インスピロンの使い方・インスピロンヒーターの使い方

仕事ノウハウ

最初に、インスピロンとはどういうものか紹介します。詳しい使い方を見ていく前に、まずはインスピロンについて理解していきましょう。

インスピロンとは

インスピロンという名称を一般名と勘違いしている方もいます。しかし、インスピロンは日本メディカルネクスト株式会社が製造・販売をしている商標の一つです。一般名称はベンチュリーマスクということになります。インスピロン=ベンチュリーマスクではありませんので、勘違いしないようにしましょう。

また、インスピロンはネブライザー付ベンチュリー装置やネブライザー式酸素供給装置ということもできます。ただ、医療の現場では「インスピロン」や「インスピロンネブライザー」と呼ぶことが多いです。

ベンチュリーマスクの仕組み

インスピロンの仕組みについても、よく知らないという方が多いでしょう。通常、私たちは呼吸をすることで酸素を吸入し、二酸化炭素を排出しています。呼吸状態にトラブルが生じた場合、カヌラや酸素マスクを使用して酸素を投与することになります。しかし、これらは酸素の投与量は調整できても、濃度までは調整することができません。

ベンチュリーマスクはダイリューターと呼ばれるアダプターが6種類ついており、吸入する酸素の濃度を24%~50%に調整できます。そのため、安定した酸素濃度を患者さんに供給することができ、正確な酸素の投与管理を行うことができます。しかし、正しい使い方をしなければ安定した酸素投与を行うことができませんので、注意しましょう。

インスピロンの仕組み

ベンチュリーマスクでは、ダイリューター部分の小さな出口より酸素を高圧で流すことでジェット流が生じます。すると、ジェット流周囲が陰圧に変化しで空気が引き込まれます。ベンチュリーマスクに使用されているベンチュリー効果とは、引き込まれた空気と投与している酸素を混合することです。

しかし、ベンチュリーマスクでは常に高圧な期待が患者のもとへ行くため、非常に乾燥しやすいです。インスピロンは加湿機能が付いており、ベンチュリー効果を利用して患者に投与できる酸素濃度を調整しつつ、加湿が必要な場合に使用されます。

インスピロンの適応

インスピロンの使い方・インスピロンヒーターの使い方

インスピロンは誰にでも使用できるわけではありません。インスピロンが適応される患者の特徴を見ていきましょう。

小児

小児の場合、大人と比較して1回換気量が少なく、通常の酸素療法では十分な酸素濃度を確保できない可能性があります。インスピロンは1回換気量に左右されずに酸素を投与することができるため、小児で使用することもあります。

痰の粘調度の高い患者

通常の酸素投与方法では口腔内や気道が乾燥しやすくなります。そのため、痰の粘調度が高くなってしまい、自己喀出や吸引での痰の除去が困難です。先ほども紹介したように、インスピロンには加湿機能がついています。そのため、酸素投与をしながら加湿をすることで痰の粘調度は低下し、痰の喀出が容易となります。

CO2ナルコーシスのリスクのある患者

通常の酸素投与方法で高濃度の酸素を投与すると、慢性呼吸器疾患のある患者さんなどの場合は体内の酸素濃度が上昇し、CO2ナルコーシスに移行する可能性が高いです。インスピロンはベンチュリー効果があるため、酸素濃度が通常の酸素投与方法よりも上昇しにくく、CO2ナルコーシスに移行するリスクを下げることができます。

インスピロン必要物品

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