美人局の意味と使い方・犯罪なのか・手口と特徴｜芸能人

美人局って、誰もが一度は聞いたことがあります。でも実際のところ、美人局ってどういう意味で、どういった手口なのでしょう。

美人局とは、夫婦や恋人関係にある２人が共謀し、妻と他の男性にホテルなどに行かせ、肉体関係をもつ直前やその後に夫が男性を脅し、金品を請求するという詐欺の一種です。相手の男性に対し、「俺の女に何してるんだ」「慰謝料を請求する」と脅すのが一般的な手口です。

「俺この間バーで知り合った女とホテルに行こうとしたら美人局にあってさー。」

「え、例の人妻の夫から慰謝料請求されたの？それって美人局じゃない？」 などと使います。使う機会がないのが一番良いです。

美人局の読み方はご存知でしょうか。「びじんきょく」と読んではいけませんよ。「つつもたせ」と読みます。しかし、とうてい美人局で「つつもたせ」とは読めそうもありません。これはには理由があります。

美人局で「つつもたせ」と読ませるのは、実は当て字です。日本で昔から言われていたつつもたせは、「筒もたせ」と書きます。これは博打用語で、サイコロ賭博の際に使う「筒」に細工をしてイカサマをすることを指します。また、騙すという点から、女性が男性を誘惑して金銭を請求する行為も筒もたせと言われるようになりました。

美人局という漢字は中国に由来するもので、娼婦が少年を誘惑し、良い関係になったところで娼婦の夫役が表れ、少年から金銭などをゆすり取る、という話が中国の「武林旧事」という昔話に載っています。 これらの話が似ていることから、日本の「筒もたせ」と中国の「美人局」が合わさり、日本のつつもたせも当て字として「美人局」と書くようになりました。ちなみに西洋ではこのような事象はハニートラップと呼ばれ、どこの国でもこういった詐欺が横行していました。

美人局には様々な手口がありますが、ここでは実際にあった手口を２つ紹介します。

Kさんは出会い系で知り合った、同じく既婚の女性Mと会うことになり、食事をした後ホテルに誘うと、「こんなことはじめてなんですけど、Kさんが話しやすくて、なんか私もその気になっちゃいました」と乗り気のため一緒にホテルへ行くことに。そこで連絡先や名刺の交換を行います。

ホテルで素敵な時間を過ごし、後日Mからまた会いたいと連絡が来たのでそこへ向かいました。 すると待ち合わせ場所にMの夫と名乗る男性がやってきて、うちの妻に手を出した慰謝料を請求する、断るならおたくの家庭や職場にバラしますよ、と脅されます。Kはその場で銀行のATMに行き、50万円を支払い、後日追加で150万円を支払う約束をし、実際に支払いをしてしまいました。

Tさんは仕事帰りに居酒屋で飲んだ後渋谷を歩いていると、20歳くらいの女性に「このお店に行きたいんですけど、地方から出てきて土地勘がなくてよく分からないんです」とスマホでお店の地図を見せられました。

道玄坂方面なので、ここをまっすぐ行って、と教えてあげるものの、「良かったら近くまで一緒に行ってもらえませんか」と言われ、親切心から送ってあげました。 すると通りがかったホテルの近くで知らない男性3人に囲まれ、「ホテルに連れ込もうとしてただろ。この子は未成年だから罪は重いぞ」といちゃもんをつけられ、まず手持ちの1万3千円を奪われ、更にコンビニのATMでお金を下ろさせられ、合計17万円を奪われました。

美人局はもちろん犯罪です。詐欺罪の他にも、恐喝罪、脅迫罪、強要罪などにあたる可能性もあります。もし相手の男性に対し暴力をふるえば、これらの他にも暴行罪、傷害罪、強盗罪が適用される可能性もあります。詐欺罪や恐喝罪であれば10年以下の懲役が科されることになります。

仮に被害者の男性が訴え出なくても、美人局の行為が明るみに出れば警察に逮捕されます。逮捕された人は送致・勾留され、検察から起訴された場合は刑事裁判にかけられます。

また、仮に不起訴となった場合でも、被害者から民事で損害賠償請求されることもあります。この二つが同時に行われることもあり、検察からの刑事裁判で懲役刑、被害者からの損害賠償請求で数十万円～数百万円請求されることもあります。