イルカは地震で打ち上げられるって本当?
イルカが数匹、岸に打ち上げられたといニュースが放送されることがあります。1頭ならまだしも、複数となると真っ先に地震が起こるのではないかと言われていますが、本当にイルカには地震予知能力があるのでしょうか。今回はイルカには本当に地震予知能力があるのかについて解説していきます。
イルカが座礁する理由とは?
イルカが集団で座礁する理由について、詳細は解明されていません。しかしその原因としていくつかの仮説が立てられています。どの仮説も実際に起こったことのあるものですが、集団で座礁する理由となりうるのかは、議論されています。
超音波によってイルカのセンサーが妨害される?
イルカは水中で超音波や磁波などを利用して、周囲の状況を確認しています。この超音波や磁波が妨害されることでイルカは泳いでいる方向すらわからなくなってしまいます。イルカが集団でいるときに、センサーとなる超音波や磁波を妨害されれば、1頭ではなくその場にいるイルカ全てが妨害されることになるので、集団座礁の原因の可能性としてはかなり高いと言えます。
イルカの超音波を妨害するものには海岸の地形や、潜水艦のソナーで使用されている低周波、オーロラによる磁気嵐でなどが挙げられています。ソナーに関しては実際に、2000年にアメリカ海軍がソナーの実験をバハマ沖で集中的に行ったときに、1頭のイルカと16頭のクジラが座礁しています。外敵に襲われ浅瀬に逃げ込んだ?
サメやシャチなどに襲われ、逃げるために浅瀬に逃げ込んでしまい座礁してしまったという説です。イルカはサメ・シャチといった肉食性の海洋生物に襲われ、食べられてしまいます。
そのため、サメやシャチから必死で逃げているうちに浅瀬に入り込んでしまい、そのまま打ち上げられてしまったというのですが、この場合イルカのセンサーは正常に働いているので周囲の地形を無視して浅瀬に逃げ込む可能性は低いと言えるのではないでしょうか。そのため集団で座礁する理由として、外敵から逃げるために浅瀬に逃げ込むというのは少し考えにくいです。寄生虫が原因でパニックを起こした?
主に魚類に寄生しているアニサキスという寄生虫をご存知でしょうか。アニサキスは普段寄生している魚やイカなどの内臓に潜んでいますが、宿主が死ぬと筋肉に移動します。人間が間違って刺身などと一緒に食べてしまったときには、アニサキスが胃壁や腸壁に穴を開けようとし、胃腸炎を起こして激しい腹痛に見舞われます。
このアニサキスという寄生虫ですが、魚類を食べるイルカにも寄生していることが多いです。過去に座礁したイルカの内耳や外耳から、アニサキスが見つかったということがあります。そのため、イルカに寄生しているアニサキスがイルカの超音波によるセンサー機能を狂わせたため座礁したのではないかと言われています。自然淘汰による集団座礁
これは憶測の域を出ない仮説ですが、イルカの数が一定数以上になってしまったため、ストレスがかかってしまったという説です。数が増えすぎたために、集団座礁をすることで、種の数を一定数に保つという説ですが、さすがにこれが原因と断定するのは難しいでしょう。