口腔ケアにおける看護師の役割
口腔ケアを行うことはとても大切です。患者さん自身での口腔ケアが難しい場合、看護師が患者さんに対して口腔ケアを行うことが多いでしょう。
口腔ケアを行うことは、ちゃんと意味があります。しかし、看護師の中には「なんとなく」や 「先輩看護師がしているから」とあいまいな理由で口腔ケアを行っている方もいるでしょう。
看護師が口腔ケアを行う目的や役割、口腔ケアを行う際の留意点などを紹介します。これからの患者さんへの口腔ケアに役立ててください。口腔ケアの手順
看護師が口腔ケアを行う目的や役割などを見ていく前に、基本的な口腔ケアの手順を確認しておきましょう。看護師として働いていると、毎日当たり前のように実施しているでしょう。手順を再確認するためにも、一度確認しておいてください。
①患者さんに合った口腔ケアの物品を用意する。 ②義歯があれば取り外す ③口腔内の汚れをうがいやふき取りにより簡単に除去しておく ④歯のブラッシングを行う ⑤スポンジブラシやガーゼを用いて、歯茎や粘膜の清掃を行う ⑥舌ブラシやガーゼなどを用いて、舌の清掃を行う ⑦仕上げにうがいやふき取りを行う ⑧義歯があれば、専用の洗浄剤を利用して義歯の洗浄をする ⑨義歯の洗浄後、義歯を装着する ⑩物品を片付ける
看護師が口腔ケアを行う目的・根拠
先ほども紹介しましたが、看護師が口腔ケアを行うことはとても大切です。また、口腔ケアを行う際に実施することには、すべて意味があります。
看護師が口腔ケアを行う目的や、それぞれの手技を行う根拠を簡単に見ていきましょう。看護師が口腔ケアを行う目的
看護師が口腔ケアを行う目的は、以下のようなものがあります。
①口腔内を清潔に保つ ②唾液の分泌促進 ③誤嚥性肺炎や歯周病などの疾患の予防 ④口腔内に刺激を与えることで脳の活性化につながる ⑤味覚の維持・改善
口腔ケアを実施する際は、目的も理解して実施するようにしましょう。手技を行う根拠
口腔ケアといっても、行う必要のある手技はたくさんあります。主義を行う根拠を紹介します。
義歯を外しておく理由
義歯と歯の隙間などは食物残差や菌が残りやすいです。口腔ケアでしっかりと汚れを除去できるよう、口腔ケアを行う際は義歯を外す必要があります。
歯茎や粘膜の清掃を行う理由
歯茎や粘膜にも汚れや菌が付着しやすいため、歯だけでなくこれらの部分も清掃する必要があります。また、歯茎や粘膜を刺激することで、唾液の分泌促進にもつながります。
舌の清掃を行う理由
舌にも汚れや菌が付着しやすく、そのままにしておくと誤嚥性肺炎などを引き起こす原因となります。また、舌の汚れによって味覚が低下することもあるため、味覚の維持・改善にも舌の清掃は欠かせません。
看護師の口腔ケアの役割
口腔ケアなどの患者さんの口腔に関するケアに関しては、看護師だけでなく歯科衛生士などのほかの専門職に大きな役割があると考える方もいるでしょう。しかし、口腔ケアは看護師にも大きな役割があります。
まず、日常的に口腔内のケアができるという点が挙げられます。各病院にも歯科衛生士はいますが、毎日患者さん全員の口腔ケアを実施できるわけではありません。看護師は毎日患者さんとかかわるため、日常的に口腔ケアをすることができます。 また、看護師が毎日口腔ケアを行うことにより、口腔内の異常の早期発見や疾患の予防をすることにもつながります。看護師の口腔ケアの役割をしっかりと理解して、毎日口腔ケアを実施するようにしましょう。