの比較にあったような安全装備の装着数やグレードの違いにもありますが、一番の違いは車体の大きさや構造でしょう。
コンパクトカーの重量は1500kg以下で軽自動車の1000kg程度と大きくは違いませんが、普通車は大きなアメリカ車であれば、3000kg近くになります。軽自動車は軽いので、重量のある車と衝突した場合には、大きな衝撃エネルギーを受けてしまいます。衝突の衝撃は普通車よりも、軽自動車のほうがはるかに大きく、損傷具合も大きなものになってしまいます。 普通車でも「クラウン」クラスの高級車になると、衝突安全性のグレードも高く、軽自動車では部品交換となるほどの衝撃が発生した場合でも、高級車では少し傷のついた程度で済むこともありえます。高級車になればなるほど安全性が向上し、 命の危険を守ってくれることに間違いはありません。軽自動車は価格相応のグレードや、安全性であることをよく認識して運転するべきでしょう。年代別の軽自動車の安全性ランキング
2013年
自動車アセスメントの安全性能総合評価は、毎年全車種に対して行なわれるものではありません。モデルチェンジや新発売などの時に評価されて、その評価得点が維持されます。2013年の評価結果から、軽自動車の安全性ランキングをみてみましょう。
順位 | メーカー・車名 | 評価点 | 総合評価 |
---|---|---|---|
1位 | ホンダ「N-WGN」 | 178.8点 | ☆☆☆☆☆ |
2位 | 日産「デイズ」 | 161.8点 | ☆☆☆☆ |
3位 | ホンダ「N-ONE」 | 161.5点 | ☆☆☆☆ |
4位 | ダイハツ「タントカスタム」 | 160.5点 | ☆☆☆☆ |
5位 | スズキ「スペーシア」 | 152.2点 | ☆☆☆☆ |
2013年11月から発売されたホンダ「N-WGN」が、軽自動車としては初めて、唯一の5☆を獲得して1位に輝きました。
2014年
2014年には、スズキ「ハスラー」と、日産「デイズルークス」が自動車アセスメントの評価を受けています。その結果、「ハスラー」が5位にくいこんでいます。
順位 | メーカー・車名 | 評価点 | 総合評価 |
---|---|---|---|
1位 | ホンダ「N-WGN」 | 178.8点 | ☆☆☆☆☆ |
2位 | 日産「デイズ」 | 161.8点 | ☆☆☆☆ |
3位 | ホンダ「N-ONE」 | 161.5点 | ☆☆☆☆ |
4位 | ダイハツ「タントカスタム」 | 160.5点 | ☆☆☆☆ |
5位 | スズキ「ハスラー」 | 160.2点 | ☆☆☆☆ |
2016年
2016年3月時点では、2015年度に自動車アセスメントの評価を受けたダイハツ「ムーブカスタム」、スズキ「アルト」・「ラパン」・「エブリイ」、マツダ「スクラム」、日産「NV100」、三菱「タウンボックス」のうち、ダイハツ「ムーブカスタム」が2位に入っています。
順位 | メーカー・車名 | 評価点 | 総合評価 |
---|---|---|---|
1位 | ホンダ「N-WGN」 | 178.8点 | ☆☆☆☆☆ |
2位 | ダイハツ「ムーブカスタム」 | 165.5点 | ☆☆☆☆ |
3位 | 日産「デイズ」 | 161.8点 | ☆☆☆☆ |
4位 | ホンダ「N-ONE」 | 161.5点 | ☆☆☆☆ |
5位 | ダイハツ「タントカスタム」 | 160.5点 | ☆☆☆☆ |
2017年
新たに自動車アセスメントの評価を受けた車種を含めて、2017年現在の軽自動車の安全性ランキング、トップ5を詳しくみてみましょう。
第5位 ホンダ「N-ONE」
総合得点は161.5点。2012年に発売され、2015年に車高を低くするなどのモデルチェンジをしています。自動車アセスメントの予防安全性能評価では、最高ランクの「ASV+」を獲得しています。低速域衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、クルマの姿勢の安定化を図るVSA(横すべり抑制を含む車両挙動安定化制御システム)などを装備し、愛らしいデザインも人気です。
第4位 日産「デイズ/デイズハイウェイスター」
総合得点は161.8点。先進のアラウンドビューモニターやエマージェンシーブレーキ、ハイビームアシスト機能などが搭載されています。デイズは「クルマが人を守る」というセーフティシールドの考え方を採用し、運転している時や衝突してしまった時など各状況に応じたバリア機能が働きます。三菱との共同開発で、三菱「eKカスタム/eKワゴン」も同得点のランクです。
第3位 ダイハツ「ムーヴ/ムーブカスタム」
総合得点は165.5点。衝突安全機能を進化させたボディTAFや歩行者傷害軽減ボディなどを採用し、衝突安全性を高めています。2017年8月にモデルチェンジして、歩行者にも緊急ブレーキを動作させる「スマートアシストⅢ」や、車両の前後左右を映す「パノラマモニター」の採用などで、さらに安全性を高めています。
これにより自動車アセスメントの評価点は高くなって、ランキングも今後さらに上がるでしょう。なお、スバル「ステラ/ステラカスタム」はOEM(相手先ブランド名製造)車です。第2位 ダイハツ「キャスト」シリーズ
総合得点は166.6点。自動車アセスメントの評価を2016年度に受けて第2位に入りこみました。衝突安全ボディTAFの他、クルマの周囲を認識し、危険が迫るとドライバーに警告したり、緊急ブレーキをかけ、安全運転を支援する「スマートアシストⅢ」や、対車両・対歩行者の衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能で衝突の回避や、衝突時の被害軽減を図ります。
さらに、車線逸脱警報機能や前方・後方の誤発進抑制制御機能などで安全性を高めています。トヨタ「ピクシス」シリーズはOEM車です。第1位 ホンダ「N-WGN」
総合得点は178.8点。軽自動車唯一の5☆獲得車で、ダントツの1位です。衝突時に加わる力をホンダ独自の衝突安全技術である「G-CON」を採用することで分散・吸収している事などが最高評価の理由です。2015年の自動車アセスメントの予防安全性能評価では「ASV+」を獲得しています。
シティブレーキアクティブシステム(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)や横すべり抑制を含む、車両挙動安定化制御システムVSAなどが予防安全性能を高めています。前席・後席、すべての席に6つのエアバッグを装備できるのも安心です。安全評価が高い軽自動車でも安全運転を忘れずに
軽自動車の安全性は年々向上し高まっています。とはいえ、一旦事故にあうと軽量の車体ゆえの衝撃、ダメージは、普通車やトラックなどと比べれば甚大な破損、被害となって死亡事故につながることもありえます。死亡事故率が普通車の1.5倍程度になっていることが、それを物語っています。
安全性能評価が高い軽自動車であっても、油断してしまうのは禁物です。安全支援技術は優れたものですが、すべての事故を防げるわけではありません。あくまでも安全な運転が事故を防ぐ基本です。あなたや、同乗しているあなたの家族を守るために、安全運転を心がけましょう。