【男女別】ネアンデルタール人の外見の特徴と知能|身長
姿勢
かつての復元から、ネアンデルタール人は前かがみになって歩いていたとされていました。しかしその後の研究から、前かがみでは頭が不安定になる形状をしているということがわかり、直立歩行をしていたと考えられるようになりました。
ネアンデルタール人の知能の特徴
石器の使用
ネアンデルタール人は、石を打ち欠いて作ったかけらを利用した石器を使用していました。かけらの大きさにより多種の石器を作っていたのですが、飛び道具は作っていなかったのが特徴です。ネアンデルタール人は、相手が大型で危険であっても手斧や槍などの石器で立ち向かっていたということになります。
火の使用
ヨーロッパの各地にて、数万年前の炉の跡が見つかっています。その年代から、ネアンデルタール人は火を扱っていたという説が主流となっています。前期旧石器時代で火が扱われていたかどうかが賛否両論であることを考えると、ネアンデルタール人の知能がより発達していたということに繋がり、ネアンデルタール人の特徴のひとつと言えるでしょう。
埋葬
フランス南西部の洞窟で発掘されたネアンデルタール人の骨には風化などの痕跡がありませんでした。これは、同じ洞窟から見つかった動物の骨がそうでなかったことから、死者を埋めるという行動をしていたということになります。これはネアンデルタール人の特徴と言えます。
また、ネアンデルタール人の知能の高さを伺わせる特徴的なエピソードとして、花にまつわる話があります。イラクで発掘されたネアンデルタール人の骨の側の土から多数の花粉が発見されました。このことを、花を供えて埋葬したという説があります。「後からまぎれこんだのではないか」などの反論もあるのですが、もし献花であるとしたら死者を悼むという特徴を持っていたということになります。アクセサリー
フランスの洞窟にて、ネアンデルタール人の側頭部とみられる骨と同じ層から、動物の歯や骨、象牙などが見つかっています。それらは指を通せる程度の大きさから紐を通せる程度の小さなものまで、穴が開けられていました。ネアンデルタール人には動物の腱などから紐を作る技術があったと見られているため、これらを身につけていたのではないかと考えられています。
洞窟壁画
ショーヴェ洞窟壁画
フランス南部のショーヴェ洞窟には、約3万2000年前のものとされる、現存する人類最古の絵画であるショーヴェ洞窟壁画があります。その壁画には現在のヨーロッパでは絶滅した動物などが描かれているという特徴があります。ネアンデルタール人は、約40万年前に出現し2万数千年前に絶滅したとされていたため、その年代からこれはネアンデルタール人の手によるものとする研究者もいます。
もしそうであれば、壁画を描く知能という特徴を示すことになりますが、ネアンデルタール人は4万年前に絶滅していたとする新しい学説もあります。こちらの学説が正しいのならば、ショーヴェ洞窟壁画とは年代が合わなくなってしまいます。その他の洞窟壁画
その他の洞窟壁画について、最新の年代測定法による調査が行われました。その結果、一部が4万800年以上前に書かれていたことが判明しました。この結果が正しければ、これらの洞窟壁画はショーヴェ洞窟壁画より古く、ネアンデルタール人によって描かれた可能性が出てきます。
ネアンデルタール人の遺伝子の特徴
ネアンデルタール人の遺伝子
化石からの研究により、ネアンデルタール人の遺伝子についていくつかわかっていることがあります。
メラニン色素の生産に関する遺伝子に関して、色白であり、髪の色は現代の白人にひけをとらないほど多様であったという特徴を持っていたという説があります。色素が少ない肌は紫外線を透過させるのでビタミンDが合成しやすくなるという特徴を持っています。髪の色についてですが、色を左右する遺伝子が欠けていたとする研究結果もあります。 また、顔の筋肉を制御する神経に関する遺伝子からは、現生人類のような発声ができる構造を部分的にせよ持っていたという研究結果があります。このことから、ネアンデルタール人は話せたのではないかという考えがあります。