大動脈解離の看護での観察ポイント|術前/術後/保存的治療

仕事ノウハウ

血圧左右差

高齢者は血圧の左右差が出やすいという特徴があり、その差は10mmhgであれば正常範囲の差です。しかし、15mmhgぐらいの差が出ると危険信号、20mmhg~50mmhgもの差があるととても危険な状態です。看護師は血圧測定をする時には左右差をしっかりと把握することが重要です。

便秘の有無

大動脈解離の原因には高血圧があります。血圧の変動は体を動かしたときや、排便の時に起こります。そのため看護師は、大動脈解離の患者の血圧の変動が小さい状態を維持しながら看護ケアを行っていくことが重要です。

さらに、排便時に力を入れることで血圧は変動をするため、倒れる患者が多いという特徴があります。看護師は患者が便秘になっていないかも観察し、必要に応じて内服などを行いスムーズに排便ができるようにコントロールすることが必要です。

精神的なケア

血圧は体を動かした場合のみに起こるのではなく、精神的な影響も血圧は受けるため、看護師は患者の精神的なケアもしっかりと行っていくことが大切です。例えば、不安がある患者に対しては看護師は話を聞き寄り添って、少しでも不安が軽減されるようにしていくことが必要です。

大動脈解離スタンフォードB型の看護の仕方

大動脈解離は高血圧や動脈硬化が原因で起こり、血管内膜が内側と外側に裂け、そこに血液が流れ込むことで痛みを生じます。看護師は、大動脈解離の原因になっている血圧や、大動脈解離の症状である痛みの観察などを行うことが必要です。

血圧の変動を少なくする

大動脈解離は血圧を観察することが重要です。そのため、看護師は30分~1時間ごとにバイタルサインを観察することが重要です。また、血圧は体を動かしたり不安などの精神的な部分も影響するため、コミュニケーションを取りながら不安を取り除く精神的なケアも行いましょう。

症状の観察

大動脈解離は痛みを伴うため、看護師は痛みの有無や程度、痛む部位も注意深く観察する必要があります。もし、痛みの部位が移動している可能性がある場合などは解離が広がっていることが考えられるため、兆候を見逃さないようにしましょう。

コミュニケーションを取る

患者は大動脈解離になったことで、予後がどうなるかなど不安を抱えています。看護師は患者や家族の不安が軽減できるように、治療や体調の変化などをわかりやすく説明をしたり、不安な心に寄り添って信頼関係を気づいていくことも必要です。

看護師は身体的なケアはもちろん、患者や家族の精神的なケアもすることが求められます。不安や心配事などがあると血圧にも影響をするため、血圧への影響を少なくするためにもしっかりとコミュニケーションを取りましょう。 また、痛みは本人にしかわからない事でもあるため、看護師は日ごろから患者に痛みの程度や部位などを確認することも大切です。

大動脈解離の保存的治療の看護の仕方

大動脈解離は高血圧や動脈硬化が原因で起こります。高血圧や動脈硬化は生活習慣が影響していることもあります。そのため看護師は患者が生活習慣を改善することができるように、指導することが大切です。例えば、高血圧は塩分が原因であるため食生活を改善したり、便秘にならないように食事を気を付けたり、必要であれば内服をすることも方法です。

患者はどのような方法で予後を過ごしていけばいいのか知識がないため、看護師は患者や家族が理解しやすいように説明することを心がけましょう。

大動脈解離の術前・術後の看護の仕方

大動脈解離の術前の看護は、まずは血圧の管理を行います。看護師は血圧の変動をしっかりと観察をし、血圧の変動が小さくなるように安静を維持することを指導します。また、痛みの程度や部位の変化なども観察したり、何か変化があれば必ず伝えるように指導することも必要です。

大動脈解離の術後は、術前とほぼ同様の生活を送ることができます。しかし、人工血管は感染に弱いという特徴があります。そのため、看護師は感染しないように気を付けること、感染したらどのような症状があるかなども説明をしましょう。
タイトルとURLをコピーしました