湿布の効果と時間|さまざまな湿布/腰痛/筋肉痛
次は、作り方と順序の説明です。生姜をすりおろしたら、木綿袋(またはハンカチ)に包んで輪ゴムで留めます。沸騰しない程度の湯(70度くらい)を洗面器に入れて、生姜を包んだ木綿袋を湯に浸けます。湯に生姜の色が染み出たら、厚めのタオル1枚を湯に浸けて染み込ませましょう。
染み込んだら、ヤケドに注意しながら当てる部分にサイズに合わせて折りたたみます。軽く叩いて熱気を取ってから、湿布として当てます。この時、熱気を取り過ぎないように気をつけてください。熱気が取れ過ぎてぬるくなると、感覚的にも不快を生む上に効果が半減します。患部に当てる時は、湿布・ビニール・バスタオル・毛布の順に乗せて保湿力を高めます。 残りの厚めのタオル1枚も上記の方法で生姜湿布にし、1枚目が冷めたところで交換しましょう。生姜湿布は1回につき15分~20分行いますが、何度か生姜湿布を交換する中で湯が冷めてきたら再び70度くらいまで温めてください。症状の程度によって1日1回~3回行いますが、湿布をする前後の入浴は効果が過剰に促進される原因になるため避けましょう。こんにゃく
こんにゃく湿布は、自然療法の1つです。10分茹でて温かくなったこんにゃくをタオルに包み、仰向けに寝てからへその下部や横部分に30分置きます。背中に置く場合は腎臓の部分に乗せるため、肩甲骨の下辺りに置きましょう。同じく、30分ほど待機します。
茹でたこんにゃくは熱いのですが体の状態によって温感が届きにくいことがあるため、タオルを重ねたり薄くしたりで温感調節を行います。こんにゃくの酵素によって毒素排出が促されると言われていますが、それは食べることで得られるという説もあるのです。単純に、温めることによる良い効果が得られる湿布と考えられています。里芋
里芋湿布は、小麦粉と混ぜ合わせて作ります。簡単に作りたい時には、里芋粉という大変便利なアイテムを用いると良いでしょう。効果の確証性は定かになりませんが、捻挫や打撲の緩和効果・神経痛やリウマチの緩和効果・腹水の緩和効果・腫れを抑える効果があると言われています。
生の里芋から作る時は里芋100gあたり小麦粉100gと、生姜20gと天然塩20gを準備します。作り方は、里芋を洗って水を切ったら皮から出ている根(ひげ)が少し焦げるくらい炙りましょう。次に皮を向いてすりおろし、生姜もすりおろして里芋と混ぜます。小麦粉と塩を加えてこねて、3mm~5mm程の厚さの布(キッチンペーパーでも可)とガーゼに乗せて患部に貼ります。 基本的には、就寝時に貼り起床時に取りましょう。注意点としては、へそに入らないようにします。里芋はかゆみが出やすいため、かゆくなりやすい方には不向きです。ジャガイモでも代用できるとされますが、効果は下がります。 通常の湿布と似た効果を持っている里芋湿布ですが、乳腺炎にも効果があると言われています。乳腺で起きる分泌過多によって不調を感じている時に、里芋湿布を行うと良いそうです。しこりが取れるとも言われますが、効果の確証はありません。気になる方は試してみると良いでしょう。小指
小指に湿布を貼ると、さまざまな健康効果が得られると言われています。その効果は数多く、不眠・睡眠時無呼吸症候群・吃音いびき・めまい・早朝高血圧・頭痛・耳鳴り・夜間頻尿・夜尿症・花粉症・皮膚炎・アレルギー性鼻炎・バネ指・手の震え・手のしびれ・口内炎・肩や首のコリ・歯の痛み・知覚過敏・パーキンソン病などがあります。
こうのような効果が現れる理由は、小指の深指屈筋に交感神経の受容体が存在しているからです。自律神経にはリラックスを司る副交感神経と活動や緊張を司る交感神経があり、バランスが保たれることで人は心身共に健康でいることができるのです。 交感神経はストレスを受けることで優位になり、筋肉の緊張を引き起こします。場面に合わせてバランスが戻れば良いのですが、ずっと交感神経が優位になっていると体内機能がちゃんと休むことができないため色々な症状が出てくるでしょう。 小指の受容体は交感神経と繋がっているため、湿布で癒すことによって交感神経が落ち着きます。湿布に用いられているグリセリンという物質が深指屈筋に浸透することで受容体が緩み、交感神経も緩むのです。瞳孔を見ると自律神経の状態が分かり、瞳孔が光に合わせて小さくなるようであれば交感神経と副交感神経のバランスが正常な証とされます。やり方は、7mmくらいに切ったパップ剤の湿布を第一関節と第二関節の間に貼ります。片方の肩が痛い時には痛い方の手の小指に貼り、神経的な緩和を求める場合は両方の手の小指に貼りましょう。パップ剤ははがれやすいので、バンソウコウなど医療用テープで緩めにとめます。効き目は6時間とされるので、1日1回~2回の頻度で貼り換えましょう。
腰痛に対する湿布の効果
急性で腫れている腰痛に対しては、冷温湿布を用います。慢性的な腰痛に対しては、温感湿布を使用します。慢性的な腰痛は湯船に浸かるなどで温めると痛みが和らぐ特徴があるため、その特徴に当てはまる場合は温感湿布を使いましょう。治癒の効果としては冷温共に同じですが、熱を持つ腫れに対しては温めると症状促進になってしまうため冷感を貼るようにします。
筋肉痛に対する湿布の効果
筋肉痛は、マッサージや温浴で緩和させることが勧められています。冷やすと筋肉の血流が悪くなり、回復が遅れるためです。痛みが強くてどうしても湿布の効果を必要とする場合は、温感湿布を貼りましょう。ただ、痛みがひどい場合は肉離れを起こしている可能性があります。湿布を貼る前に検査した方が賢明でしょう。
消費期限が切れた湿布でも効果はある?
湿布は医薬品なので、使用期限が過ぎたら使用してはいけません。使用期限が過ぎたから効果が無いとは言い切れませんが、医薬品の使用ルールとして「使用期限以内の使用」が厳守されます。使用期限を過ぎた医薬品を用いて何か起きたとしても、使用期限内に使い切れる分の医薬品を提供した側を咎めることはできません。
未開封であれば問題ないとも考えられますが、厳守されるルールに基づくと使用しない方が良いです。医薬品は薬品を調合して作られているため、使用期限を過ぎると調合された薬品の性質が変化することもあります。使用期限を過ぎた湿布の効果うんぬんではなく、期限を過ぎたら使用せず、誰にも使用を勧めず、破棄することが最善です。種類豊富な湿布!使い分けて活用しよう
湿布の種類に関して、そこまで気にされる方は少ないでしょう。しかし、種類によってメリットとデメリットがあり、ひまし油湿布などの種類では用いる材料ごとの効果が期待できると言います。
一般的な湿布の効果はどれも大差ありませんが、貼るタイプ・塗るタイプ・温感・冷感・パップ剤・プラスター剤があること、用途に合わせた適切な種類選びが大事であることを忘れないようにしましょう。 こんにゃくなどの湿布による効果は不明確な点もありますが、自然療法に関心がある方にはおすすめの方法です。状態に合った湿布を選び、正しい方法で活用すると良いでしょう。