交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

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以下では、任意保険基準がどのように計算されているのかを、おおまかに説明しています。ですが、先ほども述べたように、任意保険基準は公開はされていませんので、あくまでも参考までにとどめておいてください。

入通院慰謝料の計算式

裁判(弁護士)基準では、交通事故の入通院慰謝料は「赤い本」などに載っている慰謝料表を参考に慰謝料を算出すると書きました。その慰謝料表は、大体入院期間や通院期間などをもとに計算されています。

任意保険基準も同じく、入院期間や通院期間によって、慰謝料の金額が変わるようになっています。ですが、入院期間が長くても実際の治療日数が少ないと、慰謝料を減額されますので、治療が必要な間は、さぼらずにきちんと病院に通いましょう。金額は、自賠責基準よりも少し多い程度です。

後遺障害慰謝料の計算式

後遺障害慰謝料も、基本的には裁判(弁護士)基準での算出方法と同じく、障害の程度によって決定されます。相場としては、自賠責基準で計算された金額に少し上乗せした金額です。

死亡慰謝料の計算式

死亡慰謝料も、基本的には裁判(弁護士)基準での算出方法と同じく、死亡者が誰なのかによって金額が異なります。ですが、金額は裁判(弁護士)基準の半分程度しかありません。

交通事故の慰謝料の範囲は?

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の入通院慰謝料は、入院期間と通院期間によって決定されます。ですが、入院期間は短かったとしても、その後の通院が長引く、というのはよくある話です。日常生活を送ることはできても、完治するためにリハビリや整骨院に通院すると、通院は思いのほか長引きます。

慰謝料の金額が上がってしまうので、保険会社としては、あまり通院を長引かせたくなくて、リハビリや整骨院への通院を認めない場合もあり、それによりトラブルになってしまうことがあります。慰謝料の請求ができる範囲として整骨院とリハビリが認められるのか、それぞれみてみましょう。

DMK136って?

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DMK136という言葉を聞いたことがありますか。これは、保険会社で使われる法則を表わしています。Dは「打撲」、Mは「むちうち」、Kは「骨折」を指しており、保険会社は、打撲は1カ月、むちうちは3カ月、骨折は6カ月が治療打ち切りの目安、という考えを持っています。

ですが、もちろんそれ以上治療が必要な場合は、その期間を請求して問題ありません。保険会社の中には、通院期間が長引けば長引くほど保険料が高くなるので、それを避けるために治療打ち切りを提案してくるところもあります。ですが、必要な治療であれば、慰謝料は請求できるので、最後までしっかり受診しましょう。 基本的には交通事故の慰謝料の請求ができる期間に制限はありません。ですが、治療内容によっては認められないものもありますので、注意しましょう。

整骨院

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交通事故の後、始めから整骨院に通院する人はほとんどおらず、多くの人が整形外科を受診して治療を受けます。ですが、整形外科に通院しても、怪我の痛みが取れなかったり、他の治療を受けてみたい、となったときに、整骨院へ行くことを考えることになります。

結論としては、整骨院での施術も立派な治療なので、交通事故の慰謝料を請求することができます。ですが、先にも書いたとおり、整骨院の通院については保険会社とのトラブルになることがあるので、整形外科医に相談せずに勝手に整骨院に行くのではなく、整形外科医から「整骨院での施術が必要」という承諾を得てから行くのがおすすめです。

リハビリ

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リハビリも、整骨院と同じく交通事故の慰謝料を請求することができます。ですが、リハビリに関しては少し注意が必要です。

例えば、それ以上症状が改善しない状態になっても、身体の状態を維持するために通院したり、リハビリ後は一時的に身体の調子が良くなるからという理由でリハビリに通ったりすることがあります。この場合、治療費などが認められることもありますが、原則症状がこれ以上改善しない(症状固定)状態での治療費や入通院慰謝料は認められません。 また、リハビリでのマッサージについても注意が必要です。通常、マッサージは症状がある程度緩和されてから行いますので、治療が終了した、と捉えられる可能性があります。リハビリでの施術が慰謝料請求の対象になるのかを、しっかりと判断して受診した方がよさそうです。

交通事故の慰謝料はどうやって請求するの?

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ここまで交通事故の慰謝料の金額の基準や範囲について書いてきました。ですが、そもそも慰謝料をもらうためには、誰に請求したらいいのでしょうか。また、慰謝料は誰が払ってくれるのでしょうか。交通事故の慰謝料をもらうための手続きについてみていきましょう。

慰謝料請求は完治してから

交通事故の慰謝料の金額は、入院期間または通院期間が大きく影響してきます。また、治療の結果、後遺障害として残ってしまった場合には、それも慰謝料増額の対象となります。ですので、慰謝料の請求をするのは、これ以上症状が改善しない(症状固定)、というところまで治療を受けてからにしましょう。

早く慰謝料を受け取りたいからといって、請求を早めると、もらえるべき慰謝料をもらえなくなってしまう可能性があります。慰謝料は原則追加での請求は認められていません。「やっぱりまだ通院必要だった」と言っても、追加で慰謝料が支払われるのは難しいでしょう。

慰謝料請求は保険会社に

医師から症状固定(これ以上は症状が改善しない)の診断を受けたら、一般的に保険会社との示談交渉が始まります。このとき、交通事故の過失割合や慰謝料の金額を提示されます。ですが、この場合の慰謝料は任意保険基準で算出されたものなので、高額な慰謝料をもらうことは見込めません。

もし、任意保険基準での金額に不満があり、裁判(弁護士)基準で算出してもらいたければ、示談交渉を弁護士に任せなければなりません。弁護士が入れば、裁判を起こさなくても弁護士基準の金額が認められる可能性がありますし、もしそこで示談が成立しなければ、裁判に持ち込むことができます。裁判を起こせば、裁判(弁護士)基準の慰謝料を請求できる可能性が非常に高くなります。

慰謝料は自賠責保険・任意保険が負担

基本的に慰謝料は、自賠責保険と任意保険でまかなわれます。ですので、任意保険に加入していなかった場合は、任意保険が担う慰謝料を、加害者自身が負担せざるをえなくなります。いつどこで交通事故を起こしてしまうか分からないので、そのときの備えとして、任意保険に加入しておいた方がよさそうです。

交通事故の慰謝料請求に時効はある?

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の被害者になった場合、慰謝料の請求は怪我が完治または症状固定の状態になってから、と書きましたが、損害賠償請求には時効があります。ですので、その期限内に請求をしなければ、慰謝料をもらうことはできません。

交通事故の状況によって、時効は異なります。交通事故の加害者が分かっている場合、時効は交通事故事故発生日より3年です。ですが、ひき逃げなどで加害者が後から分かった場合は、加害者が分かった日より3年、加害者が分からない場合は、事故発生日より20年の時効です。

通院期間別交通事故の慰謝料の相場

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の慰謝料は、通院期間が大きく影響することは先に書きましたが、では具体的にどれくらい通院したらいくらもらえるのか、その相場をみていきましょう。あくまでも相場ですので、交通事故の状況によって前後します。

慰謝料は「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判(弁護士)基準」のいずれかによって決定されますので、それぞれの計算式で相場がいくらなのかをみていきます。入院期間はゼロの前提です。
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