転職活動で提出する職務経歴書、嘘を書いたことは?
転職活動中、何通となく作成する履歴書と職務経歴書。少しでも面接官の心証を良くしようと思うのは誰しも同じですが、その気持ちが強いあまりに職歴や学歴に嘘や誇張を盛り込んでしまったら大変なことになるでしょう。 軽い気持ちで行ったことが後々自分の首を絞めることになったら、元も子もありません。職歴での嘘が職歴詐称となる場合や職歴詐称が発覚するきっかけ、職歴詐称発覚後に考えられるリスクは押さえましょう。 職務経歴書をどのように書いていいかわからず、一人で悩んでいるならエージェントへ相談してみましょう!転職のプロが求人の紹介から面接対策までサポートしてくれます。
職務経歴書の真偽はいずれ分かる
職務経歴書に記載する事項として、これまでに勤めた(あるいは勤めている)会社名や勤務年数、どういった仕事をその会社で担当していたかは鉄板事項ですが、そういった経歴を盛ることで自分の経歴を良く見せたいということは軽い嘘ではなく先々「経歴詐称」と見なされることがあります。 確かに現在のマイナンバー制等では職歴まで連動しておらず、また転職求人の個人一人一人の経歴を採用審査段階で事細かに調べるといったことはプライバシー保護の観点からも考えにくいことでその時点で嘘が発覚するということはまずありえません。しかし、嘘はいずれ露見するものです。それが職歴に関することであれば笑って済ませられないものとなるリスクが非常に高くなります。
職歴に『嘘』を盛り込む理由は
職歴を「盛ろう」として勤めてもいない会社名を書く
さすがに全く勤めてもいない会社に勤めていたなどという大胆すぎる嘘で経歴を詐称する人は少ないようですが、勤務年数を実際より長く申告したり、その会社に正社員として勤務していたのではなく、派遣先や短期アルバイトとして勤務していたのをあたかも正社員として勤務していたように書いてしまったということがあります。
経歴を「盛ろう」として持ってもいない資格やスコアを書く
その資格がないと務まらない仕事であれば、最初から嘘をついてまで職歴を詐称してもすぐに発覚することは誰でも予想がつきます。しかし、一見直接関係がないように見える語学関係のスコアを「盛って」みたり、テキストをぱらぱらめくってみた程度の資格について「持っている」と申告してみたりしたという人も中にはいます。こちらもすぐにその嘘が発覚する、ということは少ないかも知れませんが、実は先々経歴詐称として深刻な事態に発展してしまうことが考えられます。
転職の際についた職歴の嘘あどういった場合にバレるのか
転職活動中の職務経歴書提出時点では発覚することが少ない経歴詐称ですが、いったいどんなタイミングでどういうことが理由で発覚することがあるのでしょうか。
職歴詐称、バレるポイントは口コミと社会保険
職歴詐称、同業他社でなくとも意外と世間は狭い?
職歴詐称でやりがちなことは、前職の経歴の嘘でしょう。同業他社に転職する場合はさすがに狭い世間で顔見知りも多くなることから嘘が発覚する機会も多いとは誰しも思いつくことですが、最近は他にも「狭い世間」で露見するといった事態もあります。 特に多く聞かれるのがSNS経由の発覚です。Facebookなどで、前の職場歴などを公開している人も少なくない現代では、自分が出席していない会議や飲み会などでの「○○って知ってる?前同じ会社に勤めていたはずなんだけど」といったような何気ない会話からばれてしまった、ということもあります。 さらにもっと悲惨であるのが、職歴を偽って転職したことを知らない自分の友人に、たまたま転職先の会社の知人・友人がいて「共通の知人がいる」と盛り上がった時に友人が知らずに真実を話してしまった、という自分自身の交友関係からばれる事態へと発展するケースです。この場合、自分の友人にも「嘘までついて転職した」ということが発覚してしまい、会社での信用だけでなく友人関係まで崩壊してしまうということにもなりかねません。自分が思うよりも狭いのが世間、不用意で不必要な嘘はつかないことが大前提です。
職歴詐称・年末調整時提出の書類が出せない(事実と異なる)で発覚
会社員であれば年末調整は必ず行うものです。給与の総額が2,000万円を超えるような人はこの対象には含まれませんが、そういった人の転職での職歴詐称はもっと早くにばれてしまう機会も多いので、ここではそれ以外の会社員でのケースを考えてみることにします。 年末調整の対象となる会社員は、1年を通じて勤務している人に加えて、年の中途で就職し年末まで勤務している人も当然含まれます。こうした転職組の社員に対する場合、現在勤務している会社はその年内に別の会社などから給与の支払を受けたことがあったかどうかを調べなくてはいけません。 その場合、別の会社から支払を受けた給与の金額やその給与から徴収された所得税額等を確認するため、転職者が別の会社から交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」などを提出してもらうことになります。つまり、この確認ができないときには年末調整を行うことはできません。 年末調整が出来ない場合は、個人で確定申告することになります。しかし必要書類を提出できない時点で、それに対してのもっともらしい弁明が思いつかない場合に今勤めている会社に不信感を持たれることは確実です。それを避けようと嘘に嘘を重ねる事態を引き起こしても何の解決にもなりません。
職歴詐称・年金手帳の記載事項で発覚
採用が本決まりになると会社から提出が求められるのが年金手帳です。この際に加入履歴欄を見られることで職歴詐称が露見する、というケースもよく耳にします。また、そうした事態を避けるためにあらかじめ紛失したことにして年金手帳の再発行を受けておいた、と言う手を使ったという人もちらほら見受けられますが、お勧めはできません。 なぜならこうしたいわゆる「裏の手」が流布していればいるだけ、会社の総務などもそうした時ケースを想定していることが多いからです。特に転職組の多い業種・業態の会社などでは、再発行された手帳などを提出してきた社員がいた場合は、特に注意してその社員の動向をチェックするといったこともあるようなので、そうした「裏の手」に安易に頼ることはやめましょう。 隠しごとというのは隠そうとすればするほど、不自然さや嘘の上塗りなどが生じてしまいがちです。仮に年金手帳では露見しなくとも、要注意社員というレッテルを貼られた時点でいずれは職歴詐称が発覚してしまう確率は高くなってしまうだけです。
職歴詐称・雇用保険被保険者証の記載事項で発覚する
転職した会社で再び雇用保険に加入する際に必要とされることの多い「雇用保険被保険者証」です。「雇用保険被保険者証」とは、雇用保険に加入すると資格取得確認通知書とともに公共職業安定所より該当の会社へと交付されるものです。 通常退職した際に、その他の書類などともに前の会社から渡されますので、転職した先の会社がその人の雇用保険加入手続きをしようとする際に記載事項などを確認するため、「雇用保険被保険者証」の提出を頼まれることがほとんどです。 その場合、前の会社名がわかるところを見せずに番号だけを伝える、といったやり方で誤魔化すという人もいるようですが、この場合もその場はなんとかやり過ごせても、他の年金手帳や年末調整といったことと合わせて不審に思われた結果発覚したというケースにつながるようです。
職歴詐称・発覚後に予想される最悪の事態は?
