心筋梗塞患者への看護計画の立て方|問題点/過程/症状/目標

仕事ノウハウ

治療方法にはどんなものがあるの?

【ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の場合】

発症後6時間以内では閉塞を解除する再灌流療法が有効的です。再灌流療法の手段としては血栓を薬で溶かす血栓溶解療法(欧米では主流)や閉塞した血管を急性期にバルーンで広げるダイレクト経皮的冠動脈インターベーション(PCI)があります。

日本では、PCIに対応できる施設が短時間での搬送圏内にあるため血栓溶解療法よりも多く行われています。しかし、2週間以内の外科手術や6ヶ月以内の脳血管発作、活動性の潰瘍病変などの禁忌がある場合は再灌流療法は行えませんので注意しましょう。

【非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)の場合】

STが上昇しない心筋梗塞のことを非ST上昇型心筋梗塞と言います。この場合は、不安定狭心症に準じて虚血に対する抗血小板薬や硝酸薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、その他の冠拡張剤、抗凝固薬などの薬物療法を行います。胸の痛みがある場合は、モルヒネを用いることもあります。

合併症はあるの?

急性の心筋梗塞の場合、第一に合併症の予防が大事です。もし、合併症を生じたとしても早期に対応することにより予後やQOLが改善する場合もあります。主な合併症としては以下のものがあります。

①不整脈

心筋梗塞では「徐脈性不整脈」になりやすく一時的にペースメーカーが必要とされる時があります。また、「心室性不整脈」もありIb抗不整脈(リドカイン)かアミオダロンで治療していきます。

②心不全

心不全がみとめられた場合、スワン−ガンツカテーテルを使用しフォレスターの分類に準じて治療します。しかし、一般的にはⅣ群になると予後不良(死亡率50%以上)となります。

③心室中隔破裂・心室自由壁破裂

この場合は、左前下降枝の梗塞で多くみられ緊急手術が必要となります。

④急性僧帽弁逆流

下壁梗塞で乳頭筋断裂により生じ緊急手術が必要となります。

⑤心膜炎

心筋梗塞発症後10日以内の共通時に疑い、心膜摩擦音により診断されます。アスピリン対症療法を行います。

⑥ドレスラー症候群

心筋梗塞症候群とも言われ心筋梗塞後2〜10週間で心膜炎、胸膜炎、肺炎を生じます。予後は良好でアスピリン、ステロイドで対症療法を行います。

⑦心室瘤

壊死した心筋が繊維化し瘤(こぶ)が形成され心臓ポンプ機能失調を起こします。

心筋梗塞の患者さんを看護する上での問題点って?

心筋梗塞患者への看護計画の立て方|問題点/過程/症状/目標

これまで、心筋梗塞について色々と説明してきましたが実際に患者さんを看護する上での問題点とは何でしょうか?心筋梗塞の患者さんを看護する上での問題点には「心拍出量の変調(減少)」「胸痛などの痛み」「合併症」などをあげることができます。

心筋梗塞の患者さんの看護目標の立て方とは?

看護目標としては「急性期」か「回復期」かによって違います。急性期では心筋へのダメージを抑えるためにもベッド上で安静に過ごすことが目標となってきます。回復期では、リハビリテーションを中心に行うことを目標とします。それと同時に血圧や糖尿病のコントロール、脂質異常の治療、生活習慣の改善なども目標となってきます。

心筋梗塞の患者さんの看護計画を立ててみよう!

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