パーキンソン病の症状別の看護・介助・観察・計画のポイント

仕事ノウハウ
さらに、精神症状でうつ状態や幻覚、認知症などの症状が表れることもあります。このように、パーキンソン病にはさまざまな症状があります。 その中でも、寝たきりや嚥下障害、すくみ足、小刻み歩行などによって、看護や介助方法は違います。それぞれの症状についてみていきます。

寝たきり

パーキンソン病から、寝たきりになると全身の筋肉が動かなくなります。

患者さん自身で好きなように行動することが難しくなります。同じ体勢でいると、圧迫されている場所に発赤ができたり最悪な場合褥瘡が起こったりします。 そのため看護としては、患者さんが同じ体勢にならないようにするように時間を決めて体位交換をしたり、必要な場所にクッションを置いたりすると良いです。

嚥下障害

例えば健康な人であれば食べ物を口の中に入れると、噛んで小さくすることで飲み込むという動作を行うことができます。ですが、嚥下障害が起こることで飲み込むタイミングなどがわからず難しくなります。

軽症であれば、少しむせたり咳き込んだりするだけで済みますが、重症になると、誤嚥性肺炎になることもあります。看護としては、患者さんの咀嚼状況によって食べる物の大きさや柔らかさなどを変えなくてはいけません。

すくみ足

歩く時には片足を前に出して進みますが、すくみ足では歩こうとしても足が地面についているように動きません。

急に方向を変えたり、障害物があった時によけようとした時など、思わぬ時にすくみ足となり転倒することがあります。この症状は患者さん自身では、どうすることもできません。看護としては、焦らずゆっくり歩行するように伝えます。

小刻み歩行

歩く時は、健康な人であれば肩幅くらい足をひろげ、腕を振って歩行しますが小刻み歩行になると、腕の振りは小さくなり歩幅も狭くなります。このことで、体の重心が前になりバランスが悪くなります。

看護として、できるだけ腕を振り足を持ち上げて歩くように指導します。患者さんによっては転ばないように、杖や歩行車を使うことも選択肢のうちの1つです。

パーキンソン病看護についての看護師国家試験過去問題

看護師の国家試験で、パーキンソン病について問題に出されることがあります。内容としては、正しい症状はどれかを選択したりパーキンソン病に関連した事例が挙げられ正しい物を選択したりするなどです。

パーキンソン病看護のポイント

パーキンソン病看護には、ポイントがあります。パーキンソン病の患者さんに対して必要な観察や計画を紹介します。また、患者さんが感じやすい不安の捉え方やパーキンソン病になることで挙げられる看護問題についてご紹介しましょう。

観察

パーキンソン病の観察項目としては「運動」「自律神経」「精神」と大きく分けて3つの症状に気を付けなくてはいけません。

・患者さんの表情 ・声の大きさ ・寝返りができるか ・字を書いた時に小さくないか ・起立性低血圧の有無 ・浮腫みの有無 ・頻尿、便秘 ・発汗過多 ・睡眠状況 ・うつ症状の有無

このように、さまざまな状態を観察し患者さんの状況に合わせて看護をする必要があります。

計画

パーキンソン病の看護計画としては、患者さんの状態に合わせて計画を立てなくてはいけません。患者さんは、症状によって重症度が違います。

どの症状が表れたとしても言えることは、それ以上症状が悪化しないように看護を行うことです。患者さんが、どこまで一人で今までの生活ができるのかを把握しながら計画を立てる必要があります。

不安

パーキンソン病になることで、患者さん自身もその家族も今後の日常生活がどのように変化しどうなってしまうのかなど、様々なことが不安になってしまいます。その時に、看護師が患者さんの気持ちに寄り添い理解しなくてはいけません。

患者さんとのコミュニケーションや必要なケアなどの中から不安を聞き、患者さんが不安を軽減できるように対策や方法などを伝えると良いです。
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