年金の納付を放置していたら差し押さえられた!
国民年金の未納が財産の差し押さえの対象となることをご存知の方は意外と少ないようですが、国民年金保険は住民税や所得税などの税金と同様に、強制的に徴収できるシステムの中に組み込まれた税金です。ですから、放置していたらまず銀行預金口座から差し押さえられます。ただし、これら差し押さえの対象は年収によって異なってきますので、注意が必要です。
国民年金の徴収は年々厳しくなっている
以前は、国民年金の徴収はそこまで厳しいものではありませんでした。しかし現在では、民間の会社に委託して徴収を強化するなど、未納者への対応はかなり厳しいものとなりつつあります。さらに、年収が低い人からも強制的に徴収していくシステムを組み込むなど、かなり厳しくなりつつあるのが現状です。
ですから、数年前までは年金を未納していても何の問題もなかった人が、ある日突然預金口座を差し押さえられてしまうことが発生します。2014年までの年金未納者による差し押さえの対象者は、年間の所得金額が400万円の人でしたが、2017年現在では300万円の人まで差し押さえ対象者のハードルが下がっています。どのくらい放置したら差し押さえられる?
以前では未納期間が多少長くても、突然の差し押さえの対象とはなりにくく、猶予がありましたが現在では異なってきています。2017年までは13カ月間の年金未納者に対して差し押さえの対象となりましたが、2018年からは状況が変わってきています。2018年の年金差し押さえ対象者は、年間所得300万で7カ月の年金の滞納が認められた人が差し押さえの対象者となります。
これは以前が13カ月だったのに対し、かなり厳しい処置となっています。実際、2018年に入った現在においても、年金の徴収率は60%前後と低い状態のままとなっている現状に対し、高齢者が増え年金の受給が拡大していることが原因と考えられます。年度 | 年間所得 | 未納期間 |
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2014年度 | 400万円 | 13か月 |
2015年度 | 400万円 | 7か月 |
2017年度 | 300万円 | 13か月 |
2018年度 | 300万円 | 7か月 |
年金払ってないけど差し押さえされる?
まず、現在未納の人は納付できるなら、過去の分からでも納付しましょう。年金は過去5年前までさかのぼって支払うことができます。過去の分を払う余裕がないとしても、滞納している分で督促などが来ている期間のものがあるなら、そこから支払いましょう。年金の差し押さえのシステムは平成15年度から始まった制度です。それから年々厳しく徴収している傾向があります。
では、差し押さえまでの手順を具体的に見ていきましょう。特別催告状が届く
未納の状態を放置し続けると、特別催告状というものが届きます。これは督促状の一種ですが、差し押さえ対象者を確認する役割も担っています。特別催告状には、「もし納付できないような状況になるなら年金事務所は相談にのります。さまざまな方法で年金の納付を猶予することができます。」と書かれています。
しかし、この勧告を無視して放置している未納者は、悪質な未納者と判断される可能性が出てきます。つまり、この特別催告状が届いた段階では、まだ差し押さえ対象とはなっていません。このまま放置すると将来的に差し押さえの対象者になってしまいますよ、という通告の手紙です。最終催告状がくる
この特別催告状を無視し続けると、最終催告状というものが届きます。この段階になると、年金事務所としては悪質な未納者であると認識します。特別催告状が届いている間は、まだ年金の納付に関して、免除や猶予の申請をすることは可能でしたが、最終催告状が届いてしまうと、免除や猶予の申請が難しくなる可能性があります。
もし手元に最終催告状が届いてしまったら、年金事務所へ出向き、誠実な態度で分割や猶予に応じてくれるかを相談する必要があるでしょう。督促状が届く
この段階になると、未納者の預金口座や給与や会社の情報などは全て調査されています。場合によっては会社での取引先などの詳しい情報や資産、不動産などに関しても調査されているでしょう。つまり、この督促状が届く未納者は、年金を払う能力があるにも関わらず、支払わない、という悪質な未納者としてとして判断されたということです。
この督促状に記載された支払期限までに納付ができなかった場合、滞納された年金には利息が発生してきます。この金利は最大で14.6%となりますので、ちょっとしたカードローン並みの高い利率となってきます。督促状が届いても手元にお金がなく、支払いが難しい状態であれば、金利の低いキャッシングなどをしても支払うことをおすすめします。差し押さえ予告が届く
督促状が届いてもまだ無視を続けていると、差し押さえ予告というものが届きます。これは、年金未納者本人だけではなく、同居の家族などの資産調査や預金口座などの調査もされている状態となります。年金の未納の責任は同居の家族などにも連帯責任としてかぶってきます。
ですから、差し押さえ対象者本人だけではなく、その周辺家族の預金口座や資産も差し押さえの対象となります。