お犬様がいる神社・信仰の方法・お礼の方法|江戸時代/覚醒

暮らしの知恵

武蔵御嶽神社(東京都青梅市)

東京都青梅市にある武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)にもお犬様がいます。武蔵御嶽神社の敷地内には「大口真神(おおぐちまがみ)」と呼ばれるお犬様を祭っている社があります。この「大口真神」とは日本書紀で日本武尊を助け、その眷属になった白い狼のことをいうのでお犬様となります。

とても珍しいのですが、武蔵御嶽神社ではペットの飼い犬に対する御祈祷やご奉仕も行っています。料金は1頭3000円から、形代は300円です。

寳登山神社(宝登山神社/埼玉県秩父郡)

埼玉県秩父郡にある寳登山神社(宝登山神社)にもお犬様がいます。ご祭神は神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと)、大山祇神(おおやまづみのかみ)、火産霊神(ほむすびのかみ)です。

この神社でお祭りされているお犬様は、日本武尊が東国の平定を終えた後、秩父に入った際、山頂に向かう途中で山火事に遭ってしまったときに、突然現れた山犬たちが火を消し止め、頂上まで案内したそうです。この山犬は山の神が大口真神の使いを遣わせたとされています。 憑き物除けや憑き物落とし、魔障盗賊除け、害獣除けなどといったご利益があると言われています。

釜山神社(埼玉県大里郡)

お犬様がいる神社・信仰の方法・お礼の方法|江戸時代/覚醒

埼玉県大里郡にある釜山神社にもお犬様がいます。こちらの神社でも三峯神社と同じように、毎月17日に「お炊き上げ」を行っており、昔から岩松家が守っていると言われています。「お炊き上げ」のお米をお供えする場所は、一般の人には知らされず宮司のみが知っています。

小さな神社で意外と穴場的な感じのする神社です。一応宮司さんはいるようですが、御朱印は受けつけていません。

伊奴神社(愛知県名古屋市)

愛知県名古屋市にある伊奴神社もお犬様をお祭りしています。こちらのお犬様は昔川が氾濫した際に、「犬の王」と書かれていた御幣が村を救って、豊作をもたらしたという言い伝えがあります。そのため厄除け・招福の神様として民衆から崇められています。

この神社のご祭神である伊奴姫神(いぬひめのかみ)は安産や子授けなど子どもに関するご利益があります。一般に犬はお産が人と比べると軽いことから「安産のシンボル」とされています。そしてこれらのことから犬の像が奉献されています。

江戸時代のお犬様の信仰とは?

古くからあるお犬様信仰ですが、一般に受け入れられ広まっていったのは江戸時代あたりからと言われています。主に山間部に広まり、オオカミに害獣であるイノシシや猿を追い払って農作物を守ってもらう、霊などのたたりや、憑き物、魔物から守ってもらうということで広まっていきました。

「生類憐みの令」は信仰とは全く関係なし

江戸時代で動物ネタといえば、江戸幕府の五代目将軍・徳川綱吉の「生類憐みの令」でしょう。しかし、この生類憐みの令は犬だけでなく、鳥やウサギ、猫などといた全ての動物を対象としていました。眷属崇拝のお犬様が絡んでいるのではと思う人もいますが、この生類憐みの令には眷属崇拝は全く関係ありません。

綱吉が生類憐みの令を発令したのは、野生化した犬が人に危害を加えるようになったため、人間を守るのが第一の目的でした。無駄に動物が増えるのを避けるために、その対処法として犬猫などの登録を義務付け、人間だけでなく犬猫といった動物の保護を目的としていました。
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