筋収縮のメカニズム・筋収縮とは｜ミオシンの短縮/アクチン/ATP分解酵素

私たち体の運動は、様々な部位の「筋」が収縮することによって行われます。その「筋」を動かすには、細胞質中にあるATPが分解されエネルギーとなり、骨格筋の構造内部ではカルシウムイオンによって筋線維の収縮や弛緩を制御しています。

この記事では、私たちの体を動かすための筋肉「骨格筋」の筋収縮の仕組みや筋線維の種類、筋収縮の為に必要なエネルギーについて紐解いていきます。

筋肉の大部分を占める骨格筋には線維の種類があります。肉眼で見えるところでは「赤筋」「白筋」「中間筋」に分けられます。この3つの筋肉はそれぞれ働き方が異なります。

「赤筋」は持続力に長け、酸素量も多く疲労しにくいのが特徴です。「白筋」は瞬発力に長けますが、酸素量は少なく疲労しやすい筋肉です。「中間筋」は体の奥の骨格に近いところに存在し、白筋は体の表面に近いところに存在します。その各筋肉の内部は、数百から数千本の伸縮性のある筋原線維が集合し並んで構成されています。

はじめに、筋肉の収縮に必要な組織を簡単に説明しましょう。骨格筋の表面は筋膜という膜に包まれています。筋膜の中には、多く筋線維が集まり束ねられています。更にその内部には、筋原線維といって2種類の線維が存在します。それが後述する「アクチン」と「ミオシン」です。

筋原繊維の周りは「筋小胞体」が取り囲んでおり、その筋小胞体にはカルシウムイオンが蓄えられています。このカルシウムイオンが筋収縮には必要不可欠です。では、カルシウムイオンがどのように作用して筋が収縮するのでしょうか。

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カルシウムイオンは筋収縮に必要不可欠です。カルシウムイオンは筋原線維の周りを囲む「筋小胞体」という袋状の膜の中に貯蔵されています。筋収縮の始まりは、神経線維からの刺激により筋線維に電気的変化が発生します。

その後、筋小胞体からカルシウムイオンが細胞質中に放出され、筋細胞内のカルシウム濃度が高まり筋収縮が起こります。そして、筋収縮にはカルシウムイオンの濃度変化が重要です。カルシウムイオン濃度が高まると筋は収縮し、低くなると弛緩するのです。 カルシウムイオンの放出によって2種類の筋線維「アクチン」と「ミオシン」が反応し筋が収縮します。そして、カルシウムイオンは筋収縮後筋小胞体へ再吸収されます。カルシウムイオンが必要不可欠なのは、カルシウムイオンによって筋収縮が引き起こされるためなのです。更に筋収縮にはトロポミオシンやトロポニンといったタンパク質も必要です。