統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

仕事ノウハウ

統合失調症とは

統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

統合失調症とは、実はそれほど稀な病気ではありません。世界規模での調査により、100人に1人はかかったことがあるとされています。統合失調症は、刺激を伝達する神経系のトラブルによる慢性疾患です。原因はまだはっきりとは分かっていません。

統合失調症の看護課程

統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

統合失調症の看護過程についてアセスメント内容などを挙げます。

統合失調症の症状

統合失調症の主な症状を挙げます。

・幻覚や妄想 ・嗅覚が過敏になる ・不眠 ・易疲労感 ・意欲の低下 ・表情や感情がはっきりしない ・集中できない ・会話が分かりづらい

など、何となく変かなと感じる程度のものから、非常に突飛に見受けられてしまうことまで多岐にわたります。難しいことは、外傷などと違って症状が多角的にははっきりしないことです。根気よく問診したり、じっくり観察することで見えてくるでしょう。

統合失調症における不眠

統合失調症の不眠は深刻です。睡眠は心の体温計といいます。しっかり眠れて気持ちよく起きられた朝は、非常に快適に過ごせることでしょう。しかし、睡眠がとれていても悪夢ばかり見たり、始終起きてしまったり、また眠ること自体ができなければ、病気に立ち向かう気力さえ保つことができません。

統合失調症において、不眠は病気の進行のサインでもあります。その程度によって、病気の悪化が測れるほど主症状といえます。看護アセスメントにおいて、睡眠状況と眠れないことによるイライラ具合などを情報収集することは非常に重要です。

統合失調症の二つの症状「陽性症状」と「陰性症状」

陽性症状

安全保障観を持てない陽性症状というのは、不眠や嗅覚の過敏症、疲労感、被害妄想などがあり幻聴や妄想が聞こえるようになります。適切な看護が必要で、回復には時間がかかります。

陰性症状

自信が無くなることが主な陰性症状とは、集中力の低下や意欲の低下、会話や考えがまとまらないなどがあり陽性症状のように分かりやすくないので、怠けているだけと思われてしまうことがあります。看護ケアが必要な状況なのに、それがうまく発見されず本人にとっては苦痛が続くことも多くあります。

統合失調症の看護のアセスメント

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看護計画をたてるのに、大切なことはその患者の最終的な目標、なりたい姿をはっきりとさせておくことです。しかしその目標は人それぞれちがいます。そこで、大切なことは看護目標や看護計画をたてる前提となるアセスメントです。

患者情報の取得

患者の年齢や性別、既往歴などの一般的な情報と共に、現病歴についても情報を得ていきます。統合失調症の看護において、患者の成育歴や人となり、生活環境なども非常に重要になってきます。

アセスメントに必要な情報取得は、ただだらだらと取材していれば良いのではありません。それでは看護に結びつかなくなってしまいます。情報の取得とアセスメントを系統だってできるような定義があります。

ヘンダーソンの14の基本的欲求

ヘンダーソンは人間が人間として欲する基本的欲求を14の項目にしました。定義として「その人が必要なだけの体力と意志力と知識を持っていれば基本的欲求を自立して充足することができる」としています。

そして、欲求とその欲求が満たされた状態が挙げられているので、その項目に沿って情報を取得しその項目の基本的欲求は充足しているかを考えると、おのずと統合失調症の看護アセスメントができていきます。

ゴードンの11の機能的健康パターン

ゴードンは、その人の健康を維持する要素を11の機能的健康パターンとして挙げ、その11のパターンを満たすのに必要なことを項目として挙げています。内容が細かいので、情報取得に便利ですしアセスメントに直接結びつけることができます。

統合失調症の看護において、一見怠けているだけに見えてしまう状態がこのパターンによってアセスメントすると病気の状態になっていることが分かってくるでしょう。

マズローの5つの人間のニードの階層構造

人間がもつ欲求をより生命に直結した危機的な欲求から、それが満たされると出てくる欲求と5段階に分けています。統合失調症の症状が強く出ているときには、生命欲求という一番下層段階の欲求が満たされていない状態です。

そこが適切な医療や看護で満たされると、次の欲求に上がっていけるという見方もできます。

アセスメント

患者の情報を取得したら、前述した看護理論を使って情報を整理します。これがアセスメントの作業です。項目ごとにとった情報を並べ、どこに看護の手が必要かを整理していきます。何が満たされ、何が満たされていないかをはっきりさせます。

統合失調症の方のアセスメントで大事なことは、幻聴が聞こえているときなどは本当に情報が正確かも確かめなくてはいけません。情報をとったら、アセスメントして整理し、そして患者にフィードバックすることが看護がぶれないために必要です。
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