症状別狭心症の看護の観察項目・看護問題・注意点

仕事ノウハウ

症状別狭心症の看護について

狭心症とは、動脈硬化により血管が狭くなり心臓に上手く血液を送れない状態をいいます。心筋梗塞は血管に血栓(血液のかたまり)ができて血管が完全に塞がった状態をいいます。狭心症は心筋梗塞と違い、血栓で血管が閉塞されていないため、血流が回復すれば元に戻ります。狭心症と心筋梗塞は、どちらも心筋に血液を送る冠動脈の病気です。

狭心症もいろいろな症状がありますので、各症状の原因や発作が出やすい時間帯、看護のポイント、また看護をする上での注意点などを説明していますので参考にしてください。

狭心症の発作

狭心症の発作は、運動した時や急に寒いところに移動した時など、心臓に負担がかかり急に圧迫されるような胸の痛みが出ます。範囲は漠然としており、肩、首、背中、喉頭部、歯などに痛みを感じることもあります。ほかに呼吸が苦しくなったり、冷や汗や脂汗が出るなど症状を訴える人もいます。

痛みの度合いは症状によって差があり、強い痛みを感じる人とちょっとした違和感を感じる程度のものがあります。一過性のものであれば数分で回復しますが、ニトログリセリン投与を数回繰り返し、30分を越えても効果が出ない場合は心筋梗塞を疑います。

【発作が出るタイミング】 ・朝:目覚めた直後、洗面時、排便時、急に冷たい空気を吸った時などに発作が出やすいです。

・日中:喫煙時、暑い室内や湿度の高い室内にいる時などに発作が起こりやすいです。 ・夜:アルコールを飲んでいる時や入浴中など起こりやすいです。

狭心症の改善・予防するには

・禁煙:タバコは動脈硬化の引き起こす原因になります。

・バランスのとれた食事:高血圧症、糖尿病、高脂血症などを予防します。 ・減塩:塩分の摂りすぎは動脈硬化の誘因となります。 ・ストレスを溜めない:ストレスは心臓に負担をかけます。自分なりの気分転換を考えておくと良いです。 ・室内の温度差に注意:部屋の気温差が激しいと血管を収縮させ心臓への負担が増します。 狭心症の看護、狭心症の予防・改善をすることは心筋梗塞への移行を防ぎ、心筋梗塞にならないための予防看護、また死亡率を減らすことにも繋がります。患者と家族を含め狭心症や心筋梗塞の説明をすること、病気の説明と狭心症の改善と予防法を説明することもまた、看護師の重要な仕事です。

狭心症の種類

狭心症には種類があり、一般的なものが以下の5種類です。次の1~5は、狭心症の種類別に発作が出るタイミングや原因です。

1.労作(性)狭心症:歩行や階段の上り下りなどの身体的な労作、精神的な興奮やストレスなどにより発作がおこります。安静にしたりストレスがなくなると、ほとんどが数分で症状がおさまります。主な原因は、動脈硬化で狭くなった冠静脈に急な運動で心臓に負担がかかったことです。 2.安静狭心症:労作やストレスなどに関係なくおこります。 3.異型狭心症:夜間の睡眠中や起床時におこります。動脈硬化が急激に進行した時におこる場合や冠静脈のれんしゅくによってもおこります。 4.安定(型)狭心症:発作の出方が一定していることをいいます。
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