イルカと地震の関係|打ち上げられるのか/予知できるのか
イルカが地震を予知できるのか、結論から言うと微妙なところです。どうしてかというと、イルカの集団座礁が100%地震の前に起きているとは限らないからです。座礁した数が多ければ多いほど、大きな地震が起きる前兆と騒がれていますが、実際に打ち上げられても地震が起きないことのほうが多いです。
イルカはとても賢い生物ですし、超音波や磁波などで水中の障害物などを感知するという人間にはない能力がありますが、イルカに地震の予知能力があるとは言い難いでしょう。イルカと地震は関係がある?
水中で生活しているイルカが地震の影響を受けるのだとしたら、古くから地震魚として知られているリュウグウノツカイのような深海魚や、他の海洋生物も毎回なんらかの影響を受けるはずです。
イルカの集団座礁で地震が来るというのは、古くからの迷信にもあります。海中で暮らすイルカが、地震前になんらかの磁波の影響を受けているということも考えられますが、イルカと地震の関係はかなり薄いと言えます。日本の地震は1年間にどれだけあるの?
イルカの座礁は年間で300頭ほど打ち上げられていると言われています。しかしそのほとんどは1頭での座礁で、集団座礁となるとかなり回数が少ないです。それに対し、日本で1年間に起きている地震は、震度4以上のものだけでも1000回以上と言われています。この差を考えると、やはりイルカと地震の因果関係はないと言えます。
イルカが地震で影響を受けた実例をご紹介!
イルカが地震の影響を受けたと思われる集団座礁は、その数が多く時々テレビのニュースでも報道されます。この現象に関しては日本だけでなく、世界各地で起こっています。ここでイルカが地震の影響を受けたと思われる座礁事件をご紹介しましょう。
大洗で3.11前にイルカが座礁している!
実際に日本で地震前にイルカが集団で座礁したことがあります。2011年3月4日、鹿嶋市と大洗にある鹿島灘にカズハゴンドウが52頭打ち上げられています。この1週間後の3月11日に、東日本大震災が起こっています。
茨城以外にもイルカが打ち上げられている
イルカは茨城県以外でも、地震前に打ち上げられている事例があります。2001年3月10日には鹿児島県でカズハゴンドウが171頭座礁しています。そしてこの2週間後、24日に広島県で震度6弱の芸予地震が発生しています。
千葉県では2006年1月23日にカズハゴンドウが26頭、そして2月28日に67頭打ち上げられるということがりましたが、同年4月21日に震度4の伊豆半島東方沖地震が起こっています。ニュージーランドでも地震前にイルカが打ち上げられる!
死者185人(うち28人が日本人)を出した、ニュージーランドのクライストチャーチ大地震は、2011年2月20日に起こり、マグニチュード6.1を記録しています。この地震発生の2日前にニュージーランドの南部にあるスチュワート島にゴンドウクジラが107頭打ち上げられています。
ゴンドウクジラは名前上はクジラとなっていますが、分類学上ではマイルカ科に分けられています。