ダメな社長の特徴・ダメ社長の会社の特徴
ダメ社長がいる会社の特徴
ダメ社長がいる会社の特徴を一言で語るのは難しいです。①ワンマン型、②2代目型、③サラリーマン型に分けて説明いたします。
ワンマン型
ワンマン型社長がダメ社長の場合、その特徴が会社に及ぼす影響は、なんといっても会社の中に社長の顔色ばかり伺う社員が増えることです。こればかりは仕方がありません。なぜなら、社長に反論すれば自分の地位が危なくなるからです。
但し、よく見ると、社長の顔色ばかりを伺う社員ばかりではありません。社長の意思決定をある意味で教師と思い、経営を勉強する社員もいます。次の時代、つまりワンマン経営者が完全に経営から撤退したときに、期待したい人材です。2代目型-ぼんぼん型
2代目社長-ぼんぼん型のダメ社長という特徴が会社に及ぼ影響はふたつあります。ひとつは、市場が安定しているビジネスでは、先代の番頭さんや、やる気のある現場に任せておけばよいケースです。
江戸時代でも、将軍直接統治という時代はそんなに長くはありません。2代目以降、少なからず英明な幕閣がいて、政権を維持していました。 しかし、現在のように、ビジネスが緊迫してくると、配下の社員たちは、トップの一挙手一投足をみているものです。この場合、ぼんぼん型のダメ社長では厳しいでしょう。2代目-創業とは差別化を見せたいと意気込む型
創業の社長の成功を受けて、2代目の登場となります。その際、創業社長の傍らで仕事をしながら、「自分が社長だったら、こうする」というものが芽生えてきます。ここは、ぼんぼん型の社長と違うところです。
しかし、創業社長の経営に慣れた社員に対して、意気込んで変革を叫んでみても、業績がある程度順調な場合は、社員たちは2代目の指示を疎ましく、ある時は冷ややかに見ているものです。ここに組織としての亀裂が入ります。「笛吹けど踊らず」という会社の特徴が形成されます。サラリーマン型
サラリーマン型経営者の場合、どうしても短期志向になるため、社員は目の前の仕事に集中せざるを得ません。「10年後のビジネスを考えて」とかいうと、それ自体は正論ですが、裏では「余計なことをいっほしくない」と言われます。また、短期志向では、キャリアを作っていく姿勢が弱くなります。「今日だけ」の人になり、急激なビジネスの変化に追随していくことはできない企業風土が形成されます。
ダメ社長の特徴が分かるおすすめの本
ダメ社長の特徴が分かるおすすめの本を二冊挙げたいと思います。
会社は頭から腐る 冨山和彦著
多くの企業再生を手掛けた冨山氏教訓は、ダメ社長とその特徴を様々な視点から考えさせてくれる名著です。
よき経営者の姿 伊丹敬之著
「会社は頭から腐る」は、企業経営という視点から経営者を考察する良書であることに対して、この「よき経営者の姿」は、人間として経営者を見て描いたところが優れており、近年、こういう観点から経営者を題材に著作は珍しい良書です。
ダメ社長には誰が見てもダメ社長という特徴がある
世の中にパーフェクトな人などいません。言い換えるならば、人間が全人格を用いて経営者を務める以上、パーフェクトな経営者もいないのです。よって、ダメな社長というのを短絡的に判断してはなりません。まして自分自身の視点で「ダメな社長」と決めつけるのは短絡的すぎます。
但し、現在、更には未来の人からみて、「あの人はダメ社長」と言われる場合は、かなり妥当性があります。 経営者とは、長期の視点に立って、変動する環境に適応、或いは自らその環境を作り出し、配下の社員をその方向に導く役割を担う人です。経営者の役割を簡単に書くと、この2点です。この役割を果たさない社長は、ダメ社長です。ダメ社長の配下で働く社員は本当に気の毒ですが、この機会に社長を見る目を養うのも悪くないでしょう。