デメリット5:職種の条件が厳しい
みなし労働時間制や見込み残業制度は、すべての職種で取り入れることができるわけではありません。上記で述べたように、外回りの多い営業や、労働者の裁量によってその仕事にかかる実働時間が大きく変動するような職種にのみ適用されます。
基本的に会社に出勤してタイムカードを切り、会社の中で働くような仕事には適用されないと考えて良いでしょう。優れた制度ですが、悪用もされやすいので条件が厳しいのが難点です。ブラック企業に入ってしまったと感じたら
上記に述べたように、労働者に支払う賃金をなるべく削減して労働だけを搾取しようとするブラック企業も日本にはたくさんあるのが現状です。このような企業は、実際に入って働かないとブラックだとわからない場合も多いです。
自分の勤めている会社がブラック企業だと気づいたら転職を考えましょう。転職エージェントはあなたの能力から最適な企業を探し出してくれます。転職するまでをトータルサポートしてくれる頼もしい味方です。見込み残業にありがちな誤解
ここからは、見込み残業制度にありがちな世間からの誤解をご紹介していきます。見込み残業制度は採り入れられる企業が少ないこともあってそれほど認知度も高くありません。
そのためにいろいろな誤解が生じていますので、1つ1つ整理していきましょう。見込み残業制度がうまく働くかどうかはその企業の使い方次第です。制度自体は自由な労働を支える優れたものであると認識しましょう。正しく運用されていれば違法ではない
上記に述べたように、見込み残業制度は監督者が労働者の残業時間を把握できないが、労働者が自己裁量で残業し、その分の残業代を正当に受け取ることができるように定められている物です。このあり方に従って運用されていれば完全に合法です。
見込み残業時間以上の労働は別途残業代が出る
見込み残業制度は月の残業時間をあらかじめ定めておく物ですが、実はこれを超過した場合には労働者が正しく手続きをすることで超過分の残業代を受け取ることができます。これを知らずに手続きをしない人が多いのも現状であり、ブラック企業ではあえてこれを隠していたりします。
残業時間が短くても払う必要がある
見込み残業によって定められている月の残業時間を消化することなく仕事が終わってしまった場合にも、あらかじめ上乗せされた分の手当を受け取ることができます。後から実働時間に合わせて減らされたりすることはなく、これは違法です。
最低賃金を下回るのは違法
見込み残業によって定められる給与が最低賃金を下回るのは違法です。残業代として上乗せされる金額と残業時間として定められている時間の関係を把握し、自分でしっかりと管理しましょう。
正しい見込み残業を理解して悪用に気を付けよう
見込み残業制度は本当は企業側にも労働者側にも大きなメリットがある制度です。これを正しく理解して、両者が真摯に仕事に取り組むことでこの制度の良さを最大限に生かすことができます。ブラック企業に悪用されないように、自分でしっかりと管理しましょう。
他の労働のルールも理解しよう
労働をとりまくルールは見込み残業制度以外にもたくさんあります。労働の決まりをきちんと理解しておくことは、自分の体や心を守ることにつながります。自分の身は自分で守る力をつけましょう。