統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

仕事ノウハウ

統合失調症の看護目標

統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

統合失調症の看護に関してアセスメントできたら、その人のなりたい・なり得る姿を看護目標として具体的にします。看護目標は明確であることと、期間がはっきりしていることが大切です。短期目標としてできれば日付を上げて達成したい目標、長期目標として慢性疾患である統合失調症の方のあるべき姿をかかげます。

また、それは必ず患者にフィードバックし患者自身から看護がずれないように確認し、必要時修正していきます。そして、その目標を達成するために行う看護を具体的にします。

OP(観察項目)

目標達成のために、患者の状況、行った医療や看護がどのような結果をもたらしているかなどを観察します。一般的なバイタルサインと共に、統合失調症に特徴的な陰性症状や陽性症状の有無と程度、また薬物療法が中心なのでその効果などが含まれます。

TP(ケア項目)

具体的に行う看護、ケアの内容を計画します。保清ケアや飲食に関わるケア、内服の補助など実際に手を差し伸べる内容が挙げられます。

このケア項目は患者と家族など、身の回りの方にも必要なケアがふくまれます。特に統合失調症の方の場合、本人だけでなく身の回りの人にもしっかりとケアしていく看護が必要なことも多くなります。

EP(教育)

教育と言うと硬いイメージですが、患者や家族が統合失調症について正しく理解すること、現状が病気によるものであることを把握すること、それを踏まえての薬物療法などの治療の必要性、慢性疾患であることの理解などの指導内容が挙げられるでしょう。

そして、これは一般的に必要なこともありますが、その患者や家族の理解度に合わせて進めることが大切です。

統合失調症の看護計画

統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

統合失調症の看護計画は、急性期と慢性期に分けて考えていきます。

急性期

統合失調症の急性期の看護計画は、まずは急性症状の見極めとその脱却のための治療の効果についてなどが主になってきます。患者や家族への告知、自分の苦しみは病気によるものであることを理解してもらい、自他を傷つけず治療に迎えることが大切です。

また、衣食住という基本的なセルフケアもできなくなることが多いので、それに対するケアも大切な看護です。看護計画は、治療計画に沿って展開される内容も増えてくるでしょう。

慢性期

慢性期の看護計画は、患者が自分の病状を理解し統合失調症と共存しながら社会生活を営めることに主眼が置かれます。患者の病識について情報を得て、患者自身がどうしたいか・どうなりたいかを考えていける土壌が必要です。

この時、患者は急性期を脱しているようでも、統合失調症の症状は心の中でのことが多く本当に急性期を脱しているかの見極めも大切です。できるだけ自分から自分の言葉で表現してもらい、その情報をアセスメントし計画・目標立案へつなげましょう。

統合失調症の看護師に求められること

統合失調症の看護計画・看護過程・看護目標|急性期/症状

統合失調症の看護に求められることは、通常の病気とは違ってきます。心の病気を看護するには、適度な距離感が必要です。

コミュニケーション

統合失調症の看護に関してコミュニケーションは非常に重要です。陽性症状のときに、無理にコミュニケーションをとろうとするとかえって幻覚や妄想を誇大させかねません。患者が手を貸してほしいタイミングに、手を貸せるような距離にいることが大切です。

苦しんでいる患者にはできるだけ近くで寄り添って、雑談的なコミュニケーションも必要とは看護学校で習うことです。しかし、統合失調症に関してはただ近くに居ておしゃべりしたりすることが適切なコミュニケーションではありません。

対人関係

統合失調症は対人関係のトラブルから発症することもあります。人そのものが怖い人もいます。やはり、無理に接近するのは禁物です。しかし、時に非常に孤独感を感じていたり、急性期も落ち着いて社会に出ようという時は人間関係が必要です。

話をしてもきちんと聞いていますよ、大丈夫人としっかりやっていけますよ、というメッセージを込めて距離を縮めていきましょう。
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