チェコってどんな国?
チェコという国は、われわれ日本人にとっては、馴染みの薄い国の一つです。チェコ人を見かけたことがあるのは、オリンピックのTV中継の中でだけという人も多いのではないでしょうか。
そんなチェコ人ですが、実は、われわれ日本人とよく似ています。地域によっての違いは若干ありますが、日本人と同じで、シャイで几帳面な国民性です。チェコ人の住環境では、家の中では靴を脱ぐ習慣があり、玄関から中に入るとドアの近くで靴を脱ぎます。 また、チェコのビールの一人あたりの消費量は23年連続で世界一です。チェコではビールの価格が水より安いので、とにかくビールを毎日のように飲んでいます。チェコといえば、ビール、という印象です。では、そんなチェコ人をもっと知るために、チェコの歴史と民族的特徴を見ていきましょう。チェコの歴史
まずは、チェコ人を知るためには、チェコの歴史を紐解いていきましょう。
紀元前5世紀頃に、現在のチェコのある場所は、ボヘミアと呼ばれていました。10世紀頃にはボヘミア王国が設立し、カトリックを信仰するようになりました。その後は、神聖ローマ帝国に事実上の支配を受け、20世紀にチェコスロバキアが独立するまで、ドイツやオーストリアの影響を強く受けました。 現代のチェコという国は1993年にできた、比較的新しい国です。もともとは、チェコ共和国とチェコスロバキアという二つの国から成り立つ、「チェコスロバキア」という国でしたが1993年に「チェコ」と「スロバキア」という二つの国に分離しました。 正式名称は「チェコ共和国」という共和制の国家です。以前は東欧に分類されましたが、最近は中東欧に分類されています。人口は約1,000万人、首都はプラハで公用語はチェコ語です。チェコのルーツは?
4世紀ごろのヨーロッパの地域では、東からフン族という、遊牧民が侵略してきたことをきっかけに、後にゲルマン民族大移動といわれる、インド・ヨーロッパ語族の民族の大移動が始まりました。
大移動したゲルマン民族たちは南下してローマに渡った人達も多くいましたが、元の場所に残った民族は、征服されたりマジャール人やスラブ人たちと混血を繰り返しました。15世紀頃、西スラヴ系のチェック人が現在のチェコにあたる地域に定住し、さらに混血を繰り返すことによって今のチェコ人が生まれました。 現在のチェコ人の9割以上がスラブ系民族のチェコ人で、モラビア人、スロバキア人、ポーランド人、ドイツ人、マジャル人、ロマ人などが居住しています。男女別チェコ人の特徴と性格は?
チェコでは西側半分の地域を「ボヘミア」と呼び、東側半分の地域を「モラヴィア」と呼びますが、この二つの地域でチェコ人の性格や特徴は大きく異なります。
「モラヴィア」出身のチェコ人は日本人に似ており、礼儀正しく几帳面です。シャイな部分もあり、自己主張もそれほど強くはありませんが、「ボヘミア」出身のチェコ人は、他のヨーロッパの地域に共通する、自己主張の強さがあります。 チェコ人はみなビールが好きで、夜になると男女ともバーへ頻繁に行きますので、お酒が強いです。それでは、次は、チェコ人の特徴を男女別に見ていきましょう。男性
チェコ人男性は儀正しく、親切ですが他人のことにあまり関わりません。自分から女性をナンパしたり、知らない人に声をかけたりなどしない人が多いです。かといって、他人に対して気遣いがないというわけではなく、公共の交通機関では、積極的にお年寄りや女性に席を譲るような気配りもできます。
共働きが多いせいか、仕事が終わると家にまっすぐ帰り、家族のために、休日は日曜大工にいそしむというようなマイホームパパが多いですです。女性
チェコ人の女性は美形が多く、共働きも多いせいか、強くハッキリ物を言いますし、一見厳しい態度を取る人が多いです。チェコでは、男性以上に働く女性が多いという印象です。また、お酒の強い女性が多いです。
チェコ出身のスーパーモデルで女優として有名なのは、リトヴィーノフや、エヴァ・ハーウィゴヴァなどがあげられます。1990年代はシンディ・クルフォードやナオミ・キャンベルと同じ舞台でスーパーモデルとして活躍していました。チェコ人の顔の特徴
それでは、そんなチェコ人の顔の特徴を見ていきましょう。
美人が多い国?
混血が進んだ地域には美人が多いというのはよく言われることですが、ヨーロッパの中央に位置するため、古くから混血を重ねてきたチェコ人の女性には、モデルのような絶世の美女が多いことは有名です。
顔が小さく、9頭身もある細身の美女たちがチェコ人にはたくさんいるという印象です。しかし、青い目の金髪美人、というのは少なく黒髪や濃い色の瞳の人がほとんどです。イケメン
男女ともに美形の多いチェコ人には、イケメンもたくさんいます。2014年のミスターインターナショナルでは、チェコの 代表の男性が3位に輝いたこともあります。
薄毛が多い?
