糖尿病の看護方法・看護ケア|妊婦/下肢切断/網膜症

仕事ノウハウ

糖尿病の看護方法・看護ケア

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリンが十分に作用されないことが原因でブドウ糖の減る量が少なく、少しずつ消費されるブドウ糖が蓄積されて血糖値が高くなっている状態です。糖尿病を放置すると糖尿病網膜症や神経麻痺などのさまざまな症状が出てきます。

1型糖尿病

「1型糖尿病」は先天性の糖尿病で、何らかの原因で膵臓の働きが悪くなったためになる糖尿病です。子どもや若年者に多く、インスリン注射で治療を行います。

2型糖尿病

「2型糖尿病」は一般的に知られている生活習慣が原因でなる糖尿病です。少し前までは中高年の病気と言うイメージでしたが、最近では若い人でも「2型糖尿病」になる人が増加しています。

糖尿病の看護

「2型糖尿病」になった場合、「自己管理ができなかった結果、病気になった」など負のイメージがあり、周囲に言われ落ち込んだり,不安になったりします。その結果、「自分はダメだ」と言う感情が出てしまいます。

看護師は患者と接する時には、前述のような負のイメージで接するのではなく、まずは患者が自ら行動できる簡単な看護計画や看護目標を立案をし、「自分でも少しずつできるんだ」という考えになるように行動変容を促していくことが大切です。

妊婦

妊婦の場合、妊娠中に発見された糖尿病の事を「妊娠糖尿病」と言います。「妊娠糖尿病」は妊娠したことがきっかけで、妊娠中に血糖値が高くなったり初めて血糖値が高いことに気づいた場合をいいます。

妊娠糖尿病の原因

妊娠をすると胎盤でインスリン拮抗ホルモンが作られますが、妊娠中期以後になるとインスリンが効きにくい状態になるため血糖値が上昇しやすくなります。 通常、妊娠中期以降になってインスリンが効きにくい状態になると、膵臓がインスリンを非妊時よりも多く分泌することで血糖値を上げないように作用します。

しかし、血糖値を上げないために必要なインスリンを十分に分泌ができない体質だと血糖値が上昇します。 血糖値が上昇しやすい体質として、体重が重い、身内に糖尿病の人がいる、尿糖陽性、35歳以上などの場合には血糖値が上昇しやすい原因と言われています。 また、妊娠中に血糖検査をして、初めて血糖値が高いことに気づく人もいます。妊娠初期はインスリン抵抗性のない時期であるため、この時期に血糖値が高いことに気づいた場合は妊娠前から血糖値が高かった可能性があります。

妊娠糖尿病の症状の現れ方

「妊娠糖尿病」になると妊娠中は血糖値が高い状態になるため、母体と胎児にもさまざまな影響がでます。例えば、母体の場合は早産や妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症になることもあります。また、胎児の場合は巨大児や新生児が低血糖になりやすく、最悪の場合、子宮内で胎児が死亡することもあります。

そして、妊娠前から血糖値が高かった場合には流産をしやすく、新生児が先天性奇形を合併している可能性もあります。

妊娠糖尿病の検査と診断

「妊娠糖尿病」のスクリーニング検査は、妊娠初期から行います。

検査内容 「食前・食後の随時血糖値が100mgdl以上」または「妊娠中に血糖値が上昇しやすい体質」の場合、「75gブドウ糖負荷試験」を実施し、結果が異常だった場合は治療を行います。異常がない場合は、妊娠中期に随時血糖値の再検査をして結果が「100mgdl以上」または「50gGCT」を実施して、「1時間値が140mgdl以上」の場合は「75gブドウ糖負荷試験」を実施します。

診断 「妊娠糖尿病」は「75gブドウ糖負荷試験」の結果が「負荷前100mgdl以上」「負荷後1時間180mgdl以上」「負荷後2時間150mgdl以上」のうち2項目を満たすと「妊娠糖尿病」と診断されます。

妊娠糖尿病の治療

「妊娠糖尿病」の場合、治療は食事療法から開始しますが、妊婦に対しての食事制限は胎児にも影響があるため、主治医としっかりと相談をしながら行うことが大切です。また、血糖値が非常に高い場合にはインスリン治療を行います。「妊娠糖尿病」の場合は、出産をすると血糖値が正常値になることが多いですが、妊娠前から血糖値が高かった可能性のある場合には、出産後も治療を続けます。

また、妊娠中に血糖値が高くなった場合は、将来、「糖尿病」になりやすいため、出産後も定期的に血糖値を測定していくことが大切です。 もし、糖尿病になりやすい体質とわかっている女性の場合は、妊娠前に血糖値を測定し、血糖値が高い場合には必要な治療を行い、数値が改善され主治医と相談をして妊娠をするタイミングなどを決めることが大切です。

3大合併症

「糖尿病」になると初期の段階では症状は特にありません。しかし、発症してしっかりと治療などを行っていないと、数年から十年ぐらいで3大合併症と言われる症状が出てきます。「糖尿病」は自覚症状がないため、治療を中断してしまう人もいますがしっかりと治療や生活習慣の改善などを行うことが大切です。

もちろん、3大合併症と言われる合併症以外にも日常生活に影響が出る症状や、疾患もあるため自覚症状がなくても「糖尿病」もしくは「糖尿病予備軍」と言われた場合には、しっかり治療や生活改善などを行うことが大切です。

糖尿病性神経障害

「糖尿病」になり血糖値が高い状態が続くと手足の血行が悪くなり、神経障害が起こります。最初の神経障害の症状はしびれや感覚がにぶくなったり、悪化すると壊疽(えそ)を起こします。そして、壊疽が原因で下肢を切断する可能性もあります。

糖尿病性網膜症

「糖尿病」になると血行障害が原因で眼底の血管がつまり視力が低下します。そして、血管が詰まった状態が続くため、失明してしまいます。中途失明の原因の第1位は、原因が「糖尿病」で、発症してから15年くらいで半数以上の「糖尿病」の患者が網膜症になります。

糖尿病性腎症

「糖尿病」になると血糖値が高い状態が続くため、腎臓の血管が影響を受け、腎臓の機能が低下します。腎臓の働きは血液の老廃物を尿にすることであるため、処理が正常に行われなくなると人工透析が必要になります。

糖尿病の看護計画の立て方

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