3薬物療法とは?
浮腫のある患者さんには利尿剤や強心薬が用いられます。
利尿剤は、体の中に多く水分が溜まっている場合に使われます。尿を排出させることで浮腫の軽減になります。 強心薬は、高血圧や心不全の人に用いられます。高血圧や心不全から全身の循環が悪くなり浮腫になることがあるからです。高齢者で浮腫のある患者さんの看護とは?
若い人と違い高齢者の人は、いくつかの病気を併発していることもあります。そのため、浮腫もできやすいです。高齢者で浮腫のある患者さんは若い人と違い看護も違うのでしょうか。
基本的には先ほど紹介した看護と同じですので、簡単に説明していきます。高齢者の浮腫の看護
①心身の安静や体位の工夫
上肢や下肢など浮腫が強い時は、その部分を挙上してあげましょう。
②褥瘡予防
ベッドや車椅子に徐圧マットを使って褥瘡を予防してあげましょう。高齢者の人は若い人より入院中もベッドで過ごす時間が長い人もいるので長時間、同じ体位になりがちです。体位交換が大事になってきます。
③食事や水分制限
高齢者で浮腫のある患者さんの看護で最も大事な部分になります。塩分制限・水分制限・タンパク質の補足が必要です。高齢になってくると患者さんだけでは食事の管理が難しい場合もあります。家族の人にも食事療法の必要性を理解してもらい退院後も続けられるように支援してあげましょう。
しかし、急性腎炎による浮腫はタンパク質を制限することがあります。④皮膚・粘膜の清潔の保持
特に高齢者の皮膚はもろくなっています。その上、浮腫のある皮膚は薄くなっていて傷つきやすくなっています。傷つきやすくなった皮膚は感染や炎症を起こしやすくなっています。口の中や目、陰部などの皮膚の清潔の保持のため清拭や陰部洗浄なども行いましょう。
⑤環境調整
寝衣・寝具類は柔らかいものを選び、爪の手入れをするなど環境調整を行うことで皮膚の傷や打撲の予防もしましょう。
衣服や靴下の圧迫は循環障害を引き起こすため、緩めのものを選んであげましょう。⑥排便コントロール
浮腫は消化管にも現れます。便秘を訴える高齢者の人は多いため気をつけましょう。症状に応じてお腹を温め(罨法)たりマッサージをしたりしましょう。
⑦転倒予防
下肢の浮腫が強いと歩行が不安定になりやすいです。 高齢者の場合、若い人と違って転倒し骨折するとなかなか治りにくいです。 歩行やベッド・車椅子移乗時は転倒がないように見守りを行ったりし注意しましょう。
⑧その他
そのほかにも浮腫の部位や状況に合わせ、保温・マッサージ・弾性ストッキング・ベッド上での軽い運動を行い血流を促進につとめることが必要になってきます。浮腫のある患者さんのマッサージ方法については後ほど説明していきます。
浮腫のある患者さんへのマッサージ方法とは?
リンパドレナージ
2010年に浮腫の治療に用いられる言葉が「マッサージ」という言葉からドレナージという言葉へ変更されました。
そもそもマッサージという言葉は、肩や腰のコリを取るものとして使われていることが多いです。浮腫におけるマッサージは優しく皮膚をさするように行うことが多く「リンパドレナージ」と名付けられました。ドレナージとは「排液」という意味があります。そのことからも、リンパドレナージとは、リンパ液を皮膚の下から排液するという意味です。リンパドレナージの方法
先ほど説明したリンパドレナージですが自分でも行うことができます。自分でできない人には看護師が行ってあげましょう。
ドレナージの仕方としては、流れの悪くなっているリンパ節を避け、正常に流れているリンパ節へ流します。足の場合は、浮腫のある方の脇の下へ、腕などの上肢の場合は浮腫のない方の脇の下と浮腫のある足の付け根にリンパを流します。このことを前提に頭に入れておいてください。 1.まず初めに全身のリンパ液の流れが良くなるために首の付け根とお腹のマッサージをします。