大腿骨頚部骨折の看護過程・リハビリ・症状|高齢者/歩行訓練

仕事ノウハウ

荷重など

大腿骨頚部骨折の手術直後には、骨折部に全体重をかけることができません。目安としては体重の1/3から荷重できるようになる場合が多いです。例えば60kgの患者さんであれば、骨折した側の下肢に20kg程の荷重をかけるようにします。

体重の1/3の荷重とはいっても、どれくらい荷重をかけたらよいのかわからない患者さんも多いです。平行棒に掴まり、体重計に少しずつ荷重をかけていくことで、荷重できる範囲を患者さんに指導しましょう。

大腿骨頚部骨折の看護過程

大腿骨頚部骨折の看護過程・リハビリ・症状|高齢者/歩行訓練

大腿骨頚部骨折を受傷する患者さんのほとんどは高齢者です。体力の少ない高齢者では、数日寝ているだけであっても、肺炎や膀胱炎、褥瘡、認知面の低下といったリスクが伴います。これらを予防するためには早期離床を促し、リハビリテーションを行うことが必要です。大腿骨頚部骨折の看護過程をご紹介します。

看護計画

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大腿骨頚部骨折の看護計画としては、疼痛や寝たきりの防止などの身体面に対する看護計画と手術への不安の軽減などの精神面に対する看護計画を立案します。疼痛は、疼痛の部位や程度、疼痛によって睡眠や食事は取れているかどうかを確認して計画を立案します。また、疼痛や可動域制限によって入浴や排泄などのADL動作が阻害されているかどうかを確認して看護計画を立案しましょう。

大腿骨頚部骨折の手術への恐怖や不安を医師や看護師、家族に伝えることができているかを確認し、精神面への看護計画の立案も必要です。

治療の原則

大腿骨頚部骨折の疼痛によって、睡眠や食事が取れていない場合などは、肢位の調整やクーリング、薬物療法による看護を行います。疼痛が強まった時には、看護師に知らせるように説明しておきましょう。

術後入浴が行えない場合には、皮膚症状を確認しながら清拭、部分洗浄、洗髪を行います。退院後にも介助が必要となる場合には、退院後の動作を想定しながら安全に入浴できるように、入浴の方法を指導しましょう。 また、術後床上安静時から褥瘡が起こらないように、除圧マットを用いたり、膝を立てて腰を上げるという除圧方法の指導を行いましょう。手術に対する恐怖や今後の不安が強い場合には、話を傾聴して不安を軽減させる精神的な看護ケアも行いましょう。

看護上の問題

大腿骨頚部骨折には、さまざまな合併症を呈する可能性があるという問題があります。

術式関係なく起こる可能性がある合併症としては、深部静脈血栓症があげられます。深部静脈血栓症とは手術中や安静時に下肢の静脈に起きた血栓が、身体が動き出すことによって心臓や脳などに流れて血管を詰まらせることをいいます。深部静脈血栓症を予防するために弾性ストッキングの着用や血栓予防薬を投与しましょう。 人工骨頭置換術を施行した場合には、股関節を過度に屈曲・内転すると、脱臼する場合があります。脱臼を予防するためにトイレや入浴で脱臼肢位をとらないような動作の指導を行いましょう。また、重労働や過度な運動によって、人工関節は緩みやすくなりますので、人工関節を長持ちさせるために、杖の使用や定期健診を促しましょう。

大腿骨頚部骨折の看護での観察すべき症状

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