大動脈解離の看護での観察ポイント|術前/術後/保存的治療

仕事ノウハウ

大動脈解離の特徴

大動脈解離の看護での観察ポイント|術前/術後/保存的治療

大動脈解離は、大動脈の内側の膜が裂けることで血液が壁の内部に流れ込み、中膜と呼ばれる部分が引き咲かれることによって、血管が二重構造になることで起こります。大動脈解離は心筋梗塞と区別することが重要です。

大動脈解離のほとんどの場合が、動脈硬化と高血圧が原因であるため高齢者に起こりやすいという特徴がありますが、マルファン症候群は動脈硬化になっていなくても発症します。

大動脈解離の看護での観察ポイント

大動脈解離は動脈硬化や高血圧が原因で発症します。そのため、看護師は患者の生活習慣や血圧、血液検査などのデータも把握しておくことが大切です。

症状

大動脈解離は発生部位や範囲によって症状はさまざまですが、突然発症するということは部位や範囲に関係なく共通します。患者は急激に強烈な痛みを感じるため、症状が出た時間を覚えていることが多いという特徴もあります。さらに、血液が膜の中に入ってどんどん流れ込み分離の部位が広がるため、痛む場所が移動するという特徴もあります。

スタンフォードA型

スタンフォードA型は発症して48時間以内に破裂を起こしやすいという特徴があります。そのため緊急手術が必要であり、手術は破れやすい上行大動脈を人工血管にする大掛かりな手術を行います。

スタンフォードB型

スタンフォードB型はスタンフォードA型と比べると、すぐに破裂しないことが多いという特徴があります。そのため治療は薬と絶対安静を行います。しかし、スタンフォードB型であっても破裂の兆候である背中の痛みが続き、腹部内臓や下半身への血の流れが悪くなる可能性がある場合は緊急手術を行います。

また、スタンフォードB型はすぐに手術治療の必要がありませんが、数ヶ月~数年で偽腔が広がり破裂する可能性があります。さらに、偽腔が膨らむことで解離性大動脈瘤になることもあるため、それを予防するために解離の原因になっている部分をカテーテルで塞ぐ治療(ステントグラフト治療)を行います。

重症度

大動脈解離は、裂けた部位が血栓で閉じている場合は特に治療を必要とせず経過観察になります。

しかし、裂けた部位が開いたままだと解離が進行してしまう可能性もあるため、注意深く観察をする必要があります。開いた状態だと血栓ができたり、溶解したりを繰り返すためDダイマーの上昇を確認することができます。 このように、裂けている部位が開いているか閉じているかで重症度がかわります。
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