罰金④:治療期間15日以上30日未満
この場合も、危険運転致死傷罪の場合は15年以下の懲役です。過失運転致死傷罪の場合は、15万~30万円の罰金となっています。ですが、治療が21日以下の場合は原則不起訴となっていますので、その場合は罰金刑はありません。
罰金⑤治療期間が15日未満・建造物損壊事故
この場合も、危険運転致死傷罪の場合は15年以下の懲役です。過失運転致死傷罪の場合は、12~20万円の罰金となっていますが、原則不起訴となります。
人身事故でかかるのは罰金だけではない
人身事故で逮捕・起訴された場合、罰金刑となると書いてきましたが、人身事故を起こした場合、加害者が負担するお金は罰金だけではありません。
被害者に損害賠償を請求された場合に、損害賠償金を支払わなければならないことがあります。損害賠償は、以下の4種類に大きく分けられます。・積極損害 ・消極損害 ・慰謝料 ・物損
この4種類を詳しくみてみましょう。積極損害
積極損害は、人身事故による怪我で病院の治療を受けたり、入院したりしたときの費用を指します。具体的には以下のとおりです。
・入院費 ・通院費(交通費含む) ・診療費 ・治療費 ・リハビリ費用 ・手術費 ・マッサージ費用 ・義足や車いす費用 ・葬儀費用(死亡事故の場合)
積極損害は、交通事故が原因で出費を余儀なくされたものに対するものなので、その条件を満たせば広い範囲で適用されます。基本的に全額を加害者負担となりますので、怪我の程度によっては大変高額になります。消極損害
消極損害とは、人身事故の被害者にならなければ、本来なら得ることができていたはずの利益の損害のことを指します。
例えば、人身事故の被害者になって仕事を休んでしまった場合、収入が減ってしまいます。それを補うために「休業損害」というものがあります。被害者の職業や収入によって、損害賠償金は異なります。 また、「後遺障害慰謝料」も消極損害にあたります。「後遺障害慰謝料」とは人身事故が原因の怪我で、後遺症が残ってしまった場合の損害です。これも、後遺症の程度によって賠償金額は異なります。 そして、「逸失利益」といって人身事故で腕や足の切断を余儀なくされたり、後遺症が残ったりして労働能力が低下した場合に、人身事故の被害者にならなければ本来もらえたはずの収入の減少の損害も消極損害にあたります。慰謝料
慰謝料は、人身事故による肉体的・精神的苦痛に対するお金を指します。被害者が慰謝料を請求した場合は、それに応じる必要があります。金額は、自賠責保険を基準に考えるのか、任意の自動車保険を基準に考えるのか、または弁護士を基準に考えるのかで大きな差があります。
また死亡事故の場合は、被害者の精神的苦痛を遺族に対してお金で支払うものとなります。基本的に損害賠償は被害者本人に対して発生するものですが、死亡事故での慰謝料は被害者本人が死亡しているため、代わりに遺族に対して支払うことになります。