てんかん発作の看護
てんかん発作の看護については、古くより箸をかませるなど民間療法からもいろいろ言われてきました。実際には、どのような看護が良いのでしょうか。立ちあうと慌ててしまいがちな、てんかんの看護についてご説明します。
対応
てんかん発作の看護で大事なことは「慌てない」ことです。単純なようですが、これが非常に大切で慌てて押さえつけてしまったり、舌をかまないようにと無理に口に何かを挟もうとするのは非常に危険です。
てんかんの対応に関しては、以前よりいろいろなことが言われてきました。しかし、今言われているのはとにかく慌てず経過をみることです。そうはいっても、慌ててしまうのが普通ですが、何をすべきか頭に入っていれば対応が違ってくるでしょう。発作時
てんかん発作が起こったら、まず時計をみましょう。そして、てんかん発作が起きてから何分続くかを測ります。みている側はとても長く感じます。このまま息が止まってしまうのではないかなどと考えてしまいがちです。しかし、実際にはてんかん発作は1分~数分程度です。
発作がおさまって、10~20分以内で意識が戻るようなら落ち着いて様子を見るか、落ち着いた状態での念のための受診で大丈夫です。しかし、けいれんがそれ以上長く続く時やおさまっても意識が戻らないようなときは救急搬送を依頼します。 そしてもう一点ですが、てんかん発作が身体の一か所か、全身性に広がっていくかを観察します。全身性でも前述したようにおさまっていく場合は良いですが、おさまらない時は受診しましょう。対処
てんかん発作時に経過をみる以外にするべきことは、二次災害、危険防止の対処です。もしそれが、道路や交通の激しい場所で起これば、もちろん安全な場所へ誘導します。そして、発作時の体動でけがをしないように周りから危険物を撤去します。
周囲が硬いとき、毛布などがあればクッションにするのも良いですし、きつい衣類は緩めることも大切です。人が居て、大人数でゆとりを持って対処できるときは良いですが、人がいない時はとにかくオーバーアクションや標識で二次的な事故が起こらないように対処しましょう。 また、てんかん発作で嘔吐することもあるので顔を誤飲しないように、顔をできるだけ横に向けます。嘔吐したら、早めに除去します。予後
てんかん発作時は、脳内が異常に興奮しているような状態です。脳のエネルギーを使いきってしまうようなイメージです。そこで、脳は脳自身を休ませようと深い呼吸で眠ることがあります。脳が回復するための自浄処置ですから、そのままゆっくり休ませてあげましょう。
てんかん発作でまわりに人が集まってきてしまった時は、静かな状況が作れるように周囲にも事情を説明して理解してもらいます。