自家用車で通院した場合は?
自家用車で通院をした場合は、ガソリン代を交通費として請求することができます。ガソリン代の計算式は「自宅から治療病院までの距離×15円(1キロあたりのガソリン代)×自家用車による通院日数」となっています。
また治療病院で有料駐車場を利用した場合は、その駐車場代も請求することができます。駐車場代を請求するには、領収書が必要です。必ず取っておくようにしましょう。整骨院での治療費も請求できる?
整骨院での治療費も、傷害治療病院担当医師の同意のもとであれば、請求可能です。この時、担当医師に同意書を記載してもらうようにしましょう。整骨院の治療費請求は、保険会社と揉めてしまうことが多いです。担当医師に相談せず、勝手に行った場合などは、請求が認められない場合もあります。気をつけておきましょう。
交通事故の被害者が主婦だと慰謝料はどうなる?
交通事故の被害者が、主婦と社会人の方で、慰謝料の額が違うのか確認してみましょう。先ほど説明した入通院慰謝料や交通費の請求については、社会人の方と専業主婦に違いはありません。しかし、乳幼児を持つ主婦が、育児のために入院期間を短縮した場合は、入院慰謝料が増額することもあります。
例えば、本来10日入院予定だが、乳幼児の世話のため7日で退院した場合、残り3日分も入院慰謝料として請求できる場合があります。後遺障害があった場合に請求できる「後遺障害慰謝料」や「死亡慰謝料」は、社会人の方と同じように計算されます。主婦手当は請求できる?
交通事故によって家事や育児ができなくなった場合、主婦手当として休業損害を請求することができます。休業損害の計算方法は「日額×休業日数」です。自賠責基準では日額5,700円と定められています。
兼業主婦であっても労働時間が週30時間未満であれば、主婦としての扱いになります。この場合は主婦としての日額5,700円と事故前3ヶ月の収入平均額を比べ、金額の高い方を日額として計算します。慰謝料を高額請求するには弁護士に依頼しましょう
冒頭でも説明しましたが、慰謝料(損害賠償)の請求には、基準が3つあります。その中で最も高額請求できるのが、「弁護士基準」です。弁護士基準は弁護士に依頼すると、適用される基準となっています。では、より高額に請求するためのポイントをいくつか紹介します。
過失の割合を下げる
交通事故でこちらにも多少なりとも過失があった場合、その過失の割合を下げることで慰謝料の請求額を増やすことができます。加害者の保険会社は過失の割合を高く提示する場合があります。提示された過失割合を鵜呑みにするのではなく、納得いかない時には、反論し交渉しましょう。
休業損害を弁護士基準で請求しましょう
休業損害とは、交通事故に合わなければ得られたであろう収入の補償のことをいいます。自賠責基準では休業損害「1日あたり5,700円」となっています。しかし弁護士基準では、1日あたりの基礎収入」となります。収入の多い方は損をしないためにも弁護士に依頼してみると良いでしょう。
後遺障害がある場合は認定を受けるようにしましょう
交通事故によって後遺障害がある場合、「後遺障害慰謝料」を請求することができます。しかし後遺障害があるのにも関わらず認定を受けなかった場合は、本来請求できる「後遺障害慰謝料」が請求できなくなる場合もあります。
後遺障害の認定を受けるには、「後遺障害診断書」が必要になります。担当の医師と相談し、後遺障害がある場合は、必ず作成してもらうようにしましょう。逸失利益を計算して請求しましょう
逸失利益とは交通事故に遭わなければ、得られたであろう利益のことをいいます。これを計算し、慰謝料として請求しましょう。まず、後遺障害がある場合の逸失利益の計算式から説明します。後遺障害がある場合の逸失利益計算式は「基礎収入(年収)×後遺症による労働能力喪失率×ライプニッツ係数」です。
ライプニッツ係数を求める際に、就労可能年数が必要となります。就労可能年数とは、労働可能年齢(67歳)から、交通事故時の年齢を差し引いたものになります。30歳男性、年収500万円、後遺障害14級を例に計算すると「(年収)500万円×(後遺障害による労働能力喪失率)0.05×(ライプニッツ係数)16.711=4,177,750円」となります。被害者が死亡した場合の逸失利益の計算
交通事故によって被害者が死亡した場合でも、逸失利益は計上できます。被害者が死亡しているため労働能力喪失率は100%となり、生活費を控除して計算します。計算式は「基礎収入額(年収)×(1-生活控除率)×ライプニッツ係数」です。
30歳男性、年収500万円、生活控除率30%を例に計算すると「(年収)500万円×(1-0.3)×(ライプニッツ係数)16.711=58,488,500円」となります。交通事故での慰謝料シュミレーション
ではケガの場合、後遺障害がある場合、死亡の場合、被害者が子供の場合など、状況によって交通事故の慰謝料はいくらになるのか、計算してみましょう。
骨折などのケガの場合
被害者は30歳男性、年収500万円、全治60日(入院14日間、通院日数7日)、だったとします。「自賠責基準での交通事故慰謝料の計算」の章でも説明しましたが、自賠責基準での、入通院慰謝料の計算式は「1日4,200×治療期間もしくは実入通院日数(入院期間+通院日数)×2」です。
今回の場合、治療期間は60日、実入通院日数は「(14+7)×2=42日」となり、入通院慰謝料は「4,200円×42日=176,400円」となります。後遺障害がある場合
では先ほどの被害者のケース(30歳男性、年収500万円)で後遺障害14級認定を受けた場合、後遺障害慰謝料はどうなるのか、計算してみましょう。後遺障害は支払い基準によって、金額に差が出ます。14級認定の場合、自賠責基準では32万円、任意保険基準では40万円、弁護士基準では110万円となっています。
交通事故によって死亡した場合の慰謝料
死亡事故の場合、慰謝料は被害者本人の慰謝料と被害者遺族への慰謝料があります。自賠責基準の場合、被害者本人の慰謝料は350万円です。被害者遺族への慰謝料は請求者の人数によって変わります。請求者1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名の場合750万円となります。また被害者に被扶養者がいる場合は、さらに200万円加算されます。
任意基準では、世帯主の場合1,500万円~2,000万円、配偶者や母親の場合1,300万円~1,600万円、高齢者の場合1,100万円~1,400万円となっています。また弁護士基準では、世帯主の場合2,800万円~3,600万円、配偶者や母親の場合2,000万円~3,200万円、高齢者の場合1,800万円~2,400万円となっています。