掻痒感の看護のケア・アセスメント・目標・観察項目

仕事ノウハウ

掻痒感の看護のケア・アセスメント・目標・観察項目

掻痒感の看護のケア・アセスメント・目標・観察項目

掻痒感は、痒みだけでなく時に苦痛をも伴います。痒みと苦痛で眠れないこともあり、強く掻きむしりその部分が傷になり、そこから菌が入り炎症を起こすこともあります。かゆみが原因で睡眠障害、食欲低下、いらいら感、集中力低下などにより生活のリズムが崩れ、生活の質(QOL)も落ちてしまいます。

掻痒感の原因は皮膚や粘膜に原因がある場合と、内臓疾患の影響で起こる場合があります。看護師はポイントを押さえた適切な看護ケアをすることでかゆみを緩和したり、また消失させることができます。

症状別掻痒感の看護ケア

黄 疸

内臓疾患などの黄疸によるかゆみ(掻痒感)の看護ケア 黄疸による掻痒感は、肝臓や膵臓などの内臓疾患により起こることもあります。肝臓や膵臓の胆管が狭くなったり詰まったりすることで、胆汁が体外に排出できなくなり血液中に逆流しビリルビンが異常に増えます。

体内で異常に増えたビリルビンが血液と一緒に体内をめぐり皮膚や眼球の白目の部分に沈着し黄色くなります。この時にビリルビンが持つ神経性の毒素が皮膚の末梢神経を刺激し掻痒感(かゆみ)を引き起こします。 肝臓や膵臓の病気などで黄疸が出ることにより、掻痒感(かゆみ)を訴える患者さんが多く見られます。皮膚の表面ではなく、皮膚の中からの不快な痒みで、夜も眠れないくらいの強い痒みの場合もあります。

黄疸とは

黄疸とは、血液中のビリルビンの濃度が高くなった状態で、皮膚や眼球の白目の部分が黄色に染まることをいいます。皮膚が黄色くなるのはビリルビンが持つ色素によります。

健康な人のビリルビンの量は、1デシリットルあたり1ミリグラム以下ですが、3ミリグラム以上になると皮膚や眼球の白目に黄疸の症状が現れます。

ビリルビンって何?

赤血球の中にヘモグロビンという物質があり、これが酸素や二酸化炭素を運ぶ役割をしています。このヘモグロビンの一部が代謝されてできたもので、赤血球が寿命(約120日)を終えると肝臓や膵臓で壊され一緒にヘモグロビンも壊され、その時できる色素がビリルビンです。

黄疸は病気のサインで、放っておくと重症化する恐れがあるのでサインが出たら早めに受診する必要があります。

皮膚

皮膚疾患による末梢性のかゆみ(掻痒感)

末梢性のかゆみ(掻痒感)のうち強いかゆみでは、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、または疥癬やダニによるものがあり、それより少し軽いかゆみでは、乾癬、皮脂欠乏症などのドライスキン(肌の乾燥)、皮膚カンジタ症や白癬(水虫)などがあげられます。 皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織の3層からなっており、かゆみ(掻痒感)はそのうちの表皮にあるC線維の自由神経末端が感じて、脊髄を経由して脳に感覚を伝えます。

掻痒感の看護の観察項目

1.かゆみ(掻痒感)の原因 ・既往歴、現病歴、家族歴、薬物使用歴 ・年齢、生活環境 ・発生時期と経過

2.かゆみ(掻痒感)の部位:全身性か局所性か 3.皮膚や粘膜の状態:皮疹を伴うかどうか、皮疹の状態はどうか 4.かゆみの程度と性質:不快感の有無、睡眠障害や集中力低下、イライラなどの有無 5.検査データ:パッチテスト、皮膚生検、尿、便、血液検査や画像診断など 6.治療内容と治療薬:薬物療法、スキンケア、皮膚保護などの看護の指導

掻痒感の看護に関するアセスメント

掻痒感の看護のケア・アセスメント・目標・観察項目
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