ファロー四徴症の看護計画・術後の看護・ポイント|乳児/小児

仕事ノウハウ

安静を保つ

ファロー四徴症の手術後は、それまでとは血液の流れなどが異なるため、心不全になりやすい状態です。心不全を予防するためには、安静を保つことが大切です。例えば、なるべく啼泣させないように心身を安静に保ったり、疲れにくい遊びを勧める、睡眠を十分にとらせるなどです。

保温

ファロー四徴症の子どもは、全身にうまく血液を流すことができないため、特に新生児は体温を保持できないため低体温になりやすい状態です。そして、低体温が原因で末しょう循環不全などをきっかけに、全身のさまざまな器官の機能不全を引き起こし、心不全を助長させます。

まず、看護師が行う保温できているかの観察ポイントは、定期的に体温と室温のチェックを行います。そして、看護師がこまめに室温の調整や、掛けものやゆたんぽでの体温調節などを行うことが大切です。

安楽な体位を維持する

肩枕や上体挙上して安楽な体位を維持することで、気道確保や肺胞面積を広げて呼吸しやすなり、呼吸困難などの症状が改善されます。看護師は患者の呼吸状態や、チアノーゼの有無などの観察を常に行うことが大切です。

もし、安楽な体位にしても呼吸状態が改善されない場合は、必要に応じて医師に相談をして呼吸状態を改善する方法の指示を仰ぐことが必要です。

水分出納バランス

ファロー四徴症の術後には、水分を過剰に摂取してしまうと循環血液量が増加してしまうため、水分の摂取制限を行います。

また、摂取した水分がしっかりと排泄されているかも観察をします。もし、水分が体にたまってしまうと心臓に負担がかかり呼吸状態が悪くなったり、浮腫などの状態で現れます。看護師は、浮腫や呼吸状態、水分のIN-OUTのバランス、体重の管理をして体内に水分が溜まっていないか観察をすることが大切です。

酸素吸入

看護師が患者の呼吸状態を観察をし、患者が必要な量の酸素を体に取り入れることができていないと判断した場合は、医師に指示を仰ぎ酸素吸入などを行うことが必要です。酸素吸入は患者が新生児や乳幼児のため、酸素テントとネブライザーを使用します。酸素テント内は高温・多湿になりやすいため、看護師は不快にならないように環境調整をすることが大切です。

酸素吸入を行うと、乾燥したり喀痰が出やすくなったりするため、看護師は呼吸状態が悪くらならないように喀痰タッピングなどを行うことが大切です。

ファロー四徴症の乳児の看護

ファロー四徴症の看護計画・術後の看護・ポイント|乳児/小児

乳児が患者の場合、言葉で自分の気持ちを伝えることができないため泣くことで感情を表現したり、ミルクを飲む、自分の遊びたいことで遊んでしまいます。ファロー四徴症の手術前は、活動することに必要な量の酸素を巡らせることができなかったり、手術後は激しく泣くことや、活動量が多い遊びなどが原因で心不全になってしまうこともあります。

そのため、看護師は乳児に対しては、不快な状態にしないこと、泣いた場合は長い間泣かせない、ミルクを飲むときはサチュレーションを気にしながら飲ませるなどを心がけ、常に、乳児を観察することが大切です。 また、看護師は家族にも注意事項や観察のポイント、看護ケアのポイントなどを伝え、家族にも安静を保つことの大切を伝えることが必要です。

ファロー四徴症の小児の看護

ファロー四徴症の看護計画・術後の看護・ポイント|乳児/小児

小児になると、自分の気持ちは言葉にできるようになってくるため、まったく泣かないということはありませんが乳児期よりは泣いて訴えるということは減ってきます。さらに、活動がさらに活発になります。

しかし、小児になってくると看護師や家族から安静にすることの大切さを理解できるようになるため、看護師は幼児でも理解しやすいように説明をしたり、体調が悪いと感じたりしたら看護師や家族に伝えるようにするなど、患者である幼児にも説明をすることが大切です。
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