看護における環境整備の目的・計画・観察項目・留意点

仕事ノウハウ

看護における環境整備の目的

看護にとって環境整備は最初の一歩です。学校の授業でも、最初に教わる看護技術になるでしょう。療養環境を清潔に保つことは、どんな意味があるでしょうか。また、清掃業者とは違う看護師の行う環境整備とはどんなものでしょうか。

看護上の環境整備

看護で行う環境整備の目的は、患者自身の持つ自然治癒力を最大限発揮することにあります。ナイチンゲールが説いたのは「自然が病人に対して最も働きかけやすい状態にすること」です。人が元々持っている自然治癒力は、悪臭漂う劣悪な環境では作用しません。

清浄な空気と、ホコリなどの無い寝具やベット周囲、そして必要物品を患者も看護師もとりやすい状態に環境整備しておくことで、患者は療養しやすくなり看護師も動きやすくなります。清潔な場所では、患者も治ろうとする精神状態をキープしやすくなります。

看護における環境整備の根拠

看護が環境整備をする根拠とは何でしょうか。病院や施設などでも、専門の清掃業者が来てくれることがほとんどとなりました。その中で、看護の基本として環境整備が続けられている根拠は、療養環境としての環境整備をすることです。

その患者がどんな自然治癒力を持っているか、どんな状態がこのましいか個別性を考慮した環境整備をできるのは、看護の役割です。清掃業者はマニュアルに沿って必要不可欠な清掃をしてくれます。これは、基本的に大事なことです。 看護はそれとはまた違う視点で、患者が安心して療養に専念できる環境整備を行わなければなりません。そのためには、患者の病状や治療内容を知っていないといけません。また、危険予測など看護師独自の視点をもって、環境整備する必要があります。 そのために、看護の基本として環境整備があります。

看護における環境整備の目標

看護における環境整備の目標は、患者が「安全」「安楽」「安心」できる療養環境であるかどうかを念頭において考えると良いでしょう。

看護における環境整備の目標をたてる時に、柱となるのは患者が「安全」「安楽」「安心」に療養できる環境を考えることです。例えば、複雑骨折をして手術後の患者にとって「安全」なのは、骨折部位が安静に保たれかつ他の場所の褥瘡など二次災害が起きない環境などです。 また、「安楽」なのは動かせない箇所がありながら、日常生活動作や保清行動など人間としての尊厳を保つ行動がとりやすい環境です。そして「安心」なのは、療養環境が治療を進めたり入院生活を送るのに適している環境です。「安全」であるから「安心」もしますし、「安楽」であるから「安全」でもあります。
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