退院調整看護師になるには・必要な資格・役割

仕事ノウハウ

退院調整看護師の必要性

退院調整看護師になるには・必要な資格・役割

退院調整看護師という名称は、実は現役看護師の間でもあまり知られていません。しかし、実際に業務をしていて「誰かに退院調整してほしい」と思う看護師は少なくないはずです。というのも、昨今は蘇生技術がより高度になり助かる確率が上がったことは、非常に望ましいことです。しかし、相対して後遺症や継続治療などを残したまま急性期を過ぎて退院を迫られる方も増えています。

十分なマンパワーがあって、家族との折り合いもよく後遺症や継続治療も受け入れてくれるのであれば、十分な退院指導に熱も入ります。しかし、今は少子高齢化と核家族化で介護が必要な状態になると受け入れられない、という家族もかなり増えました。結果、急性期を過ぎたもののどこへ退院するのか、が現場では日々問題になっています。 受け入れ側としても、状況や環境により受け入れられない場合と、気持ちの問題で受け入れ困難な場合とケースバイケースです。よって、一人一人丁寧に対応できれば最も良い退院調整ができると思いつつ、現場の看護師にはその時間が無いのが現状です。 また、2016年の診療報酬改定でも、「退院調整加算」が「退院支援加算」と変更され、入院早期から退院調整を計画的に行い、その退院支援計画に基づいてスムーズな退院ができた場合に算定できるようになりました。それにより、病院施設側も退院調整に熱心になってきた現状があります。 そこで、時代の必要に駆られて登場したのが「退院調整看護師」ということになります。

退院調整看護師に必要な資格

退院調整看護師になるには・必要な資格・役割

退院調整看護師として活躍するには、現在は日本看護協会の認定看護師や専門看護師の資格制度のようなものはありません。各都道府県の看護協会の研修や、訪問看護師関連で講習が開かれています。

各都道府県の看護協会による研修

現在各都道府県の看護協会により、退院調整看護師の要請のための研修が定期的に行われています。多くは3日間程度の講習を受ける退院調整看護師育成コース、養成研修などです。

全日程を受講できることと、今現在退院支援や調整に携わっていることなどが最低条件という自治体がほとんどです。他には、実務経験5年以上などの限りがある自治体もあります。しかし、出席するのに多くの資格が必要なことはほとんどありません。自治体看護協会の非会員でも参加できることが多いですが、受講料には開きがあることが多いでしょう。 研修終了時に「修了証書」「受講証明書」などの証明書をもらい、「退院調整看護師」の名称を名乗れるようになります。

全国訪問看護事業協会の講習

訪問看護師の観点からも、退院調整看護師の研修があります。自宅を訪問している看護師の立場から、入院前から始まる退院支援など、医療機関との連携方法を中心とした内容です。

施設によっては、退院調整看護師の役割を訪問看護師が行う医療機関もあります。
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