チェコ人の男性は残念なことに、若くして薄毛になってしまう人がいます。しかし、そのようなことがとても多いため、彼らは薄毛であることをそれほど気にしません。そこが日本とは違う所ですので、あまり周囲が気を遣う必要もありません。
チェコ人との結婚生活
それはでチェコ人と結婚した場合の結婚生活はどのようなものになるのでしょうか。
チェコの気候と言語
まずはチェコ人と結婚して、チェコに住むことになった場合、一番気になるのは気候の問題でしょう。チェコの気候は、日本と同じような四季のある気候です。
驚くことに春夏秋冬という季節のサイクルは、日本とほぼ同じです。4月~5月は春になり、マロニエやライラックなどの美しい花々が咲きます。6月~8月は初夏から夏になりますが、梅雨はありません。 9月~10月は秋で、日本と同じように木々が紅葉します。1月~3月は冬となり、雪も多く降ります。 気候の面を考えると私たち日本人にとっては、チェコは住みやすい国と言えるかも知れません。また、チェコの国土の大きさは、日本の5分の1ほどしかありません。これは九州と同じくらいの大きさです。チェコ人と結婚した場合の名前は複雑?
日本人女性がチェコ人の男性と結婚する場合は、夫婦別姓にする場合は特に問題はありません。子供ができた時に家族の姓が全員同じでないなどの問題はありますが、それはどこの国でも同じです。
しかし夫の姓を名乗る選択をした場合は、少し複雑な問題が生じてきます。実はチェコでは姓にも男女の型があるためです。姓における男女の型、というのはたとえば夫の姓が、ノバーク(Novák)という男性の名前でしたら、妻の姓はノバーコバー(Nováková)のように、語尾が変化する形になります。日本の感覚でいうと、違う苗字にのようになってしまう感じです。 チェコで女性が男性型の姓を名乗っていると、違和感があり不思議がられてしまいますが、日本の戸籍では妻と夫の姓は、原則同じでなければならない。という問題も出てきます。チェコ人の宗教や家庭生活
チェコ人の宗教は15世紀のフス戦争と呼ばれる、血なまぐさい宗教戦争 をきっかけに無宗教者が7割以上という多さです。そのため、カトリック教会が火葬を認めています。ヨーロッパではイギリスの次に火葬率が高いと言われている国です。
基本的にはカトリックの国なのですが、宗教にこだわりのない人が多いというのは、日本と似ていて親近感が持てます。 また、チェコはビールの一人あたりの消費量が世界一の国です。チェコ人は、他のお酒はあまり飲まずとにかくビールを水みたいに飲んでいる印象です。結婚した場合は、ビールを毎日飲むことになるかも知れません。 チェコ人の男性は家族と一緒の休日を楽しみ、何をするのもどこに出かけるのも、家族と一緒という家庭的な男性がほとんどです。結婚すれば、良きマイホームパパになることは間違いないでしょう。離婚率60%
その一方では、チェコでは離婚率も高いです。これは共稼ぎも多いため、女性が離婚しても生活に不自由しないことが理由かも知れませんが、原因は定かではありません。恋愛が進むペースはゆっくりなのに、離婚率は60パーセントもあるということは、熱しにくく、冷めやすい国民性ということになるのでしょうか。
チェコ人との恋愛の仕方
チェコ人の恋愛ペースは一般的には遅いことが多く、ゆっくりと愛をはぐくみ、安定した恋愛ができることが多いでしよう。カップルや夫婦になると、休日も多くの友人や家族の集まりなどには一緒に参加して、大勢で楽しむというオープンな関係を築いていきます。
チェコ人は、男性も女性も、日本人と同じようにシャイで几帳面な人が多いので、チェコ人と恋愛する場合は、相手のペースに合わせてしっかりとした絆を徐々に作り出していきましょう。チェコ人に多い名前
チェコ人の姓は、語尾が男性と女性で変わるという法則があります。チェコで最も多い苗字は、Novák/Nováková(ノヴァク)(ノバーコバー)です。「新しい男・女」という意味になります。
ノヴァクが男性型で、ノバコーバーが女性型になりますので、例えばノヴァクという男性と結婚して、夫婦同姓を選択した女性の苗字は、ノバコーバーとなります。婚姻の際には複雑な問題もありますが、外国人に限っては、女性でも男性型の苗字を名乗ることもできます。有名なチェコ人
それではチェコで有名な人はどのような人達がいるのでしょうか。
音楽家
チェコの首都プラハは、ここを拠点とするチェコ・フィルハーモニー管弦楽団など、長い歴史を持つオーケストラもある、世界的な音楽都市です。
チェコ人の音楽家には、「モルダウ」で有名なスメタナ(1824~1884年)と、日本でも有名な「新世界より」のアントニン・ドヴォルザーク(1848~1904年)などがいます。どちらも、チェコのクラシック音楽の礎を築いた、重要人物です。日本と似ている国
9000キロ以上も離れた、ヨーロッパの国であるチェコが、日本と似た国だとはきっと誰も想像できないでしょう。しかしシャイで几帳面なチェコ人の国民性や、日本と同じサイクルで、美しい四季のある国だということ、それだけでもずいぶんと親近感がわくのではないでしょうか。
さらに、日本と同じように、無宗教な人が多いというのも、ヨーロッパの中では珍しいのではないでしょうか。一見して人種も言語も全く日本とは違うチェコですが、実は日本に似ている国なのかも知れません。