「ナラティブ・アプローチに基づいた看護実践のとらえ直し」 紙野 雪香
ナラティブアプローチとは、単に事例を検討するだけでは無く自分自身の行動や、患者の本心や家族の思いに迫るという要素があります。自分の行動を振り返り、どうしてこのような看護展開になったのかを振り返ることで自分の行動や感情を内省していきます。
この文献では、元々自立していた患者が処置中に急変し、蘇生したものの無反応な状態になってしまった方の事例を挙げています。処置中のトラブルということに対する後ろめたさと、ケアが長引いていく事で変化していく思い、そして無反応な患者をみて「生きている」とはどういうことだろうと悩む看護師の話がナラティブに書かれています。 このケースは看護師ならほとんどの人が思い当たることでしょう。そのおもいを、正直に告白し物語風に語ることで真実味を帯び理解しやすくなっています。そして、ナラティブに語ることで筆者が得たものが書かれており、ナラティブという概念の有用性を理解できる文献です。ナラティブ看護に関する本の紹介
ナラティブ看護に関しての書籍をご紹介します。
「看護を語ることの意味―ナラティブに生きて」 川島みどり著
川島みどりさんは、看護に関する著書を多く書かれていますが、その表現方法が看護師の硬いものと違って非常に読みやすいのが特徴です。ナラティブと言う言葉が出る前から非常にナラティブにな書き方をしていたとも言えます。本書は、中堅ナースに向けて書かれており、後進の育成や自分自身の看護について行き詰った時などに役立つでしょう。
ナラティブを語ること、その意味について、その目的について知りたかったのですが、知りたい内容が書かれていました 出典: https://www.amazon.co.jp |
「ナラティブ・ホスピタル」 乙野 隆彦著
慢性期疾患(人工透析や脳卒中後の麻痺、認知症などを取り上げている)に関して、臨床心理士を主体としてナラティブに沿った援助を取り上げています。心理士と言う視点から、看護師とはまた違った興味深い見解を得ることができます。ナラティブ看護がもたらす、プラスのスパイラルを示してくれます。
介護、治療や治療方法のイメージが変わりました!! 最優秀賞・・・さすがという感じです。一気に読んでしまいました。
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ナラティブ看護の実践に向けて
日本の医療では、ナラティブ看護は現実には振り返りに使われていることが多い状況です。しかし、振り返ってみればいたるところで実はナラティブ看護が行われていたことにも気づくでしょう。それが、次第に意識して行う看護に組み入れられていけば、患者や家族との信頼関係を気づくきっかけになっていくはずです。
特に救急のような忙しい現場では、どうしても所見がすべてになってしまいがちですが、ナラティブな部分にこそ真実はあることを忘れずにいることが大切です。双方が満足する医療のために、ナラティブ看護について追及していきましょう。今の職場は自分に合っていますか?
看護師に憧れて就職してみたけど、 「看護師を辞めたくてしょうがない...」 「なんでかわからないけど、今の仕事が辛い...」 と、思い悩んでいませんか?
スパゲッティにも、仕事がつらいという悩みや人間関係についての相談の声がよく寄せられてきます。「いまのままでいいのかな...?」 みなさん、不安を抱えながら働いているようです。。
もし「辞めたい」とお考えの方がいましたら、相談するのに最適な看護師専門の転職エージェントを下記にご紹介します。まずは、あなたの状況を相談してみて、転職するかどうか決めてみましょう。 当然ですが、利用は完全無料です。もちろん、転職エージェントに登録したからといって必ず転職する義務はないので安心してくださいね。