看護基準の目的
看護基準という言葉は決して耳慣れないものでは無くなってきました。しかし、その目的はと聞かれると分からいづらい方もいるのではないでしょうか。
看護基準とは
看護基準とは健康保険法で定められています。あらゆる保険診療を行う機関(病院や診療所など)において、入院患者数と看護要員数の比率によって点数が加算される制度です。健康保険法では、一定の入院費用の他に、看護料の加算が認められておりその診療報酬はこの基準で計算されます。
目的
看護基準が制定された目的は、以前の基準が看護師の交代勤務や休日などを考慮せず、実態とは違う体制になっていたことを改正するためです。その病棟ごとの実態に合った看護師の配置人数が診療報酬に反映されることで、本当に必要な看護師の人数にできます。
看護師の人数が適正に配置されることで、医療の質を上げ看護師の仕事が適切に診療報酬に反映されることが最終的に目指すところです。看護基準と看護手順の違い
看護基準を調べていると、よく似た言葉で看護手順が出てくることがあります。看護手順の前提は、日本看護協会が定めた看護業務基準「働く場や年代・キャリアなどにかかわらず、すべての看護職にとって看護の核を示すもの」という定義です。
これは2016年に改訂されたものですが、すべての看護職が共通の看護をできるようになることが義務であるという前提があります。看護を取り巻く状況に合わせて適宜見直されてきていますが、現在は少子高齢化や医療の高度化・国民意識の変化が注目されています。 これらのニーズに合わせて、看護師が共通の看護を提供できるように作るものが看護手順、施設基準のことを看護基準と言います。看護基準の計算方法
看護基準の計算方法は、施設形態によっても変わってきます。例えば7対1という看護基準であれば、看護師1人が入院患者7名を受け持つということになります。ただ、この比率は1日平均してということなので、交替勤務などでフォローしても良いです。
しかし、10対1であった従来より7対1をとることで診療報酬も上がり、患者に手厚く看護師も負担が減るというメリットが挙げられるでしょう。 また常勤換算という計算方法は、常勤は週5日で1日8時間勤務(週40時間)と決められています。また、パート勤務などでこの半分の勤務時間の看護師が二人いれば、その二人で一人分の常勤換算ができます。このような珪酸方法で、常勤人数を計算して常勤者の数が足りていれば良いという計算方法です。