うっ血性心不全の看護の方法・観察項目|高齢者/呼吸困難

仕事ノウハウ

うっ血性心不全の症状

うっ血性心不全は「右心不全」と「左心不全」の2種類があります。

左心不全

左心不全は、左新機能が低下することで左心拍出量が低下します。しかし、左心室拡張終期圧、左心房圧、肺静脈圧が上昇することで肺がうっ血することで左心不全になります。また、左心不全になることで右心不全を併発し、肺高血圧の状態になります。

左心不全の症状

左心不全の症状は、労作時の呼吸困難や血性泡末痰、湿性ラ音などです。これらの症状は肺水腫が原因で起こります。また、心拍出量が低下することで、血圧が低下したり、頻脈やチアノーゼなどが出たり、さらに、各臓器への血液が不足することで、全身倦怠感、四肢冷感などの症状が出ます。

右心不全

右心不全は左心不全が原因で起こることもありますが、まず右心機能が低下することで右心拍出量が低下します。しかし、右心房圧、中心静脈圧、全身の静脈圧が上昇することで体静脈うっ血の状態になり右心不全になります。

右心不全の症状

右心不全の症状は、頚動脈の怒張や下肢の浮腫、腹水、肝腫大などが出ます。

うっ血性心不全の看護の方法

うっ血性心不全の看護の方法・観察項目|高齢者/呼吸困難

うっ血性心不全の看護は他の疾患と同じように基本的な看護の方法はありますが、患者のうっ血性心不全の状態などによって、患者に合わせた看護を行っていくことが大切です。

高齢者

高齢者の場合は、加齢による影響で心臓の機能や筋肉が衰えてしまいます。そのため、うっ血性心不全を発症すると繰り返しやすくなってしまうため、症状を進行させないためにも自己管理が重要です。例えば、塩分を控えたり、水分の過剰摂取に注意をする、適度な運動、内服を確実にするなどの自己管理を行うことが必要です。

しかし、高齢者は味覚が後退すため料理が味が濃くなったしまったり、動くことが億劫になることで活動量が低下したりするため、家族などの看護を行う人が適切に支援することも自己管理を確実に行う一つの方法です。自己管理を行う時には、高齢者の体調や安全面に留意をしながら、看護支援をすることが大切です。

呼吸困難

うっ血性心不全になると呼吸が苦しくなります。そのため、呼吸困難時の看護の方法は、起座位やファウラー位になることです。起座位やファウラー位になることで、右心に戻る静脈血が減少し、肺のうっ血は軽減します。また、起座位になることで横隔膜は下がりやすくなるため、呼吸運動がスムーズになるため換気量は増加します。

酸素療法と気道の浄化

うっ血性心不全になると呼吸面積が減少したり、換気・拡散障害によって呼吸困難になるため、呼吸困難を改善するために酸素吸入を行います。しかし、PaCO2が上昇している時に高濃度の酸素投与を実施すると、CO2ナルコーシスを引き起こす可能性があるため注意することが必要です。

また、肺のうっ血が強く肺水腫になっている場合は、人工呼吸器を使用していることもあります。人工呼吸器を使用していると、口腔内はとても乾燥しているため、咳や喀痰の排出を行って気道浄化を行い、換気障害をできるだけ少なくするように援助を行います。

うっ血性心不全の看護の観察項目

うっ血性心不全は浮腫むため、水分量などを観察します。看護師は浮腫や尿量などの情報を把握しましょう。また、浮腫みを改善するマッサージなども知っておくことで、浮腫みを軽減することができます。

尿量の観察

尿量を把握することで、輸液量を調整するための目安になります。患者の入院前の正確な尿量はわかりません。そのため、看護師は日常生活でのトイレの回数などを患者や家族から聞き、大体の量を予測することになります。

また、入院中は重症な患者に対しては尿道カテーテルで確実に尿を採取し、1時間ごとに尿量を計測します。

浮腫を観察

看護師は浮腫の有無や程度などを観察することが大切です。浮腫は四肢に表れやすいですが、脇腹などの体幹まで浮腫むことがあります。そのため看護師は患者の全身をしっかりと観察しましょう。

浮腫があると言うことは、十分に尿が排出されていないと言うことになります。看護師は、浮腫を観察する時は、尿量も合わせて観察することが大切です。
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