誤嚥性肺炎の看護計画・目標・過程・観察項目・研究

仕事ノウハウ
窒息リスク状態に関するケアプランと教育プランは、吸引を行い気道クリアランスを保ち窒息を防ぐことです。体位ドレナージを行い喀痰を促していきます。患者には痰はしっかり出すように指導していきます。

誤嚥性肺炎の観察項目

誤嚥性肺炎の看護計画・目標・過程・観察項目・研究

誤嚥性肺炎の観察項目をご紹介します。患者の体温、血圧、呼吸回数、SpO2 、呼吸状態、Aガスデータ、痰の性状・量、チアノーゼの有無、嚥下状態を観察していきます。酸素化が図れているかを正確に知るためにはSpO2だけでなく、適宜動脈血のデータを見ておきます。呼吸器を使用しているならば必ず確認しておきましょう。

誤嚥性肺炎の看護研究

誤嚥性肺炎に対する看護研究には、誤嚥性肺炎の患者に対する嚥下機能訓練の導入時期に関する研究、施設入所者の誤嚥性肺炎の特徴などの研究が行われています。また、誤嚥性肺炎の患者に対する口腔ケアの効果なども看護研究されています。

誤嚥性肺炎の計画の目標

誤嚥性肺炎の計画目標を挙げていきます。

誤嚥リスク状態の看護計画は誤嚥を起こさないことです。嚥下機能が弱ったままだと何度も誤嚥を繰り返してしまうため、嚥下機能訓練を行い、再度誤嚥を起こさないように鍛えていきます。 呼吸機能低下による呼吸困難感に関する計画目標は、呼吸困難感を軽減することです。状態に合わせて酸素投与をしたり、体位ドレナージをして喀痰を促して、一番楽な体制を取れるようにします。 窒息リスク状態に関する計画目標は、窒息を起こさないことです。痰の量と性状をアセスメントし、吸引したりして気道内に貯留しないようにしていきます。

誤嚥性肺炎の看護

誤嚥性肺炎の患者さんに対する看護は、呼吸困難感や発熱による苦痛を軽減し、再度誤嚥を起こさないように嚥下機能を高めることが大切になってきます。発熱に対してはクーリングや抗生剤加療、解熱剤を使用して解熱を図ります。

状態に合わせて酸素投与を行います。嚥下機能訓練は専門のSTさんと連携しながら進めていきます。高齢な患者さんが多いため、無理のない範囲で嚥下機能訓練を行い食事形態も少しずつ常食に近づけていきます。必要であれば家族に対しても食事の形態については調理方法など指導していきます。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎を予防するためには、まずは口腔内を清潔な状態に保ちます。義歯があれば毎日キレイに洗うようにします。また食事は座位など、しっかり頭部を挙上した状態で摂取するようにします。食事の量は一度にたくさん摂取するのではなく、一口量は少量ずつ、口の中が空になってから次の食べ物を口に運ぶようにします。

普段からしっかりお話をしたり、歌を歌ったりと声を出したり唇を動かしたりして口や喉の筋肉が衰えないようにすることも予防効果があります。

誤嚥性肺炎と脳梗塞の関係性

誤嚥性肺炎を起こしている患者の既往歴に脳梗塞があるかどうかは重要なポイントになります。脳梗塞の既往歴があり、半身麻痺や失語などの後遺症によって、誤嚥性肺炎を起こしやすくなり、また繰り返しやすくなります。

半身麻痺がある場合は麻痺側の口腔内に食べ物がたまりやすくなり、飲み込みにくくなるため、できるだけ健側に食べ物を運ぶようにしたり、体位を整えたりする必要があります。患者さんの後遺症の程度によって、患者さんに合わせた指導を行っていく必要があります。 また、今まで飲み込みに何も問題のなかった方が、突然むせやすくなったり、口の片方から食べ物をこぼしたりするようになった場合は脳梗塞を起こしている可能性があります。脳梗塞のサインとしての誤嚥性肺炎を見逃さないように、全身状態をアセスメントしながら観察していくことが大切です。
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