腓骨神経麻痺の看護方法・観察項目・予防看護・看護計画

仕事ノウハウ
・運動麻痺が続く際は、尖足予防の装具を使用して歩く練習 *神経縫合や移植などの手術があれば手術前後の看護が必要

E-P(指導項目)

指導項目は以下のとおりです。

・腓骨神経麻痺に至った生活習慣の改善と必要性の説明 ・草むしり時の姿勢についての工夫、代行のすすめ ・必要時杖や装具の説明

腓骨神経麻痺の予防看護

腓骨神経麻痺の看護方法・観察項目・予防看護・看護計画

腓骨神経麻痺に関しては、再発防止のための予防看護も必要になります。予防看護として大事なのは、腓骨神経支配域に負担をかけない日常生活動作をすることです。

圧迫の介助

一時的に腓骨神経が圧迫された状況があるのであれば、それを改善します。足を組んでいたりする習慣があればそれをやめることですし、骨折後のギプス固定による圧迫などがあればギプスを一部カットして圧迫を解除します。

姿勢が不良なことによる圧迫であれば、その姿勢をやめなければいけません。しかし、草むしりや職業上必要な姿勢であれば、やめられないこともあります。草むしりなどでしたら、座って移動できるものや代行サービスなどがあります。職業上必要な場合は、症状がひどければ職場を相談するしかないでしょう。

運動機能の回復により装具の使用

運動機能が回復せず、また一部しか回復せず歩行障害などが残る場合は、自助具を使用します。下垂足になることにより、足首の関節が低屈してしまう(垂れ下がって丸まってしまうような状態)ことで、ますます歩行に障害が出るようになってしまいます。それを予防するために、装具を使って足関節の底屈位を改善することが必要です。

この使用方法や歩行時の注意、装具によるトラブルとその回避の説明などが重大な怪我をしないための予防看護に必要です。

リハビリの継続

腓骨神経麻痺は、軽症であればリハビリの進行具合によって治癒することが可能です。しかし、日常生活習慣からの疾患でもあることから、再発しやすいことをよく指導しておく必要があります。同一体位をとらないこと、また常にウォーキングなどの運動の習慣をつけ、末しょう循環を良くしておくことが予防看護に必要です。

常日頃、下肢の循環について注意を払うよう指導しましょう。

腓骨神経麻痺に関する看護研究と要約

腓骨神経麻痺の予防看護にスポットをあてた研究をご紹介します。

「除圧枕の使用における下肢骨折患者の腓骨神経麻痺の予防」 林田由加里 田中千佳子 谷川千佳 田渕彩香 川原雅恵 本田憲吾 要約すると、下肢骨骨折患者は回旋中間位を保持できないため、腓骨頭を圧迫してしまう可能性が高いことがあります。そのため、腓骨などを除圧できる除圧枕を使用した結果を検証しています。圧迫力を測定し、科学的に考慮された結果、除圧枕の有用性を証明した看護研究です。 また、除圧枕はスポンジなどによる除圧だと看護師によってやり方が違うという従来の問題点も軽減され、腓骨神経麻痺の予防に役立ったことが検証されています。

腓骨神経麻痺の看護は日常生活の見直しから

腓骨神経麻痺は足を組んだりすることにより、比較的経験したことのある方の多い麻痺です。ただ、圧迫を解除すればすぐ直るので軽視されがちな麻痺でもあります。そこで、圧迫が常態化し麻痺が取れなかったり進行していても、つい看過しやすいものでもあります。

最終的には歩行障害などにつながりかねない腓骨神経麻痺を良く知り、再発予防に取り組めるように看護は導かなくてはなりません。軽症であれば感知することを念頭に、早期発見とリハビリ、日常生活改善へ取り組めるように働きかけましょう。
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