解雇は避けられないことも
では職歴に嘘いつわりを申し立てることによっての経歴詐称が会社に露見した場合、どういったことが予測されるでしょうか。 まず、一番に考えられる事態が「解雇」です。大げさなことと思われるかも知れませんが、会社側からすれば「職歴」といったその社員の根幹に関わることに関して自ら嘘を申し立てるような人間を信用できるのか、といった話になってしまいます。 特に業種・業態によっては顧客の非常にプライベートなことまで知り得る機会も多い現代の会社事情から考えても、「詐称」というのは許しがたい背任行為を兵器でする人物と受け取られても文句が言えなくなってしまいます。仮に解雇は免れたとしても、そのことが遠因となっての配置転換なども十分ありうることとでしょう。また、もしこの機に乗じて会社側から無理難題な雇用条件などを提示されてもこちらに職歴詐称して入社した、という負い目がある以上なかなか否とは言いづらい立場に立たされることもありえます。 さらに、根本とも言えますが、経歴詐称の一件が同僚などに露見した場合、周囲からの信頼を一気に失うことも予想してなくてはいけません。一度失った信頼を取り戻す大変さを考えれば、職歴の詐称は大変にリスキーなことと言う他ありません。
損害賠償請求される事態があるかも
経歴詐称が原因で解雇となることはもちろんですが、場合によっては会社からの損害賠償請求を受けることも予測できます。なぜなら、社員を募集するにあたりどの企業も転職エージェントへの依頼、広告媒体への掲載など一人の採用につきそれなりの経費をかけての求人となっている以上、それが全て無駄に終わってしまったとなると不要の出費となってしまうからです。 さらに経歴詐称が原因で解雇した後も、新たに補充人員を一から募集するとなれば無駄になった経費がまたもう一度必要となるという事態も十分に考えられ、そうなると企業側では二重の無駄が生じてしまいます。こういった場合の諸経費分だけでも補償するようにと企業側に言われた場合、非がこちらにある以上強くでることや交渉も難しくなることが予測されます。
経歴で嘘や過度の誇張は禁物
負のスパイラルを自ら招くことはやめよう
年末調整や年金手帳といった関門をなんとか誤魔化し、くぐりぬけても、一度ついた嘘はずっとつきまとってきます。その場その場で嘘に嘘を重ねていてはいずれ破たんがくるものです。一端、職歴詐称が発覚してしまったら、解雇を覚悟しなくてはいけません。 さらに解雇されたことがその転職をサポートしてくれたエージェントの耳に入ることは容易に予測できます。そうなると、次の転職活動の際にそのエージェントにもう一度依頼することが不可能になるのはもちろんのこと、守秘義務があるとはいえ、場合によってはある意味での「要注意人物」扱いされることも覚悟しなくてはいけません。次回の職務経歴書や履歴書作成の際に「職歴詐称で解雇」などと正直なことを書けば、書類の時点で落とされることが予想できますし、そうした事実を隠して嘘をつけばどんどん「前科」が積み重なるだけになってしまいます。 また、問題は仕事だけでなく家庭にも波及しかねません。家族にしてみれば短期間での理由のわからない転職を繰り返すだけでは納得できませんし、知れば知ったで大変ショックなことに違いありません。転職の際に軽い気持ちでついた嘘が「経歴詐称」から解雇にまでつながればまさに負のスパイラルそのものとなってしまいます。
安易な経歴詐称に走らない
「誠実にまさる武器はなし」のつもりで、例え一見不利に思える履歴や職歴でも、それを隠さず面接の際にきちんとポジティブに説明できるような練習を積む、あるいは職務経歴書を人事の側の目線で作成し、不利に思われる点は「どうしてそうなったのか」を簡潔に説明書きしておくなどの対策で乗り切るようにするといいでしょう。 転職は人生を左右する大きな決断です。後悔しないためにも、あらゆる準備と対策を行いましょう。一人での転職活動に限界を感じたら転職エージェントに相談してみましょう。
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