交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

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通院期間3カ月

通院期間3カ月の場合の慰謝料の相場は以下のとおりです。今回は、通院期間3カ月、治療日数30日の場合で、計算してみました。

自賠責基準

自賠責基準は、慰謝料の計算式が決まっており、その計算によって金額が決定します。計算式は、「実治療日数の2倍」または「通院期間」のいずれか少ない方に、日額4200円をかけた金額となります。

ですので、通院3カ月の場合でも、その治療日数によって、金額が異なります。例えば、3カ月の通院期間中、治療日数が30日の場合は、30日×2×4200円=25万2000円となります。

任意保険基準

任意保険基準は、計算式が非公開ですので、大体の相場しか分かりませんが、通院期間3カ月、治療日数30日の場合、慰謝料は37万8000円程度とされています。

裁判(弁護士)基準

裁判(弁護士)基準は、「赤い本」や「青本」といわれるものに、慰謝料表というのが載っていて、それを参考に慰謝料が決定されます。それによると、通院期間3カ月、治療日数30日の場合、73万円となっています。

通院期間6カ月

通院期間6カ月の場合の慰謝料の相場は以下のとおりです。今回は、通院期間6カ月、治療日数50日の場合で計算してみました。

自賠責基準

自賠責基準は、先にも書いたように、「実治療日数の2倍」または「通院期間」のいずれか少ない方に、日額4200円をかけて計算されます。今回の場合は、50日×2×4200円=42万円となります。

任意保険基準

任意保険基準は、非公開ですので相場しか分かりませんが、通院期間6カ月、治療日数50日の場合、64万3000円程度となっています。

裁判(弁護士)基準

裁判(弁護士)基準は、「赤い本」や「青本」の慰謝料表を参考にして算出します。通院期間6カ月、治療日数50日の場合、116万円となっています。

裁判(弁護士)基準が高額

基準別に慰謝料の相場をみてきましたが、基本的には、裁判(弁護士)基準での算出が慰謝料を一番多く請求できます。しかし、裁判(弁護士)基準で請求するためには、弁護士に依頼をしなければなりません。

被害者だけで裁判(弁護士)基準での請求をしようとしても、基本的には認められません。ですので、弁護士への報酬なども加味して、どの基準で慰謝料を請求したいのかを考えましょう。

交通事故の慰謝料は主婦だと違う?

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の慰謝料は、その人の一家でのポジションによって変わることがあります。一家の支柱なのか、子どもなのか、高齢者なのか、などさまざまです。もし、一家の支柱である人が交通事故によって働けなくなったり、死亡してしまうと、家族は精神的にはもちろん、経済的にも損害を受けることになるので、慰謝料が多くもらえる場合があります。

では、主婦の場合はどうでしょうか。「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」それぞれでみていきましょう。

入通院慰謝料は同じ

入通院慰謝料は、入院や通院の日数や期間によって算出されるので、基本的には被害者が誰であろうと金額の差はありません。ただし、育児のために入院期間を短くせざるを得なかったなど特別な事情がある場合には、実際の入院期間から算出される慰謝料よりも少し多く請求できる場合もあります。ですが、原則、主婦だからといって慰謝料の金額が変わるわけではありません。

後遺障害慰謝料も同じ

後遺障害慰謝料も、入通院慰謝料と同様、主婦だからと言って金額が上下するわけではありません。もし裁判に持ち込んで慰謝料請求する場合は、個人的な事情などを訴えることができるので多少金額を上げることができる可能性もありますが、基本的には主婦だからという理由で金額が変わることはありません。

死亡慰謝料は変わることも

死亡慰謝料は、死亡者本人への慰謝料と遺族への慰謝料の合算で支払われます。主婦の場合、家庭内で果たしていた役割が大きく、残された遺族の精神的苦痛も大きいことが予想されるので、金額が多くもらえることがあります。

むちうちでも慰謝料はもらえる?

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の怪我として、一番に挙げられるのは「むちうち」ではないでしょうか。交通事故が発生時にはどこにも痛みがなかったのに、後日痛くなる可能性があるのも、「むちうち」の特徴です。交通事故で一番多い怪我と言ってもいいでしょう。

「むちうち」は他覚症状がないこともあり、そのようなときは客観的に症状を確認することができません。このような場合でも、慰謝料はもらえるのでしょうか。

むちうちの症状は?

交通事故で最も多いとされる「むちうち」の具体的な症状は以下のとおりです。

・頭痛・疲れやすさ・不眠・めまいなど ・首の痛み・手足のしびれ ・長期間にわたって痛みが断続的に続いている ・集中力がない ・天気や湿度などで症状が出る

診断名としては、頸椎捻挫や外傷性頚部症候群などと呼ばれます。人間の頭はとても重いので、交通事故の強い衝撃で揺さぶられたときは、頭を支える首にかなりの負担がかかり、症状が出ます。交通事故直後はなんともなくても、後になってから痛みが出てくることもあります。

むちうちでも慰謝料はもらえる

結論から言うと、むちうちでも慰謝料はもらえます。入通院慰謝料は、治療日数に応じて請求できますし、もし症状固定後も残っている症状があれば、後遺障害慰謝料も請求することができます。

ただし、むちうちは他覚症状がないこともあるので、後遺障害と認められるかどうかは注意が必要です。レントゲンなどに異常がみられる場合は問題ありませんが、検査では特に問題がないのに症状が残っているという場合は、別の病院などで他の検査をしてみましょう。

無料の交通事故相談窓口

交通事故に遭ってしまい、または交通事故を引き起こしてしまったときに、何をすればいいか分からない人も多いでしょう。そういう人のために、国内にはいくつもの交通事故相談窓口があります。そのいくつかを紹介します。

日弁連交通事故相談センター

ここでは、電話や面接で交通事故の相談に応じてくれます。損害賠償額の算定や過失の割合、損害の請求方法、自賠責保険や自動車保険関係の問題、示談の仕方、時効など、さまざまな疑問に答えてくれます。

ただし、電話での相談は一人10分程度とされているので、詳しい話が聞きたい方は、面接での相談をおすすめします。

交通事故紛争処理センター

ここでは、自動車事故に係る損害賠償問題の紛争解決を中立公正な立場から相談にのってもらうことができます。示談まで面倒を見てくれるので、右も左も分からない人は一度相談に行く価値はあります。一部費用がかかるものもありますが、まずは電話してみてはいかがでしょうか。

そんぽADRセンター

こちらは、電話相談や面接での相談はもちろん、出張相談も受け付けています。ただし、出張の場合の交通費などは負担しなければいけません。ですが、怪我をしてあまり外に出られないけど、話を聞いてみたい、といった場合には、ぜひ利用していただきたいサービスです。

交通事故に遭ったらできれば弁護士に相談しよう

交通事故の慰謝料の裁判の基準と計算式・範囲・支払い期間

交通事故の慰謝料の金額は、「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判(弁護士)基準」のいずれかで決定されますが、弁護士に依頼して「裁判(弁護士)基準」で交渉を進めることが、被害者にとって最も有利な方法です。また、慰謝料に関することに限らず、弁護士は豊富な知識で被害者をサポートしてくれます。

もし可能であれば、交通事故に遭った時点で弁護士に相談しましょう。弁護士報酬が気になる場合は、先に紹介した無料相談窓口で話を聞いてみるのもいいでしょう。交通事故のトラブル解決は、素人だけでは難しいことが多いです。知識のある弁護士に任せて、有利に、そして安全に話を進めていきましょう。
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