年代別の遺書の書き方の例文
前述にもありますように、遺書とは死にゆく人が生前者へ伝える手紙のようなもので、法的な拘束力はありません。そのため、書き方にも特に決まりはありません。下記に、年代別の遺書の書き方例文をご紹介します。
年代別の遺書の書き方の例文-20代
20代の遺書を書き方としては、まずは、育ててもらったご両親への感謝の気持ち、友人への感謝の気持ち、など周りの人への言葉を残しましょう。
もし、ご病気などで本意ではなくこの世を去るのであれば、心残りなことや無念だったことなどを書いても良いでしょうが、自ら決めてということであれば、なぜそのようになったのかわかるように書くことも必要です。 また、成人していますので財産分与についても書いておいた方が良いでしょう。ただし、財産分与は遺書では法的な拘束力はありません。きっちりと遺言通りにしたいのであれば、書き方としては公正証書として書く必要があります。(例文) 遺言書 1.遺言者は、遺言者の有する預金その他一切の財産を、父である○○○○(平成○○年○月○日生)に包括し遺贈する。 2.この遺言の執行者として、次のものを指定します。 ○○県○○市○○町○丁目○番○号 行政書士 ○○○○
「付言」 私は就職して3年が経ちました。大学進学と同時に上京して、就職しました。しかし、就職後に私は上司からのパワハラを受けました。毎日、残業を強いられ、休日も無給でサービス出勤させられ、毎日罵倒され、ときには殴られる毎日でした。そして、就職して2年目に精神科に行き「うつ病」であると認定を受けました。それを会社に持っていき、休暇を申し出たところ、「休暇は認められないし、そんなことで休むなんて許されない。まるで会社のせいみたいに言うけど、お前の甘さのせいだろ」と罵倒されました。その後、いやいや会社に通いましたが、やはり以前と同じで罵倒と残業の日々です。もう嫌になりました。人生を終わりにしたいと思います。お父さん、お母さん、いままでありがとうございました。お母さん、家ではいつも優しく美味しいごはんをありがとう。お父さん、いつもいろいろとアドバイスしてくれてありがとう。就職してからは、ほとんど買い物などできなかったので、預金は相当あります。家のリホームや旅行などにでも使ってください。いままで本当にありがとうございました。 平成○○年○月○日
年代別の遺書の書き方の例文-中学生、高校生
中学生や高校生で遺書を書く人は、遺言書として相続についての記載はいらないでしょう。ここでは、どういった内容を書けば良いか、書き方の例文をご紹介します。
(例文) お父さん、お母さん、いままで育ててもらいありがとうございました。私は、ある理由によってこの世を去ることになりました。いろいろな事情については、あえて書きません。ただ一つ言えることは、私は幸せだったということです。また、誰のことも恨んではいません。どうか、お父さん、お母さん、私の分も長生きしてください。妹には、私の気持ちは伝えておきました。私の分も親孝行してくれると思います。親不孝な私を許してください。それでは、楽しい人生でした。みなさん、本当にいままでありがとう。
年代別の遺書の書き方の例文-未成年
未成年だとしても、遺言を残すことはできます。以下に書き方の例文をご紹介します。
(例文) 遺言書 1.遺言者は、遺言者の有する預金その他一切の財産を、弟である○○○○(平成○○年○月○日生)に包括し遺贈する。 2.遺言執行者として、遺言者の父○○○○(昭和○○年○月○日生)を指定する。
「付言」 私はもうすぐ19歳になります。大学進学と同時に東京に一人暮らしをさせてもらい、楽しい学生生活を送ってきました。しかし、昨年の夏頃にがんにかかっていることが判明しました。余命1年とのことでした。私は、この病気を治療することを拒みました。というのも、この病気の治療には莫大なお金が必要だからです。妹が来年受験を控え、現在私の大学費用だけでも家計が火の車であることは承知しています。私の病気は、治療をしても10%以下の完治しか見込めず、ほぼ8割以上が1年以内に亡くなるとのことでした。そのわずかな確率にかけて、妹の将来を潰し、治るかわからない治療に残りの人生をかけるよりも、私はあと1年自由にみんなと過ごしたいと考えました。私の預金は、僅かではありますが妹の進学に使ってください。お父さん、お母さん、妹の○○、いままでありがとう。僕の文まで生きてください。楽しい人生でした。 平成○○年○月○日
遺書の書き方や残し方
遺書を書く場合、相続などの遺言として残したい場合は、所定の形式に沿ったものを書かなければ無効となる可能性があります。ここでは、相続等の遺言としての遺書をどういった形で書けば良いのかをご説明します。
遺書の書き方や残し方-パソコン
法律的な意味での遺書の場合は、パソコンで書こうが紙に書こうが問題ありません。それは、手紙のような扱いだからです。しかし、遺言書としての遺書であれば話が違ってきます。
パソコンで遺言書を作成することは、公正証書遺言や秘密証書遺言であれば可能です。自筆証書遺言の場合は、要件として遺言書の全文を自書することが求められるため、パソコンでは作成できません。よって、自らパソコンで文字を書いたものに署名、押印しても自筆証書遺言としては法的には認められず、有効とはなりません。