宗教にはまる事は悪い事?
宗教に入る、信仰を持つことは悪い事ではありません。宗教とは、人の力や自然の力を超えた「何か」を中心にとする観念の事です。その観念に基づいて、道徳や倫理、礼儀作法があり、果てはそれが文化となり「社会」となっています。
無宗教と言われている日本でも、それは例外ではありません。あまりにも生活に沁みついてしまっていて、それが「宗教的な習慣」だと気づきません。例えば「目上の人には、敬語をつかう」というのも、元をたどれば仏教的な考えだったりします。 また、国の法律そのものが宗教的である国も珍しくなく、特定の宗教を持たない日本の方が世界的に見ると珍しい国です。では、日本ではなぜ宗教に嫌悪感を抱く人が多いのかというと、宗教を悪用している人がいるからです。 宗教を利用して人を操り、お金を巻き上げて私腹を肥やす詐欺師の事件が、ワイドショーなどでも取り上げられるため、宗教に対して悪いイメージを持つ人が多いです。そして、そんな悪い宗教にはまる人は「勧誘がものすごくしつこい」という特徴も、宗教嫌いを誘発してしまうのでしょう。カルト宗教が起こした事件
「カルト」というのは正式な名称ではなく、犯罪的・反社会的な組織に対する俗称です。社会的に悪い行動を起こす宗教を「カルト宗教」と言います。悪魔や悪霊が取り付いていると称して、除霊するために高額な商品を売りつけたり、儀式の費用を巻き上げたり、果ては監禁して暴行を加え、殺人にまで発展してしまう事もあります。
国内であった大きな事件ですと、1990年代に世間を震撼させたオウム真理教事件です。修行中に起こった死亡事故を隠蔽したり、教団から抜けようとした信者を殺害したりは序の口です。最終的には武器を集めて薬品を開発し、通勤ラッシュの地下鉄でバラまいた「地下鉄サリン事件」を引き起こします。 国外に目をむけると、さらに大きな事件を引き起こすカルト宗教もあり、ISISも広義でカルト宗教と言えるでしょう。では、なぜそんなカルト宗教にはまる人がいるのでしょう。カルト宗教にはまる人に特徴はあるのでしょうか。宗教にはまる人の心理学的な特徴
人を信じやすい人がはまるのか?
カルト宗教にはまる人は、どんな特徴があるかと考えると、まず「他人の言うことをなんでも信じてしまう人」という特徴をあげる事ができます。では、人を信じなければいいのかというわけでもありません。
「人を信じる」という事は、本来ならばとても難しい事です。根本的に「自立している人」しか人を信じるというステップには入れません。自分の考え方がしっかりある人が、他人の考えを理解し、受け入れて初めて「人を信じる人」となります。自我が未熟なまま、他人を理解し受け入れようとすると、たちまちその他人の色に染まってしまいます。 まだ自我の形成が未熟だったり、ショッキングな事が起こって判断力を失ってしまった時に、耳障りの良い言葉で救いの手を差し伸べてきたら、思わずその手を取ってしまう事もあるでしょう。本来の宗教ならば、それは本当に人生の指針となるでしょうが、悪意のあるカルト宗教だったら、逆に人生を壊されてしまいます。