手術後の変形性膝関節症の看護
手術後の変形性膝関節症の看護について説明します。手術後は状態が変化しやすくなります。手術後は体温・血圧・脈拍・呼吸などのバイタルサインや麻酔からの覚醒状態、輸液量を確認しましょう。必要であれば、点滴の速度を調整しましょう。手術した後の創部の痛みや出血の有無、ドレーンの量やにおいの確認も行いましょう。
深部静脈血栓症を発症しやすくなりますので、下肢が腫れていないか、異常な痛みは見られていないかを確認しましょう。また、脱臼しやすい肢位を執刀医に確認し、危険肢位にならないように注意しましょう。患者さんにも危険肢位を指導して、人工関節の脱臼を予防しましょう。変形性膝関節症の看護ケア方法
変形性膝関節症の看護ケア方法は、患者さんの症状によって異なります。疼痛が持続し、安定しない患者さんであれば、疼痛の程度やどれ程疼痛が持続するのか、可動域制限の程度を確認し、クーリングやサポーターの着用、運動療法を行います。必要に応じて薬物治療を行います。
疼痛や可動域制限によって日常生活に支障をきたしている場合には、セルフケアが行えるように援助を行ったり、杖や補助具の紹介・指導を行いましょう。 精神的な落ち込みや、体に対する否定的な感情を話している場合には、患者さんが疾患に対する意見を話すきっかけを作り、話を傾聴しましょう。身体的な看護ケアだけでなく、精神的な看護ケアも行いましょう。変形性膝関節症のリハビリ看護
手術後にはリハビリが必要となります。変形性膝関節症の患者さんが、日常生活に早く戻れるように早期からリハビリ看護を行いましょう。
変形性膝関節症の患者さんは、手術をする前から膝を庇って歩いており、膝や股関節周りの筋力低下や可動域制限が見られている場合が多いです。手術を行ったからといって、それらの問題がすぐに良くなるわけではないので、リハビリを行いながら改善していく必要があります。術後すぐのリハビリが必要
麻酔から覚めた直後は、理学療法士や作業療法士の指導のもと、看護師はベッドサイドでのリハビリを行いましょう。術後すぐに足を動かすことによって、血栓予防を行います。患者さんの状態や手術方法によっても異なりますが、早期であれば翌日に全荷重をかけることができる場合があり、変形性膝関節症の歩行練習は術後数日で行います。
手術した直後の膝周囲は炎症を起こしています。リハビリ後やリハビリ中に強い痛みが生じた場合には、必要に応じてアイシングや薬品の投与を行いましょう。変形性膝関節症の看護は援助するべき?
変形性膝関節症の入院は長期に渡る場合があります。入院中、看護師は疼痛軽減などの看護ケアを行うだけでなく、医師や理学療法士と連携しながら、入院中のリハビリを支援し、リハビリに積極的に取り組めるように援助しましょう。
変形性膝関節症のリハビリは長期に渡って行う必要があります。入院中だけでなく、退院後に重いものを持ったり、重労働をしないことや床に座ったりしないことなど膝に負担をかけない、生活の方法を指導しましょう。