看護基準の目的・10対1と7対1の違い・計算方法

仕事ノウハウ

看護基準を作成するにあたり、以下のことをまず整理したいのが「看護師」「准看護師」「看護補助者」の違いを明確にすることです。看護基準を作成する時に、診療報酬上で対象になるのは看護師のみで准看護師や看護補助者は含まれないからです。

そして、次にその施設や病棟がどのような分類になり、どのような人員配置が義務付けられているのかを考えます。一般病棟なのか、集中治療室なのか、また慢性期病棟か小児科かなどによって人員配置が変わってくるのでそれを満たすことが必要になります。 ごく大まかには、上記2点を考慮することから始まりますが、実際には同じ看護師でも常勤がいたり非常勤がいたりしますので一概には言えません。また、施設基準にも取り決めや実績の評価なども必要になってきます。

看護基準における診療報酬

看護基準の目的・10対1と7対1の違い・計算方法

看護基準における診療報酬は「入院基本料」において評価されます。単純に7対1だから○点ということではなく、平均在院日数や正看護師比率などが細かく指定されて点数化につながります。例えば7対1の入院基本料をとっていて、さらに平均在院日数が18日以内・正看護師比率70%以上であると基本点数は1日1591点です。

またこれに対して、初期加算や看護必要度の評価による加算などが細かくついて行くことになります。

主な看護基準の診療報酬

●7対1(平均在院日数18日以内・正看護師比率70%以上)=1591点 ●10対1(平均在院日数21日以内・正看護師比率70%以上)=1332点 ●13対1(平均在院日数24日以内・正看護師比率70%以上)=1121点 ●15対1(平均在院日数60日以内・正看護師比率40%以上)=960点

看護基準10対1と7対1・20対1の違い

看護基準の目的・10対1と7対1の違い・計算方法

それでは、看護基準についてさらにくわしくみてみます。

10対1

看護師1名が10名の患者を受け持ちます。

10対1の看護基準は、平均在院日数21日以内で正看護師比率70%以上が必要です。初期加算が1日につき+450点(14日以内)、15日~30日で+192点です。10対1の特徴は、看護必要度による評価ができることです。診療報酬が1日につき12%以上で+25点、18%以上で+45点、24%以上で+55点となります。またADL維持向上等体制加算が14日を限度として、1日+80点つきます。 *ADL維持向上等体制加算とは、急性期における入院患者のADLの維持向上を図る目的で、病棟にリハビリ専門職を配置した場合の評価です。早期リハビリテーションを促す有用性から、点数が引き上げられる傾向にあります。

7対1

看護師1名が7名の患者を受け持ちます。施設基準でも診療報酬の改定でも、7対1は注目を浴びている看護基準です。7対1の点数が高いために、無理をして看護師を移動したりなどもあり再三見直しや改定の対象になってはいますが、なるべく手厚い看護と看護師の負担減という目的を叶えている施設もあります。

7対1の看護基準は、平均在院日数18日以内で正看護師比率70%以上が必要です。初期加算が1日につき+450点(14日以内)、15日~30日で+192点です。7対1でもADL維持向上等体制加算が+80点加算されます。(限度日数は14日)看護必要度による評価はつきません。

20対1

看護師および准看護師1名に対し20名の患者を受け持ちますが、同時に看護補助者も患者や20名に対し1名つきます。基本的には医療療養病床となります。

特徴的なのは、療養病棟入院基本料として医療区分やADL区分に基づく患者分類をして評価することです。
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