湿布の効果と時間|さまざまな湿布/腰痛/筋肉痛

ヘルスケア

はがす時にひっぱらないことは、皮膚への負担を軽減させるための工夫です。テープを皮膚に貼りつけてからひっぱってはがしてみると分かりますが、皮膚がテープに引っ張られる感覚があります。その感覚こそが、皮膚への負担なのです。プラスター剤の湿布は特に注意が必要で、はがす時には押さえながらゆっくりとはがしていくと良いでしょう。

また、はがす時には毛の流れに沿ってはがすと比較的にですが痛みが軽くなります。湿布を貼った部分に生えている量にもよりますが、毛並みに沿った方がはがしやすいとされます。腕や脚に関しては、指先に向けてはがすと良いそうです。押さえながらゆっくりはがすことと共に、試してみると良いでしょう。

日本は湿布を好む国?

アメリカと日本の違い

日本では湿布で緩和させようとする症状を、アメリカでは痛み止め用の飲み薬で緩和させます。湿布は英語で「poultice」や「wet compress(濡れた布/包帯)」と言われ、日本よりも使用頻度がかなり低いそうです。

では、なぜ日本では飲み薬を用いないのでしょう。その疑問の答えとなる理由には「飲み薬への抵抗感」と「膏薬と貼り薬の文化」が挙げられます。日本人は飲み薬に抵抗を覚える人が多く、「できれば飲みたくない」と考える人が多いとされます。そのことに加えて、「副作用が心配」という方も多いです。 膏薬文化と貼り薬文化は日本に古くから根付くもので、膏薬(こうやく)というのは軟膏のように塗るタイプの薬を指します。塗る治療や貼る治療に慣れているということもありますが、飲んで体内に入れる飲み薬よりも塗ったり貼ったりで皮膚表面に見える方が安心するのでしょう。

どちらが良いとは言い切れませんが、血中濃度が高くなるのは飲み薬の方です。体内に入り、胃腸で消化吸収されると全身に作用が行き渡ります。

全身が痛い場合には有用ですが、部分的に痛い場合は湿布が向いています。ただ、薬物の血中濃度が高くなると毒素排出で大いに活躍する腎臓などの臓器に負担がかかるので、腎臓などの機能低下がみられる方は、飲み薬を避けるべきです。 湿布は血中濃度に影響がほとんどなく、貼った部分にのみ作用を与えます。全身が痛い場合はたくさんの湿布を貼ることになるため、皮膚への負担や経済的な消費面を考えるとおすすめできません。部分的な痛みがある時や腎臓などが弱い方には向きますが、正確な判断ができるのは医師なので相談してみると良いでしょう。

さまざまな湿布の効果と時間

湿布薬

湿布薬とは、塗るタイプのことです。塗るタイプには軟膏・ゲル・クリームがあるため、ニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。一般的には軟膏タイプが多く、スティック状で塗るタイプもあります。スティック状の製品は普及度が高く、「家にある」という方も少なくないようです。

製品によって塗りやすさ、作用の度合い、香りなどが異なります。スティック状は手に付着せずに使用できることがメリットですが衣類に付着したり垂れてくることがあるため、製品選びではどのような製品なのかをきちんとチェックすることが大事です。

ひまし油

ひまし油湿布、というものを知っていますか。これは治療家エドガー・ケイシーが考案したケイシー治療に取り入れられている方法で、ひまし油の良さに注目したケイシーが編み出した湿布です。

ひまし油はトウゴマから作られており、日本でも至る所に自生している植物です。毒素排出効果が高いことで知られており、ひまし油湿布によってアンチエイジング・ダイエット・便秘改善・アレルギー改善・リンパ循環の改善・婦人科系疾患などの効果を得ることができるとされます。

ひまし油湿布を行うにあたり必要なものは、ひまし油・ネル布(3~4枚)・重曹・オリーブオイル・汚れても良いタオル・オイルシート(サランラップでも可)・温熱ヒーター(カイロや湯たんぽでも可)です。オリーブオイルはケイシー療法に基づいて最後に飲むために用いるだけなので、あっても無くても良いでしょう。

続いて、行う順序について説明します。まず、オイルシート(またはサランラップ)に3~4枚のネル布を量ねて全体的にひまし油をかけます。ひまし油で全体が濡れたら、右助骨下にかぶせましょう。上からカイロなどで温め、1時間~1時間半待機です。待機時間を終えたら、重曹を溶かしたお湯にタオルを浸して湿布部分を拭きます。 待機時間終了後、シャワーを浴びる場合は重曹を湿布部分に擦りつけて洗い流しても良いです。重曹をお湯に溶かす時の割合は、お湯1リットルあたり重曹大さじ山盛り2杯です。重曹で拭き取る理由は、体内から排出された毒素(活性酸素)を中和するためと言われます。 オリーブオイルの飲む場合は、湿布の工程が全て終了した後に飲みます。量は、1回小さじ2杯が目安です。

ひまし油湿布を行う時には、サイクルを守る必要があります。3日間ひまし油湿布を行ったら、4日休みましょう。これを3週間行った後、1週間休みます。1ヶ月4週間で考えると、3週目までは月曜日~水曜日まで湿布を行い、木曜日~日曜日まで湿布しません。そして第4週目は、全く湿布しない期間とします。

生姜

生姜湿布は新聞にも取り上げられたことがある方法で、手当て法と呼ばれる伝統医学とされます。手当て法はその名の通り手を当てることであり、現代医学による注射・手術・薬物治療に頼らない昔ながらの医療です。

生姜湿布が効くとされているのは、神経痛・リュウマチ・関節痛・痛風・捻挫・肉離れ・肩こり・冷え性・生理痛・胃腸病・胃潰瘍・虫垂炎・尿道炎・尿路結石・膀胱炎・胆石の痛み・肝硬変・痔疾・助膜・脳軟化症・癌による痛みです。主に胃腸の問題、女性特有の疾患、お腹が痛い、肝臓や腎臓が弱い(または弱って腫れている)、癌、関節の痛みに用いられます。 生姜湿布を行う際に必要なアイテムは、生姜・水・木綿袋かハンカチ・輪ゴム・金属製の洗面器か深鍋・厚めのタオル(2枚)・バスタオル・毛布です。木綿の袋が無い場合は、ハンカチでも問題ありません。洗面器は水を熱くした湯を入れる用なので耐熱容器であれば問題ありませんが、生姜湿布は何回か取り替えるため熱が冷めにくい金属製洗面器の使用をおすすめします。
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