サンクコストの呪縛の例・サンクコストに関する心理学と効果
確証バイアス
確証バイアスとは、直感で見つけた答えに固執し、その他の可能性を排除してしまうことです。例えば「ご飯よりパンの方が健康に良い」と信じている人が、パン特集の雑誌、健康情報ばかりを集めて、自分に都合の良い情報しか信じないなどがあります。その際の反対意見は耳にしようとしません。
この思い込み、偏見、先入観を確証バイアスと呼びます。サンクコストは損を認めたくないという思い
上記では、確証バイアスを例に挙げてみましたが、いかがでしょうか。バイアスは「自分のセオリーに固執している」といえるでしょう。
それに対し、基本的にサンクコストは、「損を認めたくない」気持ちが働いた結果といえます。このことから、バイアスというよりは認知的不協和を避けるための行動だと考えられます。 しかしギャンブルなどの例のように、保障のない事柄に執着することに関しては、確証バイアスも含まれているといってもよいでしょう。損をしないために
ここまでで説明したように、サンクコストの呪縛は、損を認めたくない気持ちや、保証のない事柄に期待していることから起こります。この理論はギャンブルなどにも当てはまりますから、ハマりやすい人は注意が必要です。損失が膨らまないために、サンクコストが少ないうちに見切りをつけるのが大切です。
無駄に損をしないための2つの柱をご紹介します。物事を分けて考える
このような呪縛にはまらないためには、物事を分けて考えることが必要です。「わざわざ時間をかけて遠くのデパートに来たけれど、お目当ての商品はなかった」ことは残念です。しかしそれはそれです。関係ないものを購入する必要はありません。しっかりと損を認めることが、さらなる損を生まない秘訣といえましょう。
保証のない事柄を見極める
また保証のない事柄に対しても、「自分は今どうしたいのか」「今後もこの人もしくはモノに自分の時間やお金をかける必要はあるのか」としっかり見極めることが大切です。
行動経済学の本
ここまでご紹介してきた中で、行動経済学に興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような事柄に触れている、わかりやすい行動経済学のコミックをご紹介します。
ヘンテコノミクス
雑誌BRUTUSで連載されていた、行動経済学をテーマにしたマンガが書籍化されました。マンガでわかりやすい上に、話の最後にまとめが載せられていて楽しみながら知識がつく1冊になっています。巻末のマンガにはなっていない行動経済学のセオリーも必読です。
本格経済学マンガながら絵も可愛くどこか懐かしいので、どなたでも楽しめるおすすめの1冊です。
行動経済学の過去の作品でここまで分かりやすく 「日常」をベースにしたものはなかったので、 行動経済学への入門という方に特におすすめ。
サンクコストの罠を避けよう
今回は、ビジネスや日常に役立つ、サンクコストの意味やサンクコスト効果の例、サンクコストの呪縛にハマらないための対策をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
私たちの日常には、サンクコストの罠が数え切れないほどあります。しかし対策を知っておくだけで、時間的にも金銭的にも、不合理な選択を避けることができます。逆にビジネスでサンクコストの理論を利用することもできるでしょう。 サンクコストの罠を避けて、賢く効率的に時間やお金を使いましょう。