変形性膝関節症の看護計画
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨のすり減りによって、関節が炎症や変形を起こし、疼痛や関節可動域制限が起こる疾患です。初期であれば、膝周りの違和感やだるさといった症状ですが、症状が進行すれば、膝に負担のかかる動作が困難となり、末期であれば歩行もままならない状態になります。
原因は関節軟骨の老化だけでなく、肥満や外傷、遺伝要因も原因とされています。膝関節の女性は閉経と共に骨粗しょう症になりやすいことからも、変形性膝関節症の罹患率が高くなっています。変形性膝関節症の看護計画をご紹介します。OP(観察計画)
変形性膝関節症の観察するポイントとしては、バイタルサインや疼痛の有無、創部の熱感、疼痛、発赤、腫脹だけでなく、食事量や睡眠状況も観察しましょう。疼痛によって、食欲の低下や不眠が生じる場合があります。また、膝周囲だけでなく、足背動脈の触知や下腿の疼痛、熱感の有無を観察し、深部静脈血栓が発生していないかを確認しましょう。
TP(ケア計画)
変形性膝関節症のケア計画としては、疼痛に対しては医師の指示に基づいて鎮痛剤を使用したり、アイシングを行います。感染をしないように処置をする際には、清潔操作で行ったり、保清のケアを行いましょう。また、深部静脈血栓の予防として、弾性ストッキングの使用や早期離床を促しましょう。
EP(指導計画)
変形性膝関節症の指導計画としては、痛みは我慢する必要がないことを説明し、創部の異常に気付いたら報告してもらえるように説明しましょう。リハビリに対して否定的な患者さんであれば、早期離床の重要性やリハビリの必要性を説明しましょう。
変形性膝関節症の看護の問題や注意点
手術する前の患者さんは、手術に対する不安もありますが、手術した後の生活にも不安を感じています。手術やリハビリだけでなく、その後の生活に関してもわからないことがないかどうかを確認し、必要であれば説明を行いましょう。
痛みがあると、食欲低下や不眠という問題だけでなく、リハビリの意欲低下に繋がります。我慢強い患者さんであれば痛みを訴えない方もいますので、本当に痛みがないかどうかを表情やしぐさでも確認しましょう。 また、早く治したいからと無理にリハビリ運動をしてしまう患者さんもいます。炎症や疼痛の悪化や脱臼の危険性が伴いますので注意しましょう。車椅子を利用される場合には、フットレストの上げ下げの忘れが転倒に繋がりますので、車椅子の使い方は丁寧に教えましょう。変形性膝関節症の看護の術前の看護
変形性膝関節症の看護の術前の看護について説明します。変形性膝関節症は、手術を行う前から看護を行う必要があります。変形性膝関節症の看護の術前の看護についてご紹介します。手術を受ける前は、手術を不安に感じる患者さんが多いです。
手術前には、患者さんの不安が軽減されて、手術に対する心構えが行えるように、精神的なケアを怠らないようにしましょう。患者さんは事前に医師から手術の説明を受けますが、不安なところや理解できていない内容もありますので、患者さんが納得できるように説明を行いましょう。 また、術後の生活を予測できるように身体的準備を行いましょう。術後の移動方法や排泄の方法などの説明を行い、実際に杖や車椅子を体験してもらい、使用訓練を行いましょう。杖や車椅子の使用方法を術前に行っておくことで、杖や車椅子の必要性や重要性を理解してもらうだけでなく、術後のリハビリがスムーズになります。